芸術の秋なので 少しアートな話題です。
宮崎駿監督がイギリスまで会いに行った一枚の絵がありました。
それが こちら↓ イギリスの画家、ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829~896)の「オフィーリア」。
夏目漱石の「草枕」のなかで 主人公の画家が何度も言及している画でもあります。
宮崎駿監督は「ハウルの動く城」の後、瀬戸内海の海辺の街に冬ごもりをしながら、夏目漱石全集を読みふけっていたそうです。
字こそ違いますが 「崖の上のポニョ」と漱石の「門」の主人公は 同じ宗助という名前。 崖のそばに住んでいた、という設定も一緒です。
本物の 「オフィーリア」を見た宮崎監督は
「自分たちが目指した方向性は既に19世紀に極められていた… 精度を上げた練熟から、素朴さへ梶を切りたい」 と手描きのアニメーションの原点に立ち戻ったとか。
オフィーリアの姿は 「崖の上のポニョ」のなかで なんと ポニョの母親、グランマーレとなって 登場しています。
19世紀の画家ミレイ、イギリス留学時代にこの絵を見た夏目漱石、そして宮崎監督。
芸術家の心が時を超えて つながった、というお話です。
渋谷の「BUNKAMURA ザ・ミュージアム」で 10月26日まで 開催中の「
ジョン・エヴァレット・ミレイ展」。
実はだいぶ前に行ったのですが どう絵日記にしよう、と思っていたら MOEという絵本雑誌の 「絵からうまれた映画のおはなし」という記事に上のエピソードが載っていて 自分の中の点が線となって すっかり 嬉しくなりました。
一度は実物を見たいと思っていた「オフィーリア」。
当時22歳のミレイが 1500時間以上費やした作品。 描かれている花の鎖はオフィーリアの運命を暗示するように花言葉から選ばれています。
(パンジー「かなわぬ恋」、ケシ「死」、ひな菊「純潔」、バラ「若さと美貌」…)
ほかのヴィクトリア朝絵画もどれも 素晴らしく期間中にもう1回行けたらいいな、と思っております。
萩尾望都さんにも似た絵がありましたが、詳しい方がいたら 教えてくださいませ。
絵葉書を何枚か買ってきたのですが 著作権が厳しそうなのでアップは控えました。
ぜひ こちらのHPをご覧くださいませ~ ⇒
ジョン・エヴァレット・ミレイ展
JT