先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑧ 2023-07-24
今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
約250種の野生種があり、主に南北アメリカの熱帯から亜熱帯に分布していますが、日本にもクマツヅラ1種が自生しています。
春から秋にかけての長い間花を咲かせる一年草です。羽状や楕円形の葉をつけた茎先に、桜に似た小さな5弁の花を咲かせます。
その姿から、「美女桜」という和名がつきました。花色は白、赤、ピンク、紫、青紫、紅紫などがあります。
品種によって、1年草・多年草(宿根草)、匍匐性・立性と、生育のリズムや生長の仕方がまったく違います。
花丈も匍匐性のものは15~20cm、高性のものは1m50cmほどに生長します。
昔から宗教や魔法と関連のある花とされており、学名はヘブライ語でよい植物を意味する「herbabona」が語源とされています。
古代ケルトでは「魔女の薬草」とされ、魔術や薬草として使用されていました。ハーブとして使われるときは、「ヴェルヴェーヌ」とも呼ばれます。
<バーベナ(美女桜) クマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)>
6/15 アンデルセン公園
オミナエシの高山種で、亜高山から高山に生える。本種の変種であるキンレイカと同じく、背丈が20~40センチほどです。
花が咲いているように見えますが、これは実です。イロハモミジ などの実のように羽がついて、風で飛ばされていきます。羽根は1枚で実は細長く大きめです。
白山は古くから山岳信仰の対象で、多くの人がが高山植物と遭遇する機会が多かったことから、ハクサンの名の付く植物が多いようです。ちなみに ハクサンボク 、ハクサンチドリ 、ハクサンフウロ 、ハクサンイチゲ 、ハクサンシャクナゲ 、ハクサンタイゲキなどがその例です。
<ハクサンオミナエシ(白山女郎花) オミナエシ科オミナエシ属>
6/20 つくば実験植物園
アメリカ合衆国のテキサス州やルイジアナ州に自生する植物です。ガウラという名前でも流通していて、ギリシャ語で華麗なという意味もあります。
ひとつひとつの花は短命ですが、初夏から秋の長い期間、次から次に花を咲かせていくため、長い間観賞することができます。
穂状に咲く小花が風に揺れる様子は、白い蝶が群れて飛んでいるように見えることから、和名が付きました。
<ハクチョウソウ(白蝶草) アカバナ科ガウラ属>
6/15 アンデルセン公園
5月~10月頃、平地や丘陵地の水生植物が繁茂する緩やかな流付近に生息し、岸近くに木立などのある薄暗い環境を好みます。
腹長40~52mm、後翅長35~44mm。羽がまっ黒で、胸部や腹部も黒光りする金緑色のスマートなトンボです。メスはやや褐色味のある黒色をしています。
ひらひらと大きく羽をはためかせてゆっくり飛びます。未熟な個体は、羽化した場所からやや離れた薄暗い林内で生活することが多いようです。
<ハグロトンボ(羽黒蜻蛉) トンボ目カワトンボ科>
6/20 つくば実験植物園
日本・東アジアに自生するヤナギ科ヤナギ属の落葉低木のイヌコリヤナギの園芸品種。五色ヤナギと呼ばれることもあります。
斑入りの葉色の変化を楽しめる落葉広葉樹です。新芽から斑が現れ、鮮やかな色の変化(ピンク、白、クリーム、緑)を楽しめます。
<ハクロニシキ(白露錦) ヤナギ科ヤナギ属>
6/21 あけぼの山農業公園
南イタリアやアルジェリアを原産地として紀元前から薬用及び香辛料として利用されていた歴史の古い野菜です。わが国へは江戸時代に渡来しました。和名では「オランダゼリ」と呼ばれます。
春から初夏が旬の季節で、ビタミン、ミネラルを多く含む緑黄色野菜です。濃い緑色の縮れた葉が特徴で、2年目の夏に緑がかった黄色の花が咲き、種子ができると枯れてしまいます。
<パセリ(旱芹菜) セリ科オランダゼリ属>
6/20 つくば実験植物園
江戸時代を中心に品種改良が進んだ古典園芸植物です。現在は5000種類以上の品種があると言われています。
アヤメ(菖蒲)、ハナショウブ(花菖蒲)、カキツバタ(杜若)、アイリスは4つともアヤメ科の植物で、見た目がよく似ており、区別が難しいですね。
その違いは花びらを見ればわかるようです。
・アヤメ(菖蒲)・・・・・・・・根元に網目模様がある
・ハナショウブ(花菖蒲)・・・・根元に細長い黄色の模様がある
・カキツバタ(杜若)・・・・・・根元に細長い白い模様がある
・アイリス・・・・・・・・・・・根元に幅の広い黄色の模様がある
<ハナショウブ(花菖蒲) アヤメ科アヤメ属>
6/21 北柏ふるさと公園
アジアに広く分布するつる性植物。耐寒性が強いので、寒冷地でも安心して育てられます。
5月~6月にかけてたくさんの花を咲かせます。5月頃につぼみをつけ、外側はオレンジがかった赤で内側が黄色のトランペット型の花を一斉に咲かせます。全枝が芳香花に覆われます。
<ハニーサックル スイカズラ科スイカズラ属(ロニセラ属)>
6/20 つくば実験植物園
東アジアの温帯~冷帯にかけて分布するバラ科・バラ属に分類される落葉性の低木です。日本では北海道から東日本など日本海側の海岸の砂地に多く自生しています。
日本では古くから精油の採取や、漢方薬として利用されてきました。そして江戸時代にオランダ人医師シーボルトによってヨーロッパへともたらされ、バラと交配させて様々な園芸品種が作られるようになりました。
背丈は1~1.5mほどに生長し、太い枝にはたくさんの細かいトゲが生えています。そして初夏になると、野生のバラの仲間では最大級の直径6~10cmほどにもなる花を咲かせます。
紅紫色や白色をしており、豊かな香りを漂わせることが特徴です。その後、赤く熟した実がつきます。この実が、ナスやナシに似ていることから、本種の名前で呼ばれるようになったそうです。
<ハマナス(浜茄子) バラ科バラ属>
6/20 つくば実験植物園
本州、四国、九州、沖縄の海岸に生える高さ20~50cmの多年草で、海岸植物らしく葉が暑くつやつやしているのが特徴です。
7月〜10月頃に開花する花は、茎の先に集散花序を出して、多数の花が密に付きます。花は径1.5cm程の紅紫色の5弁花で、先端が歯牙上に浅く切れ込みます。
本種の名前は、海岸の崖や砂地に多く生育していることから名付けられました。また、夏の時期に開花期を迎えることから「ナツナデシコ(夏撫子)」という別名があります。
<ハマナデシコ(浜撫子) ハマナデシコ科ナデシコ属>
6/16 万葉植物園
北海道を除く日本、中国やフィリピンに自生するやや大型の野草で、白い地下茎を伸ばして毎年育ちます。
6月下旬から7月にかけて、茎の頂点から15cm前後の花穂を伸ばし、花びらを持たない白い小花をたくさん咲かせます。
花が咲く頃、花穂のすぐ下の葉っぱの付け根に近い部分から先端にかけて白い斑が入ります。
白い斑の入る面積はまちまちですが、たいがい先端の方は緑色を残したままになります。
名前の由来は諸説あります。夏至から数えて11日目-半夏生と呼ばれる日あたりに花が咲くところから、「半夏生」。花が咲く頃に葉っぱが半ば白く色づく様子が化粧をしているように見えるところから「半化粧」。
<ハンゲショウ(半夏生) ドクダミ科ハンゲショウ属>
6/20 つくば実験植物園
ラン科バンドプシス属に属し、タイ、インドネシア、フィリピン、ニューギニアなどに広く分布し、常緑樹林の林縁などで着生または岩生して生育する大型の原種ランです。
茎は高さ約1.7m、分厚くて硬い葉を左右に振り分けて付け、その途中から出た花茎は高さ2mに達しています。花茎には渋めの色をした花が咲いています。
“バンダ”に似ているという意味の“バンドプシス”属に属し、“リッソキルス”というマダガスカル原産のランに似ているという意味の“リッソキロイデス”という種名を付けらました。
<バンドプシス・リッソキロイデス ラン科バンドプシス属>
6/20 つくば実験植物園
台湾、中国に分布する常緑性の低木です。日本に渡来したのは1681~1687年(天和・貞享年間)のこと。漢名を十大功労という。
初夏にでき始める果実は直径7~8ミリの球形で水分を含みます。秋にはブルーベリーのように黒紫色に熟し、表面に白い粉を吹きます。
遠目で見れば葉の雰囲気はナンテンに似ており、葉の縁にヒイラギのようなトゲがあることから、名前がつきました。
<ヒイラギナンテン(柊南天) メギ科メギ属>
6/20 つくば実験植物園
南ヨーロッパ原産で日本には明治初期に渡来しました。白、ピンク、赤、青紫、八重咲きといろいろな花があります。千鳥草という別名もあります。
デルフィニウム(大飛燕草)に似た花姿をしており、よく混同されますが、本種は細かく線状に裂けた、コスモスのような糸状の葉が特徴的です。
<ヒエンソウ(飛燕草) キンポウゲ科ヒエンソウ属>
6/15 アンデルセン公園
200種以上が世界に広く分布しているキク科の植物で、特にメキシコに多くの種が自生しています。
日本の道端に雑草として生え、タネが衣服につくアメリカセンダングサも本種の一種の帰化植物です。
黄と白の花を咲かせる品種がほとんどですが、ピンク色の品種も流通します。
種類によって、夏に花を咲かせるものもあれば、冬に咲くものもあります。
特にBidens laevisは、コスモスに似ていて、冬にも花を咲かせることからウィンターコスモスとも呼ばれます。
その他の夏に咲く本種もウィンターコスモスと呼ばれている場合もあります。
<ビデンス(ウインターコスモス) キク科センダングサ属>
6/21 あけぼの山農業公園
木立性のヒペリカム。「キンシバイ(金糸梅)」と「ビヨウヤナギ(未央柳)」に似ています。
花期になる6月下旬〜7月頃、雄しべがこんもりと丸く目立つ黄色くなる鮮やかな花を咲かせます。
球状でボンボンのような形をしている、とてもユニークな花姿が可愛い花です。
<ヒペリカム・サンバースト(ポンポン咲き金糸梅) オトギリソウ科ヒペリカム属>
6/15 アンデルセン公園
日本の紀伊半島以西に分布するキンバイザサの仲間で、メキシコや西インド諸島・ブラジルなどに分布する多年草です。
草丈は20~25㎝程度で、葉は艶のある細長い形状をしています。6~9月頃、10~15㎝の花茎を立ち上げ、先端に径2㎝程度の黄色い花を付けます。1茎1花です。
<ヒポクシス・デクンベンス キンバイザサ科コキンバイザサ属>
6/20 つくば実験植物園
原産地は北アメリカ大陸と言われています。紀元前から、ネイティブ・アメリカンの間で豊富な栄養を持つ大切な食物として育てられていました。
日本には17世紀頃に伝わり、始めは観賞用とされていましたが、明治時代からは油の原料や飼料として重用されたと言われています。
種はそれ自体が食用になるほか、種から採れた油は石けんや塗料の原料になります。また茎や葉は家畜の飼料として使用されることもあります。
大ぶりな黄色の花を観賞用に、または種を食用とするために広く栽培されています。和名で「向日葵」と表記するほか、「日廻り草」「日輪草」「日車」「天竺葵」などとも呼ばれます。
<ヒマワリ(向日葵) キク科ヒマワリ属>
6/15 アンデルセン公園
日本原産で「夏ツバキ」の別名を持つシャラの木よりも小さな花で、上品で清楚な白い5弁の花を咲かせます。
夏ツバキより花が小さく、茂った葉っぱに守られるようにつつましく咲く様子から「謙虚」という花言葉がつけられました。
朝に咲き夕方には落ちてしまう儚げな花。このことから、平家物語の冒頭にも詠われた文学的な植物です。
<ヒメシャラ(姫沙羅) ツバキ科ナツツバキ属>
6/5 自宅
南ヨーロッパ及び西アジア原産で、キク科の小形の多年草です。日当たりの良い草原に自生します。
開花時期は初夏から秋、黄色の花(頭花)を花束(散房花序)の様に密につけ花を咲かせます。
非常に矮性で地面を覆うように広がり、植物全体が白い毛で覆われシダ植物の様な羽状する葉を持ちます。
<ヒメノコギリソウ(姫鋸草) キク科ノコギリソウ属(アキレア属)>
6/20 つくば実験植物園
今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「6月の花のアルバム ➉」に続きます。
ランの仲間と、ヒポクシス…は全然分かりませんでした。
オトギリソウ・サンバーストも。
ヒエンソウはチドリソウでもいいでしょう?
パセリはセリ科だとはすぐ分かりましたが、考えていたら葉がちじれている、というヒントで、パセリと分かりました。
最後のお花はキバナノコギリソウかと思いましたが、矮性でヒメノコギリソウなんですか。
勉強になりました。
有難うございます。
帰りの電車の中でスマホで見たときは、あたまがボーっとしていて半分しか分かりませんでした。
当然分かるバーベナまで出てこなくてショック・・・
まして、学名そのままのような花はお手上げです。
そこで今回は家に帰ってからもう一度PCでゆっくり見てみたら、今度は15種類は分かりました。
再試験合格ということでお許しを~
(ハマナデシコはお助け問題でしたね!)
コメントありがとうございます。
今月は花の数が多すぎて、1回を20品種より以上増やすと、読まれる方も嫌に
なると思い、回数を増やしています。あと60品種程残っており、7月中に完了
しようと焦っています。(-_-;)
今回もつくば実験植物園で出会った花が分かりにくかったと思います。ヒエン
ソウは千鳥草とも呼ばれているので正解だと思います。ヒペリカム・サンバー
ストという品種があるのは、私も初めて知りました。
キバナノコギリソウ、ネットで調べて見ました。確かに見た目はヒメオドリコ
ソウにそっくりですね。ノコギリソウにもいろいろ種類があり、見分けるのに
混乱してしまします。
コメントありがとうございます。
帰りの電車の中で見ていただきありがとうございます。お仕事を終え、リラッ
クスしなければいけない時間に植物の名前を考えなさいというのは、頭脳に対
して酷な要求です。(笑)
その証拠に、家でに帰ってなつみかんさん本来の頭脳に戻れば、ほぼ完璧な結
果が出ています。(^.^)
つくば実験植物園で出会った、学名そのままの名前は牧野博士でもわからない
と思います。
ハマナデシコ、お助け問題でなく、単なる記載ミスです。(^^ゞ これから来て
いただく方の為、訂正しておきました。ありがとうございました。m(__)m
ハクチョウソウ
花期が長いですよね。昔、みん花で見た時、見たくて探したのを思い出します
ハニーサックル
スイカズラは、見るんですが、ハニーサックルは、園芸種だから、見ること少ないです。
家から、少し離れてる坂の斜面におうちのお庭で咲いているです。
毎年、夏の定番になっているんですよ^^
ハンゲショウ
涼しさを感じる花、どうしてこんな形になったのか、不思議さを感じる花の一つです。
今回で最後かと思いきや、まだ続くんですね、驚きを通り越しました。凄い!!!(@_@)(@_@)
コメントありがとうございます。
本当にさざんかさん、なつみかんさんの知識量は凄いですね。私が毎回投稿す
る花の70%以上を写真と簡単な説明だけで当ててしまうのですから。(@_@)
ハクチョウソウ、長い間咲くので誰もが知っている花ですね。私はハクチョウ
ソウを白鳥草と覚えていました。どこが白鳥に似ているのか理解しないままに
・・。でも、白蝶草と知り納得しました。(笑)
ハニーサックルはスイカズラの英名で、日本からヨーロッパに渡り品種改良が
されていった植物なのですね。私はどちらかというと、ハニーサックルという
名前の方が好きです。
ハンゲショウ、名前も葉も面白い植物で、一度見たら覚えてしまいますね。
6月の花のアルバム、あと3回ほど続きますので、我慢してお付き合いください。
バーベナもウインターコスモスも種類が色々ありますね。
今年はハマナスの花を撮っていなかったわ。
白い花が咲いている所があるんです。
こちらももう果実が色づいて来たかもね。
ハマナデシコは我が家でも咲いていますがお行儀が悪くて・・・
コメントありがとうございます。
園芸品種は種類が多すぎてとても覚えきれません。バーベナ、ウインターコス
モスとひとまとめにして覚えるようにしています。
ハマナスの漢字表記を調べたら、「浜茄子」と書くんですね。茄子というと、
花と花の名前のイメージとはちょっと違うのかなと思ってしまいました。
ハマナデシコ、花がいっぱい付いて見栄えがよさそうですね。でも、花が付き
すぎて広がりすぎることもあると、お行儀が悪いという贅沢な悩み?(笑)