本日、区長に対して熱中症対策についての申し入れを日本共産党足立区議団で行いました。
副区長に手渡しました。
申し入れの内容は以下のとおりです。
足立区長 近藤やよい様
日本共産党足立区議団
熱中症で命を失う方が後を絶ちません。
足立区の都営住宅では7月10日夜、1人暮らしの無職男性(90)が居間の床に倒れて死亡しているのを、訪ねてきた次男が発見。14日には、区内のシルバーピア(綾瀬)で、1人暮らしをしていた69歳の男性が、熱中症により死亡しているのを12時間後に管理人によって発見されました。命に別状はありませんでしたが栗原北小学校では10日、5人の児童が写生の授業で救急搬送されました。
梅雨明けが発表された7月6日以降、都内の熱中症による死者は少なくとも41人となり、このうち35人が65歳以上の高齢者でした。また、41人のうち少なくとも34人は屋内で死亡していましたが、いずれも自宅にエアコンが無かったか、あっても作動していませんでした。
今回の死亡事故にあたり調査をする過程で、何度か「高齢者がクーラーが嫌いでつけないから」という区職員の言葉を聞きました。しかし、今回熱中症で死亡した69歳の高齢者は、クーラーを使える環境ではありませんでした。
また、クーラーを設置しても、電気代の負担が心配で使用しない高齢者も数多くいます。嫌いだからつけないのではありません。
夏場は、家庭内の消費電力の5割以上をエアコンが占めています。それだけ電気代がかさむわけで、そのうえアベノミクスの円安により、電気料金も値上げされました。「ガンガン使え」というのはお金持ちの発想で、アベノミクスでインフレが進めば、年金も貯蓄も目減りします。「先行き不安な高齢者にすれば、エアコンだって我慢せざるを得ませんよ」(経済ジャーナリスト岩波拓哉氏)というように、経済的な困難者の多い足立区だからこそ対策の強化が必要です。
さらに、高齢者は自分の体温の変化を感じにくいため、室内の温度が高くなってもエアコンをかけなかったり水を飲まなかったりする傾向にあり熱中症にかかりやすく、今後猛暑日と熱帯夜が続けば、気づかないうちに体力がどんどん落ちて、死亡するケースも多くなると、専門家が繰り返し指摘しています。
こういった高齢者の特性や経済状況を見ずに、安易に「高齢者はクーラーが嫌い」の言葉で片付けるべきではありません。
今回、少なくても2名の貴重な区民の命が失われたことを重視し、「住民の命・安全を守る」という自治体の使命を発揮する立場から、熱中症対策を全庁的に重要な課題としてとりくむことを強く求めます。
「塩分や水分をこまめにとる」といった個人の努力で行う対策の普及啓発とともに、根本的な対策や行政の役割が求められる中、以下、緊急に申し入れるものです。
1、熱中症への総合的な対策と実態の把握
熱中症の対策に関わる課は、少なくとも10以上あり、それぞれが積極的に取り組んではいますが、分散的です。足立での救急搬送や死者数等、実態も掌握されていません。実態をつかみ、総合的に対策を講じられるよう力を尽くしていただきたい。
2、情報提供・周知の拡充
衛生部等が担当して、HP上では適切な注意喚起が行われていますが、同様の注意喚起を、情報弱者に行きわたるよう、回覧板や町会の掲示板なども活用して頂きたい。
3、見守り・声かけ
地域のちから推進部を中心に、福祉部・衛生部とも連携をして「見守り・声かけ」の体制を抜本的にかつ早急に強めていただきたい。
4、熱中症シェルター
環境部でとりくんでいる「クール街」、住区推進課で取り組んでいる「住区センターをシェルターとして活用」を連携させて、総合的に「熱中症シェルター」をアピールを強化し、周知を図り、「電気代節約を気にし冷房を使わない高齢者、冷房機のない高齢者」などが、気兼ねなく利用できるようにして頂きたい。
5、クーラーの設置および電気代支援について
①2年前には生保受給者のクーラー設置の特別措置が行われましたが、それ以降はありません。新たに生保受給となった高齢者および、生保を廃止となった一人暮らし高齢者に対し、クーラー設置支援を行っていただきたい。
②生保受給者について、燃油代等冬季加算はあっても、夏期加算がないのは、今の時代にあいません。夏期加算の実現を国に強く働きかけるとともに、当面、区単独でも電気代負担の支援を行っていただきたい。
申し入れ前、待っているあいだにパチリ!
緊張をほぐすため(?)誰かが笑わせてくれました!