「はだしのゲン」撤去を求める陳情が足立区でも出された!

2013年12月19日 18時23分42秒 | 日記

 

12月2日、練馬区教育委員会は、教育現場から『はだしのゲン』を撤去するように求める陳情を、全員一致で不採択としました。
 

陳情に対し、委員一人ひとりが発言。その主張の特徴は、次のようなものでした。
〇図書を選定する学校現場の先生や校長先生の判断を信頼し、尊重する。
〇教育委員会は、特定の図書を取り上げて撤去を求めたり推薦はしない。
〇『はだしのゲン』は、東京都の「有害図書指定」には含まれていない。
〇特定の書籍の学校図書館からの撤去を求めることは、言論表現の自由、検閲を許さないとした憲法21条や、子どもの知る権利の保障などに触れる恐れがある。
 

 以上のように、教育委員会の審議の中で、『ゲン』の撤去や排除を求める陳情が、いかに道理に会わないものであるのかが明らかにされ、不採択となりました。
 

足立区議会でも「はだしのゲン」を小中学校の図書室から撤去するよう求める陳情が、提出されています。
 前回、継続審査になりましたが、さらに12月4日の本会議で自民党議員から同様の質問がされています。

自分の考えと相いれないと排除するのは戦前の検閲 

 議会に陳情を提出したのは区内の男性で「天皇陛下に対する屈辱、ありもしない日本軍の蛮行」など「間違った歴史認識」が記載されているから排除せよというもの。
 しかし、自らの考えと相いれないからといって、一方的に排除せよというのは戦前の検閲をほうふつとさせます。

 漫画には残酷な描写もありますが、それは原爆や戦争の非人間性をそのまま表現しているからです。閲覧制限は悲劇の実相に迫ろうとする子どもたちの目を覆うことになります。

 文教委員会が16日(月)行われました。共産党は不採択を主張しましたが、他の会派は継続を主張し引き続き継続審議となりました。

※「はだしのゲン」昨年12月に亡くなった漫画家・中沢啓治さんが自身の被爆体験をもとに描いた漫画。主人公の少年、中岡元が、広島の被爆で家族を亡くしながら、激動の時代を必死に生き抜く姿を描いたもの。実写映画やアニメ映画、テレビドラマにもなり、英語・フランス語で翻訳され、世界に広がっています。平和市長会議でも推薦図書に。