Naoの誰でもわかる!英語の話

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(Voicy連携) 英語習得の鍵とは? (Part 1)

2021-12-13 | Weblog
「統合的動機」とImitationの重要性について(Part 1)

今回の話は、「英語上達の鍵とは?」というタイトルをつけていますが、基本、会話力、コミュニケーション能力の向上に必要な、資質や姿勢についての話になります。しかし、実はその効果は英語習得全般に及びますので、皆さんには、この話を聴いて、私が言うことに、一理あるな〜と思っていただければ、是非実践してもらえばと思います。では、最初に結論から言います。「英語上達の鍵とは?」の答えは…「ネイティブスピーカーの模倣、まね、をすることです!」ん?なんか極めて単純なことを言っているように響くんですけど、ってですか?たしかに…。でも、このことは実は奥が深いんです。そして、この当たり前と思うようなことを、英語学習者の中で実践している人がどれだけいるのか、実はこれが甚だ疑問です。まあ、いろいろお考えはおありとは思いますが、とりあえず私の話にお付き合いください。その意味がわかっていただけるかと思います。

前の放送で、英語力を高めるためには、日本語のインプットよりも英語のインプットの方が多い日常生活に変える強い意志が必要、という話をしました。その「強い意志」は、言い換えると、「強い動機」ということになります。語学の勉強でいうと、いわゆる学習動機っていうやつですね。実は、私たちが第二言語を習得する動機として、主に2つの動機があると言われています。それらは、フランス語を学ぶカナダ人学習者に対して研究を行った、GardnerとLambertが1972年に発表した論文で初めて提唱したものなのですが、それが今は定説として一般的に知られるようになりました。1つは、Integrative Motivation、統合的動機づけ、と訳されているもので、もう一つは、Instrumental Motivation、道具的動機づけ、と訳されているものです。ここでは人が持つ「動機」の話をしますので、動機付けの「付け」はとって、Integrative Motivation は、統合的動機、そして、Instrumental Motivationは、道具的動機、という呼び方にします。どちらにしても、なんやそれ?て感じですよね。今から説明します。

Integrative Motivation、統合的動機、というのは、習得しようとしている言語が話されている社会、文化、そこに住んでいる人々と、一体になりたい、つまり、integrateしたい、統合したい、と強く思っていることが学習動機になっていることを意味します。その気持ちには、憧れや愛情みたいなものも感じられます。もう一つの動機、Instrumental Motivation、道具的動機、というのは、習得しようとする言語が、自分にとって、進学や就職、あるいは、会社での昇進に役立つ、など、その言語の習得が自分に何らかの得をもたらしてくれる、instrument、「道具」や「手段」になると強く思っていることが学習動機になっているというものです。先ほどの統合的動機と比べると、かなりドライな感じですね。さて、皆さんの英語の学習動機は、統合的動機、あるいは、道具的動機、のどちらでしょう?ちなみに、第二言語習得には、統合的動機付けをした方が効果的、と言われています。それはなぜか?

それは、習得しようとする言語、ターゲット言語の文化と一体化しようとする、積極的な姿勢とその実践にあると、私は思っています。私たちに当てはめて、具体的に言うと、私たちが持っている日本人性を忘れて、ともかく、ネイティブスピーカーと波長を合わすための努力をすることです。言い換えると、日本語の土俵から、英語という、相手と同じ土俵に上がってコミュニケーションを取ることです。そしてそのために必要なことが、相手の模倣、まねをしたり、相手の言うことを繰り返したりすることです。しかし、これって、結構難しいです。英語は日本語とは発音が違うので、当然発声方法も違いますし、日本人は身振り手振りのジェスチャーなんかも、基本、しないですよね。また、強い感情表現は、親しい友達同士なら自然とするでしょうが、日常の会話では結構抑えますよね、私たちは。つまり、私たちは、日本語を話す時には、その独特な様々なルールに無意識に縛られています。もし、そのルール中で英語を話したらどうなるでしょう?当然、相手はよく理解してくれませんよね。相手に自分の言いたいことをわかってもらえなければ、会話は長続きしませんから、当然相手からのインプットも少なくなります。それでは英語力は伸びないわけですね。
(End of Part 1)