以前よそに貸していた土地の売買契約をした。
平地面が300坪、それプラス山林部分もある。
これだけの面積の土地を草刈りなどの管理が負担となり
主婦のへそくりでも買えそうな値段で売ってしまった。
「この土地はいくらで手に入れたのですか?」と司法書士さんに聞かれ
「祖父からの相続です」と夫が答えると
「権利書は相続になっていません。最初からあなた名義です」と言う。
「昭和30年にあなたの名義で買っています」というので
改めて見てみると確かにそのようになっていた。
当時、夫はまだ小学生。
夫の祖父が孫名義で買ってくれていたのだ。
その頃は炊事もお風呂も薪を使っていた時代。
「近いところの山を買ったから焚き木取りも幾分楽になるだろう」
と祖父に言われ、夫はいつもその山に薪を取りに行っていたと言う。
しかしまさか自分名義で買ってくれたとは今日の今日まで
夫は知らなかった。
いざ手放す時になり、指摘され初めてそれが明るみに出た。
お祖父さんの孫(私の夫)に対する愛がじんわりと伝わって来た。
今はもう山に行って薪拾いをする時代ではなくなり
山の価値もすっかり低下してしまっている。
お義祖父さん、手放すことになったことをお許しください。
あなたの愛を今日しっかり確認して手放します。