Storia‐異人列伝

歴史に名を残す人物と時間・空間を超えて―すばらしき人たちの物語

猫語の教科書

2014-02-01 23:25:13 | ねこちゃん
猫語の教科書 (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房

 

< 猫はいいなあ、ごろごろ寝ていられて・・・>朝日新聞の「再読」ーこんなとき こんな本ー 欄に「猫語の教科書 ポール・ギャリコ 灰島かり 訳 スザンヌ・サース写真」の紹介が出ていた。「猫がいかにして愛嬌を振りまき人間を手玉に取っているのか」・・・お正月松の内の頃の記事、あらもう二月かあ。

ポール・ギャリコは、この本の編集者なのでしょうか? ではほんとうの著者はだれでしょう、だれかしら!? 友人の家の玄関前にぶあついタイプ原稿が置いてあってそれがギャリコのところに持ち込まれたという。どうも、写真家ご夫妻のレイ・ショア家にいる猫、ツィツァCicaちゃんが書いたようなのだが、真相はよくわからない。だけど奥様のスザンヌ・サースの撮った写真にしっかりとタイプライターを打っている彼女が写っているから、やはり著作者はツィツァちゃんなのだろうね!?じょうずな話し方は「声を出さないニャーオ」なんだって。ともかくまずはギャリコさんの「編集者の前書き」を拾い読みすれば、

>>>・・・原稿をパラリとながめてみたが、そこでもっと驚く羽目になった。・・・見たこともない暗号かというシロモノだったのだ。

“£YE SUK@NT MUWOQ 
Q Nab8al Dir Kottebs Dra7D abd J1/4nl4dd ca6sB7

When I wad z vety ypung kotteb 9 jad tje mosfortine ti lise mt motjer abd fymd mys4lf akone 9n tje worlf zt tje aye if s9x w44ks. ・・・ ”

・・・私は暗号に興味があり、戦時中には暗号解読にたずさわった経験もある。・・・私は今までに見たどんな型の暗号とも違っていることがわかった。文字と記号がいりまじっているものは解読に手間がかかる。・・・ところが、数ヶ月に、もう一度この暗号を手にしたとき、信じられないことがおきた。最初の文章がすらすら読めたのだ。
・・・タイプライターの一つの文字のまわりを、文字も記号もおかまいなしに叩いたと見える。・・・動物の前足がタイプのキーを叩いたとしたらどうだろう。そうだそれに違いない。aを打とうとしても、前足はあのまわりのqやwやsのキーにも触れてしまうため、どうしてもそのうちのどれかがプリントされてしまうのだ。・・・

題名にあるとおり素晴らしく頭の良い猫が書いたらしい。・・・解読して行った。結果はこんなぐあいだ・・・

猫語の教科書
子猫、のら猫、捨て猫たちに覚えてほしいこと
    XXX著

「まだほんの子猫のとき、母を亡くすという不幸にあって、私は生後六週間で、この世にたったひとり放り出されてしまいました。でも、そこで悲嘆にくれたわけではありません。だって私は頭もいいし、顔だって悪くはないし、気力にあふれ、自信もあったんですもの。それに母は、あの晩悲しい交通事故にあうまえに、たった数週間とはいえ、役に立つことをいろいろと教えておいてくれたのです。」

>>>この本の、「*著者(?)紹介*」より
ポール・ギャリコ Paul Galico  1889年ニューヨークに生まれる。スポーツ・ライターを経て作家へ。ストーリーテラーとして稀にみる才能を持ち、その作品はすでに古典となっているものも多い。代表作に『ポセイドン・アドベンチャー』『雪のひとひら』『ハリスおばさんパリへ行く」など。また、無類の猫好きとしても知られ、猫を主人公とした小説『ジェニィ』、『トマシーナ』は世界中の猫好きから愛されている。1976年、モナコにて没。

=====

ひとむかし前イグ・ノーベル賞を受賞した犬語翻訳機「バウリンガル」の二匹目のドジョウを狙った(?)「ミャウリンガル」という猫語翻訳機は、電池切れのあと埃をかぶったまま。それは余談として、この本によってとうとう猫の思惑はひととおりわかったつもりとなった。次は『ジェニィ』か、これもタイヘンな小説だなあ。猫好きだった少年ピーター君は、交通事故にあい目覚めれば白い猫に変身してしまっていた!どころか、ノラちゃんになってしまう。すんでのところでやさしい雌猫ジェニーに助けられ・・・猫になってのはじめての食事はネズミ・・・ジェニーから猫としての生き方を学び、そして・・・という物語。ついでに『トマシーナ』『スノーグース』『シャボン玉ピストル大騒動』まで手に入れたがまだツンドク。

さてうちのネコたち、たすけ君の日本語の理解度と会話能力には驚くことも多々。ハクちゃんのほうはマタタビでラリっているの大好きなため分っているのかあやしい。だが境遇とすれば、ツィツァちゃんと全く同じなのだ・・・

  

 

Silent Miaow
クリエーター情報なし
Three Rivers Press

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