かつて梵鐘を製造していた「金壽堂」(きんじゅどう)(滋賀県東近江市長町)の旧工場の活用を模索していた地元の住民たちが今月、初めてコンサートの開催を実現させた。
↑写真:京都新聞より
フォーク歌手の美しいハーモニーが産業遺産の空間に響き、聴衆を楽しませた。住民の元には、音楽会や写真撮影会の開催など問い合わせが相次いでおり、手応えを感じている。
コンサートはフォークグループ「五つの赤い風船」の元メンバー長野たかしさんと妻あやこさんが出演した。
鋳鉄溶解炉のキューポラなどが残る空間に歌声やギターの音色が心地よく響き、約30人の観客が手拍子で応えた。来場した男性は「天井が高いので音響が抜群。久々のライブを楽しめた」と満足そうだった。
大正期に建設された「金壽堂」は広大な敷地に映画のセットのような設備がそのまま残り、レトロな雰囲気をとどめる。
現在は工場として稼働していないため、地権者と地域住民らは毎月集まり、産業遺産としての利用を議論してきた。
春に計画したジャズコンサートは新型コロナウイルスの影響で中止になったが、緊急事態宣言の解除を受けてフォークコンサートを開催した。
11月にもコンサートを予定しているほか、コスプレ撮影会や絵画グループの写生会など申し込みが続いている。
コンサートに携わった地元の男性は「皆さんに良い会場だと言っていただいた。見学者も毎週来ている」と反響を喜んでいる。
問い合わせ: 金壽堂
東近江市長町273
090(2594)0333
滋賀県唯一の創業700年の老舗梵鐘メーカー「金壽堂」が閉業した模様
https://blog.goo.ne.jp/ntt000012/e/b576c943615de9dd7986693186a53b47
<京都新聞より>