雑感「日々是好日2」

NO MUSIC,NO LIFE.音楽好きなのんびり屋さんの日常をつづってゆきます。きょう一日が良い日であるように…。

あまりに早すぎる…

2005-11-10 01:15:24 | Weblog
 日にちがちょっと経過してしまった話題ですが…。

 報道でご存じの方も多いと思いますが(私も報道で知りました)、
本田美奈子さん(←正式には「美奈子.」さん=改名されているようですね)が、
今月6日に亡くなったそうですね。
 享年38歳。私の弟とおない年ですか…
 今年1月に白血病罹患が判明して、それを公表。
決まっていた主演ミュージカルや、コンサート日程をキャンセルして、
38㌔の身体で懸命に闘病に専念して来られていて…力尽きたのでしょうか。
今月に入って容体が急変して、亡くなったそうですね…。
 今年は彼女にとって歌手活動20周年…メモリアルイヤーに当たる年。
どれほど悔しかったことだろう…


 ♪まり~り~~ん
アイドル時代のヒット曲「1986年のマリリン」をリアルタイムで知っている私は、
あの…ヘソ出しルックで腰を振りながら、テレビ番組で歌っている美奈子さんの
印象が強いんです。
 ご自分のことを「美奈子はぁ~」って言いながら、舌ったらずで喋る様子とか(←ごめん)。
歌はしっかりしていて巧かったし、お顔立ちも可愛らしい方でしたよね。

 その後、いわゆるアイドル歌手からの脱却を図るかのように、
女性ロックバンド形態で作品をリリースした時期も少しあったようですし
 (↑キヨシロー=忌野清志郎が楽曲提供してたそうです! それと、
  クィーンのブライアン・メイも、彼女に曲書いてたそうですね)
ミュージカル『レ・ミゼラブル』のオーディションに合格して、
舞台女優としての活動へと、自ら扉を開かれた…。
 さらに最近では、クラシックの楽曲でCDリリースされてたんですね。

 かなり前…オッ○ン化粧品か何かのCMソングで、彼女の曲が起用されていましたが(「つばさ」とかいう曲だったと思います)、
柔らかく素直な声・歌い方になっていました。
 アイドル時代の、少し癖のある歌い方ではなくなっていたのを覚えています。

 …それと…
 去年だったでしょうか? ヒロリンこと岩崎宏美さんが、
御自身の公式ホムペで美奈子さんのことを絶賛なさっているのを、
たまたま読んだことがあるんです。
 「ブルーノート(というライヴハウス)」のWebを見ていたときに、久々にヒロリン(以下「ヒロリン」表記で書かせて頂きます…すみません)の名前を見つけまして、
「新しいアルバム(=当時)からの楽曲を織り交ぜながらのになる予定」的な紹介コメントを見たので、ヒロリンのホムペに初めて飛んでみたんですが、
そのときに美奈子さんの話題を読んだんですよ。
 
 「美奈子は、努力して新しい発声法を身につけて、
 私が逆立ちしても出ないような声が出る。
  新しい美奈子のアルバムをぜひ聴いて欲しい」
 …こんな感じのコメントを、ヒロリンが書いていたように記憶しています。

 ヒロリンといえば、(少なくとも私の世代にとっては)
日本ポピュラー音楽界の女性歌手のなかでは、お手本とすべき存在というか、
「歌唱力のすぐれた女性歌手は?」と訊かれれば、まず彼女の名前が挙がるだろう、というような存在ですよね。
 実際、山陰のライヴハウスの素人ジョイントイベ「80's特集」で、
『聖女たちのララバイ』を演奏させて頂きましたけど(←お前が?って)、
歌っていて(弾いていて…てのもあるか=笑)難しいなと思いましたから。
 また、ヒロリンもミュージカルでの活動経験が豊富。
そのヒロリンが絶賛する美奈子さんって…。。
 その後さらに、Yahoo!Musicか何かのサイトへ飛んで、美奈子さんの試聴をしたんですが、
サン=サーンスの「白鳥」に、日本語詞をつけて歌っていたんですよ。
たまげました…
 音楽の授業(音楽鑑賞)で皆さんも原曲を聴かれたことがあろうかと思いますが(私もその程度の認識しかないです…)、
あの曲、歌曲じゃないですからね…。
 アイドル時代にブラウン管を通して見ていたイメージや、
それに伴う先入観で見ていては失礼な気がしました。
仕事に対して、真面目で努力家な美奈子さんの一面を垣間見たような感じ…。

 ちなみに、クラシック畑への道を彼女に勧めたのは、服部克久氏だったそうですね。



 いわゆるアイドルシンガーから出発して、クラシック系のソプラノ歌手にまで
芸域を広げていったひとなんて、
私はこれまでに知らないですし、
今後出てこないかもしれないですよね…。

 彼女なら
「1986年のマリリン」も、「白鳥」も、「レミゼ(レ・ミゼラブル)」からのナンバーも、ロックのカヴァーも、
ひとつのライヴの中で構成するような舞台が務められたかもしれません。
 これからが楽しみなひとだったと思う…。。
 彼女の努力が、満足のいくかたちで報われるのは、
きっとそういう…彼女にしか出来ない舞台や音源制作の場所だったかもしれないと思う…。
 それだけに、もしも神様がいるとすれば…運命というものがあるのならば…
…彼女に対して無情すぎるというか…
残念です。。


 今回の訃報に際し、ヒロリンは美奈子さんのことを
「天使のような子」とコメントしていたそうですね。
 美しい声(歌声)を聴かせてくれて…人の悪口を言うことのなかったひとだった、って意味合いのことを…。

 音楽の神様から「うたを、声を、大切にひとのこころへと届ける」天命を授かって、
この時代に降りてきた天使だったのでしょうか…美奈子さん。
   
 
 本田美奈子さんのご冥福をお祈りします。