New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

豊浦「いちご豚まつり」、旭川へ移動

2011-06-05 20:02:00 | 2011年スプリングツアー
 朝から周囲がとても賑やかである、それもそのはず、今日は近隣から3万人!もの観光客が訪れる、この町の年に一度の「いちご豚まつり」だった。

 朝10時、宿舎の横の海岸に面した広場に出ると沢山の人が3千箱(4パック入り)用意された名物の「イチゴ」の販売コーナーの前に数百mの列を作っている。これではとても買うことはできない。夕べの打上げで頂いておいて良かった!

 200円で貸し出されるコンロを使って早速、「豊浦の無菌豚肉」のバーベキューを開始する人達もいる。プリプリのイカの丸焼き、ホタテの串焼き、朝からこの町は宴会気分である。

 うずたかく積まれた山芋やジャガイモは1袋に詰め放題で売られている。野外ステージでは学生の鼓笛隊やバンドが景気良くやっている。花火は上がるわ、大道芸人も来るわ、で年に一度の町おこしである。人々は、今日ここで元気をつけて明日からの日常に戻る。


宿泊先温泉「しおさい」のベランダで朝食


バーベキュー用に貸し出されているコンロ


イカの丸焼き


長いもはこのように売られている


このイチゴは1時間位でなくなるという


小学生のマーチングバンド


高校生のブラスバンド


豊浦の美しい海


 我々も祭を味わってから旭川に向けて出発、午後3時に到着。

 駅前のホテルにチェックイン後、私は「アイヌ記念館」を訪問。ここは大正5年に川村イタキシロマ氏が創設そして火災後に明治に生まれアイヌ文化の継承に努めた川村カ子ト(カネト)氏が私設再建した建物で、この地に住むアイヌの人々によって運営されている。

 数々の道具や生活用具が展示されているのだが、私にとって圧巻だったのは、敷地内に建つ「わらぶきの家」である。細かい土の敷かれた内部には横2m縦3mほどの囲炉裏、草が燻って煙を上げている。窓からの光線が暗い室内のその煙をクッキリと白く見せる。

 これを目にして、私は「生きること」の原点を考えさせられた。「食べ物を探し、獲得する行為」が昔の人々の生きる原点、あるいは「生きる」という意味だったのではないだろうか?冷蔵庫も無いから数日ごとに食物を探しに出かけねばならない。人は、たくましくなければ生きていけなかった。

 数年前に航空写真が発表された「周囲と隔絶してアマゾンの密林に住む種族」のことを思い出した。彼らは現在も密林で暮らしている。

 この「何かの思考を促す囲炉裏の煙」はどんな博物館でも見ることはできないはずだ。
 長い黒髪を後ろに束ねた女性にアイヌの文化について色々と質問し、マレウレウやトンコリ(立琴)による音楽についても教えていただいた。


旭川のジャズマン




アイヌ記念館にて


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