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インテリアコーディネーターのブログ。
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4月30日 LEDの現状

2009-04-30 | インテリア/建築
LEDといえば「超寿命」。
すでに有名な話ですよね。
照明業界では光の量(光束)が初期値の70%に低下するまでの時間を寿命と定義しており、40,000hと公表されています。白熱灯の寿命が1,000~2,000h、蛍光灯が6,000~16,000hですから、その寿命の長さは別格です。
そもそも、LED自体には白熱灯のようにフィラメントがありません。ですから、衝撃に強いばかりでなく、故障の発生する頻度も低く、寿命という概念がありません。蛍光体の劣化や、樹脂の劣化、または絶縁体(LEDは12Vで点灯するため、100Vの電流を下げるトランスが必要となります)の劣化を寿命としています。つまり電球そのものの寿命ではなく、器具(=製品)寿命というわけです。

まずは、LEDの開発の歴史を振り返ってみましょう。
1980年代中頃までに、赤・黄緑・橙色等のLEDは実用化されていました。1993年高輝度の青色LEDが実用化されるようになります。後に発明対価をめぐって裁判で争われたアレです。
1995年、青色LEDと同じ材料を用いて高輝度の緑色LEDが実用化されるようになり、これで光の3原色(R・G・B)が出揃い、全ての色が作れるようになり、LEDの用途が拡大しました。
翌年の1996年、光源として必要な高輝度の白色LEDが実用化。これが現在の照明業界に大きな影響を及ぼしています。

ところで、この白色LED。これはどのようにして作られているのでしょうか。
白色光は、光の3原色である「R=赤」「G=緑」「B=青」の混合で作られます。ところが、それぞれの色により点灯電圧が異なるLEDは、その制御が複雑化するため、現在のところ一般的には用いられておりません。そこで、擬似的な白色をつくり出す方法が主流です。人間の目の『補色関係にある2色の混合でも白色に見える』という特性を利用し、「青色LED」に青と補色関係にある「黄色の蛍光体」を塗布するという方法です。このようにして作られている白色光ですから、演色性に不満が残ってしまうのも無理はありません。なるほどねぇ~。

さて、照明用途から見たLEDのメリットは次の通り。
①省エネ
これは今更説明するまでもありませんね。6.5WのLED(KOIZUMI ADE 650 298)でクリプトン球60W相当の照度が得られます。
②長寿命
前述の通り
③小型・コンパクト
④熱線・紫外線をほとんど含まない
白熱球は波長の長い「赤外線域」を含んでいるため、熱くなります。蛍光灯は波長の短い「紫外線域」を含んでいるため照射物を劣化してしまいます。
ところが、LEDは可視光線の領域である「380nm~780nm」しか出ないため、設置位置や、照射物の劣化の考慮を必要とせず、大変使いやすい光源だと言えます。
⑤低温で発光効率が低下しない
蛍光灯が周囲温度の影響を受けて極端に光束が低下するのに対し、LEDはほとんどその影響を受けることがなく、たとえば札幌のかまくらビアガーデンなどにも利用されています。
この他、蛍光灯の課題である調光が自在で即時点灯(100%点灯まで約0.00000001秒)というのも嬉しい特徴です。

第4世代のあかり=LED。
まだまだ一般的な照明に取って変わることはできない未来の光源。
しかし、急速に進化するLEDが私たちの住空間に取り入れられるのは、それほど遠い未来ではないのかも知れません。ますます注目していきたいあかりですよね。

そして・・・第5世代のあかり=【有機EL】もいよいよ私たちの耳に入る存在となりました。ところで有機EL(Electroluminescence)とは、ガラスやプラスティックなどの上に有機物(=ホタルやホタルイカが光る原理)を塗布し、そこに電気(Electro)を通すと有機物が発光する(Luminescence)もので、薄型・面発光で水銀などの有害物質を含まないなどの特徴を持ち、次世代の光源として期待されている新しい発光体です。

【有機EL】といえば2007年4月にソニーが発表した薄さ3mm(11V型)のテレビを想像される方も多いと思います。
私たちの住まいで使われる照明器具として、製品化される日はまだまだ時間がかかるそうですが、LEDが点光源として今後白熱灯に変わる役割を担っていくのに対し、有機ELは面光源として蛍光灯に変わる役割を担うのかも知れません。

壁掛けテレビが夢だった時代から十数年、今では誰も驚かない時代になりました。
まだまだ疑問の残る光源たちも、それほど遠くない未来、私たちのスタンダードとなっているのかも知れませんね。

※ 22日、23日、30日の光源に関するレポートは、パナソニック電工株式会社 インテリア照明事業部が主催するセミナーをもとにしております。

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