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インテリアコーディネーターのブログ。
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4月1日 ゾランヴァリ社のアート ギャッベ

2011-04-02 | インテリア/建築
“ギャッベ”をご存知ですか?

私とギャッベの出会いは2年前のちょうど今頃、桜が咲き始めた頃に遡ります。
その日、そろそろ花々がキレイに咲く頃だろうと宇治市にある植物園を訪れました。植物園ですから、お花もとてもキレイなのですが、ここに併設されたレストランがなかなかオシャレ。ついでにふらっと立ち寄ったのがそもそものきっかけです。

そのレストランは
Chou-cho(蝶)
という名で、自然素材を多く取り入れた雑貨店が併設されています。その日ちょうど期間限定の「キリム展」が行われていたこともあり、食後に訪れてみました。
ちなみに「キリム」とは、家畜とともに移動して暮らす遊牧民が自分達の生活用具として作った織物のことを言います。素材は、羊、ヤギ、ラクダなどの毛が使われており、縦糸と横糸だけで構成されているため、絨毯のような毛足は無く、平らであることが大きな特徴です。

スツールの敷物として1点欲しいなぁ。と、前々から思っておりましたので、覗いたのですが、そこに居た店員さんがすごく詳しくて、それぞれの柄が持つ意味をこと細かに説明してくれました。
それがとても楽しくて、いろいろな説明を聞く内に紹介されたのが「ギャッベ」です。
その時聞いたギャッベの特徴は、「冬暖かくて夏はひんやり。年中気持ちが良い」というもの。
しかし、実際に目の前のギャッベに惹かれませんでした。

いろいろ見せて頂く中で、最終的に購入を決めたのがTOPの写真。
500×1,000mmのサイズで20,000円でした。
これは、当初欲しいなぁ。と思っていたキリムでも、店員さんご推薦のギャッベでもなく、いわゆる「部族絨毯」と呼ばれるものです。
部族絨毯の一種として日本では「ペルシャ絨毯」が有名です。ペルシャ絨毯が工房で精密な下絵を元に織りあげられるのに対し、遊牧生活の中で生まれた部族絨毯は下絵はなく、素朴な味わいを残しています。

私の選んだものも写真では全くわかりませんが、見る角度によって光沢や表情が変わり、独特の味わいがあります。これらの絨毯は、何年使ってもへたらないのが特徴です。
ただ・・・
当初玄関にブーツの脱ぎ履き用に置く予定だったスツールに掛けようと購入したそれは、スツールの代わりにコレクションキャビネットが設置されたことによって行き場を無くし、全く無意味にほとんど使われていないゲスト用のベッドサイドに敷かれています。

さて、それから数ヵ月後のこと。
京都市南区にある家具店
KANEKA(カネカ家具)
で、ゾランヴァリ社のギャッベに出逢いました。


そのギャッベは数ヶ月前に見たものとは同じようでも全く異なり、とても繊細な縫製がなされておりました。

ギャッベ(=ペルシャ語で毛足が長くて荒いという意味)は、南ペルシア(イラン高原南西部)の遊牧民カジュガイ・ルリ族によって織り続けられている手織りじゅうたんです。
高地で共に暮らす羊たちの上質な毛を刈り取り、手で紡ぎ、大地の恵みを用いた草木で染め上げ、丹念に織られます。ふかふかでラフに織られたギャッベは、冬暖かく、夏ひんやり。寒暖の差が激しい山岳地帯や砂漠など、過酷な自然を旅する遊牧民にとって、移動に便利な敷物・夜具・時には寒い夜に家畜を保護するカバーの役目を果たす生活の必需品です。決まった図柄はなく、花や人、動物、風景などを南ペルシアの大自然に育まれた女性達の感性のみで織り上げられます。
ギャッベの中でも最高峰ブランドと称されるのが「ZOLLLANVARI(ゾランヴァリ)社」のアートギャッベです。
元々遊牧民のただの生活道具だったギャッベを世界に紹介したのがイランのゾランヴァリ社でした。
その後ギャッベのアート性を高めるために、ギャッベを織る遊牧民の中でも優れた技術を持つ織り子だけと契約することで、品質向上、安定化を実現し、ヨーロッパ市場に広めたそうです。世界の特に優れたカーペットに贈られる「カーペットオスカー賞」に2度も輝いています。

ゾランヴァリ社のギャッベと一般的なギャッベの違いは素人目にも明らかで、織りが細かいため絵柄や色合いに深みがあり、手触りもとても滑らかで気持ち良いです。
一般的なものに比べ薄く、薄くても密度の高い羊毛の織りによって、しっかりとしたクッション性があります。

また、このギャッベの収益の一部はイランで暮らすアフガン難民の子どもたちの語学教育支援に充てられています。

そんなギャッベの魅力にすっかりはまったものの、なかなか簡単に手が出せる価格ではありません。購入される方の中には数十回にわたるローンを組まれる方も珍しくないのだとか。

私はその後、宇治市にある家具店
暮らし工房 家具のサワキ
でも、偶然にこのゾランヴァリ社のアートギャッベを目にし、更にその魅力に取り付かれた訳ですが、これを扱っている店舗は丹後のARIAを含め、京都ではわずか3店舗のみです。

本当に偶然に私が好きで時折訪れる家具屋さんで、取り扱われていることに何か運命めいたものを感じ、確かに簡単に手に入れられるものではありませんが、50年以上も使える耐久性と、使うほどに艶やかに変化すると言われているギャッベをいつかは自宅に迎えたいと思っています。

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