LEDといえば「超寿命」。
すでに有名な話ですよね。
照明業界では光の量(光束)が初期値の70%に低下するまでの時間を寿命と定義しており、40,000hと公表されています。白熱灯の寿命が1,000~2,000h、蛍光灯が6,000~16,000hですから、その寿命の長さは別格です。
そもそも、LED自体には白熱灯のようにフィラメントがありません。ですから、衝撃に強いばかりでなく、故障の発生する頻度も低く、寿命という概念がありません。蛍光体の劣化や、樹脂の劣化、または絶縁体(LEDは12Vで点灯するため、100Vの電流を下げるトランスが必要となります)の劣化を寿命としています。つまり電球そのものの寿命ではなく、器具(=製品)寿命というわけです。
まずは、LEDの開発の歴史を振り返ってみましょう。
1980年代中頃までに、赤・黄緑・橙色等のLEDは実用化されていました。1993年高輝度の青色LEDが実用化されるようになります。後に発明対価をめぐって裁判で争われたアレです。
1995年、青色LEDと同じ材料を用いて高輝度の緑色LEDが実用化されるようになり、これで光の3原色(R・G・B)が出揃い、全ての色が作れるようになり、LEDの用途が拡大しました。
翌年の1996年、光源として必要な高輝度の白色LEDが実用化。これが現在の照明業界に大きな影響を及ぼしています。
ところで、この白色LED。これはどのようにして作られているのでしょうか。
白色光は、光の3原色である「R=赤」「G=緑」「B=青」の混合で作られます。ところが、それぞれの色により点灯電圧が異なるLEDは、その制御が複雑化するため、現在のところ一般的には用いられておりません。そこで、擬似的な白色をつくり出す方法が主流です。人間の目の『補色関係にある2色の混合でも白色に見える』という特性を利用し、「青色LED」に青と補色関係にある「黄色の蛍光体」を塗布するという方法です。このようにして作られている白色光ですから、演色性に不満が残ってしまうのも無理はありません。なるほどねぇ~。
さて、照明用途から見たLEDのメリットは次の通り。
①省エネ
これは今更説明するまでもありませんね。6.5WのLED(KOIZUMI ADE 650 298)でクリプトン球60W相当の照度が得られます。
②長寿命
前述の通り
③小型・コンパクト
④熱線・紫外線をほとんど含まない
白熱球は波長の長い「赤外線域」を含んでいるため、熱くなります。蛍光灯は波長の短い「紫外線域」を含んでいるため照射物を劣化してしまいます。
ところが、LEDは可視光線の領域である「380nm~780nm」しか出ないため、設置位置や、照射物の劣化の考慮を必要とせず、大変使いやすい光源だと言えます。
⑤低温で発光効率が低下しない
蛍光灯が周囲温度の影響を受けて極端に光束が低下するのに対し、LEDはほとんどその影響を受けることがなく、たとえば札幌のかまくらビアガーデンなどにも利用されています。
この他、蛍光灯の課題である調光が自在で即時点灯(100%点灯まで約0.00000001秒)というのも嬉しい特徴です。
第4世代のあかり=LED。
まだまだ一般的な照明に取って変わることはできない未来の光源。
しかし、急速に進化するLEDが私たちの住空間に取り入れられるのは、それほど遠い未来ではないのかも知れません。ますます注目していきたいあかりですよね。
そして・・・第5世代のあかり=【有機EL】もいよいよ私たちの耳に入る存在となりました。ところで有機EL(Electroluminescence)とは、ガラスやプラスティックなどの上に有機物(=ホタルやホタルイカが光る原理)を塗布し、そこに電気(Electro)を通すと有機物が発光する(Luminescence)もので、薄型・面発光で水銀などの有害物質を含まないなどの特徴を持ち、次世代の光源として期待されている新しい発光体です。
【有機EL】といえば2007年4月にソニーが発表した薄さ3mm(11V型)のテレビを想像される方も多いと思います。
私たちの住まいで使われる照明器具として、製品化される日はまだまだ時間がかかるそうですが、LEDが点光源として今後白熱灯に変わる役割を担っていくのに対し、有機ELは面光源として蛍光灯に変わる役割を担うのかも知れません。
壁掛けテレビが夢だった時代から十数年、今では誰も驚かない時代になりました。
まだまだ疑問の残る光源たちも、それほど遠くない未来、私たちのスタンダードとなっているのかも知れませんね。
※ 22日、23日、30日の光源に関するレポートは、パナソニック電工株式会社 インテリア照明事業部が主催するセミナーをもとにしております。
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すでに有名な話ですよね。
照明業界では光の量(光束)が初期値の70%に低下するまでの時間を寿命と定義しており、40,000hと公表されています。白熱灯の寿命が1,000~2,000h、蛍光灯が6,000~16,000hですから、その寿命の長さは別格です。
そもそも、LED自体には白熱灯のようにフィラメントがありません。ですから、衝撃に強いばかりでなく、故障の発生する頻度も低く、寿命という概念がありません。蛍光体の劣化や、樹脂の劣化、または絶縁体(LEDは12Vで点灯するため、100Vの電流を下げるトランスが必要となります)の劣化を寿命としています。つまり電球そのものの寿命ではなく、器具(=製品)寿命というわけです。
まずは、LEDの開発の歴史を振り返ってみましょう。
1980年代中頃までに、赤・黄緑・橙色等のLEDは実用化されていました。1993年高輝度の青色LEDが実用化されるようになります。後に発明対価をめぐって裁判で争われたアレです。
1995年、青色LEDと同じ材料を用いて高輝度の緑色LEDが実用化されるようになり、これで光の3原色(R・G・B)が出揃い、全ての色が作れるようになり、LEDの用途が拡大しました。
翌年の1996年、光源として必要な高輝度の白色LEDが実用化。これが現在の照明業界に大きな影響を及ぼしています。
ところで、この白色LED。これはどのようにして作られているのでしょうか。
白色光は、光の3原色である「R=赤」「G=緑」「B=青」の混合で作られます。ところが、それぞれの色により点灯電圧が異なるLEDは、その制御が複雑化するため、現在のところ一般的には用いられておりません。そこで、擬似的な白色をつくり出す方法が主流です。人間の目の『補色関係にある2色の混合でも白色に見える』という特性を利用し、「青色LED」に青と補色関係にある「黄色の蛍光体」を塗布するという方法です。このようにして作られている白色光ですから、演色性に不満が残ってしまうのも無理はありません。なるほどねぇ~。
さて、照明用途から見たLEDのメリットは次の通り。
①省エネ
これは今更説明するまでもありませんね。6.5WのLED(KOIZUMI ADE 650 298)でクリプトン球60W相当の照度が得られます。
②長寿命
前述の通り
③小型・コンパクト
④熱線・紫外線をほとんど含まない
白熱球は波長の長い「赤外線域」を含んでいるため、熱くなります。蛍光灯は波長の短い「紫外線域」を含んでいるため照射物を劣化してしまいます。
ところが、LEDは可視光線の領域である「380nm~780nm」しか出ないため、設置位置や、照射物の劣化の考慮を必要とせず、大変使いやすい光源だと言えます。
⑤低温で発光効率が低下しない
蛍光灯が周囲温度の影響を受けて極端に光束が低下するのに対し、LEDはほとんどその影響を受けることがなく、たとえば札幌のかまくらビアガーデンなどにも利用されています。
この他、蛍光灯の課題である調光が自在で即時点灯(100%点灯まで約0.00000001秒)というのも嬉しい特徴です。
第4世代のあかり=LED。
まだまだ一般的な照明に取って変わることはできない未来の光源。
しかし、急速に進化するLEDが私たちの住空間に取り入れられるのは、それほど遠い未来ではないのかも知れません。ますます注目していきたいあかりですよね。
そして・・・第5世代のあかり=【有機EL】もいよいよ私たちの耳に入る存在となりました。ところで有機EL(Electroluminescence)とは、ガラスやプラスティックなどの上に有機物(=ホタルやホタルイカが光る原理)を塗布し、そこに電気(Electro)を通すと有機物が発光する(Luminescence)もので、薄型・面発光で水銀などの有害物質を含まないなどの特徴を持ち、次世代の光源として期待されている新しい発光体です。
【有機EL】といえば2007年4月にソニーが発表した薄さ3mm(11V型)のテレビを想像される方も多いと思います。
私たちの住まいで使われる照明器具として、製品化される日はまだまだ時間がかかるそうですが、LEDが点光源として今後白熱灯に変わる役割を担っていくのに対し、有機ELは面光源として蛍光灯に変わる役割を担うのかも知れません。
壁掛けテレビが夢だった時代から十数年、今では誰も驚かない時代になりました。
まだまだ疑問の残る光源たちも、それほど遠くない未来、私たちのスタンダードとなっているのかも知れませんね。
※ 22日、23日、30日の光源に関するレポートは、パナソニック電工株式会社 インテリア照明事業部が主催するセミナーをもとにしております。
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知らなかった事、知りたかった事を分かりやすく書いてくださいました。
LED照明、もっと普及して安くなってくれると嬉しいですね。
私も今回のセミナーを通じて、(そういうことだったのか!)とわかったことがたくさんありました。
LEDは、私自身が自宅に取り入れてみて、実際の使い勝手なんかをレポートできたらいいな。と思っていますが・・・それはいつになることでしょうか(苦笑)。
光、灯りって面白いですね。
私も大学研究室は光学分野(先生はホログラフィーの権威)でしたんで
(私個人の研究はデジタル系だったのですが)
いい復習?になってます。笑
照明や明るいということが住宅の流通上、差別化できる大きな付加価値のポイントになってくると思いますので、社内へのご教示や新技術のご提案など今度とも宜しくお願いしますね。
コメントありがとうございます。
ホントに奥が深いなぁ。って思います。
そして、灯りの一番難しいトコロは、照度やデータで計ることのできない「明るさ感」です。
これは人によって感じ方が違う部分なので、私的には「カンペキ」だったハズなのに、見る人にとっては「気に入らない」ということもあります。
難しいですね。
私はインテリアコーディネートに関する知識の中でも一番「色」に興味がありますが、「色」と「光」はとても密接に繋がっており、双方共に影響し合うものなので、余計に面白いです。
レポートは、ついつい長くなり、読まれる方は大変だと思いますが、気軽に読み流してもらえれば嬉しいです。読みやすい気軽なレポートとして仕上げて行くことが、今後の課題ですね。
LEDだけでなく、白熱電球、蛍光灯の現状や特徴についてよくまとめられていて参考になります。私のブログの方で紹介させていただきますね。
白熱電球製造中止のタイミングでLED照明がどれだけ安く、使えるものになっているかが普及のポイントになりそうな予感です。
今後ともよろしくお願いします。
ついつい私のブログはだらだら長くなってしまうのですが、少しでも読みやすく情報提供できるよう、頑張りたい。と常々思っております!
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
http://ledmania.blog59.fc2.com/blog-entry-1585.html
http://ledmania.blog59.fc2.com/blog-entry-1592.html
http://ledmania.blog59.fc2.com/blog-entry-1594.html
スゴイですねぇ~。
確実に目がハートになりました(笑)。
そして、コストに余裕があれば、積極的にLEDを照明プランに盛り込んでいっておりますが、それについて、考え方を変えなくては?と思いました。
このようなランプが普及してくれれば、イニシャルコスト・ランニングコストともに削減できて、消費者にとっては嬉しいですね。
ぜひ、ブログ本文で紹介させて下さい。
よろしくお願い致します。