何が善であり何が悪であるのか、人間としての倫理とはどういうものか、という定義は、その時代によって正反対になるほど異なっている。古代にあっては、伝統のしきたりや慣習から外れた自由なふるまいをすることは非行とみなされた。また、個人として行動すること、身分を超えた平等、予測がつかないこと、慣れていないこと、見通しの立たないことまでもが悪であった。古代人から見れば、現代ではまったくふつうとされている行動や考えの多くが悪なのだ。
視点を変えるとはこういうことだ。相手や状況を想像してみることだけが視点の変換ではない。古い時代の事柄を学ぶことも、視点を変えるのに大いに役立つのだ。
ニーチェ 『曙光』
視点を変えるとはこういうことだ。相手や状況を想像してみることだけが視点の変換ではない。古い時代の事柄を学ぶことも、視点を変えるのに大いに役立つのだ。
ニーチェ 『曙光』