土屋龍一郎のブログ

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映画「亡国のイージス」を観た その2

2005-09-08 21:42:15 | Weblog
 私は、まあ、ここは私のブログなので断る必要もないのですが、わたしは原作の興奮と感傷のほうが強かった。ここらへんは、監督さんの器量なのだろうけれど、きっと数カ月後に「完全版」とか「ディレクターズカット」が出るだろうな。この映画。
 結局は「どの部分をカットするか」ということが映画づくりの基本なのだろうけれど、あれもこれもカットできず、しかもいいたいことを少しずつカットして、さらにきっとあまり過激な演出は控えた、ということを感じた。
 原作が文庫で1100ページを越える超大作なのだから4時間くらいの超大作映画にしてじっくり考えさせるとか、2つの映画に分けても良いくらいの気がする。これまでにも「羊たちの沈黙」「ハンニバル」など、原作を読んでいたにもかかわらずそれを超える感動を与えた映画があった。そう考えると「亡国のイージス」が『映画化は不可能』と言われていたとおり、難しかったのだろう。

 原作では最後の最後に宮津夫人と渥美DAIS本部長との感動的なシーンがあって、原田美枝子さんと佐藤浩市さんがどんな演技をするか大変楽しみだったが、これは割愛されていてとてもとても残念だった。佐藤浩市さんにはこの路線で世界に俳優として一本勝負して欲しい。
 配役ではホ・ヨンファに中井貴一さんというチョイスは好きです。ソン・ガンホとかひげ面状態のトニーレオンみたいな無気味で怪しいともっとよかった。どうしてもほら、中井さんは格好よい人のイメージだから。

 私は普段からちょこっと画面に映るその他端役をきっちりこなす映画出演をしてみたいとあこがれているのですが、この映画に出演していたあまり台詞がなかった人たちは重要な原作を読んでいないのではないかと思う。あまりに映画チックなアクション過ぎて日本を背負っている自衛隊的な緊張感がもっと欲しかった。

 あれ?ほめるつもりだったのに。