半年しか縁がなかったのに妙に気があった友人の墓参りをした。
大胆不適にして繊細かつ本質を見極め人心掌握に優れていた男だった。
毎年友人が集まる5月の命日にどうしても行かれなかったので気にしていたが、やっと今年も訪ねることができた。
タクシーに待っていてもらって、一人で花を活けて、線香を灯し、墓石に水をかけて手でこする。まわりの参拝客に妙なおっさんだと思われただろうが、一人ぶつぶつと墓石に向かって話しかけていたような気がする。名家らしく、きちんと並んだ一族の墓石はきれいに掃除がされ、どれにも花がいけてある。横浜全体を見下ろす高台のお墓に眠る友人は6年前に38歳で世を去った。
まわりの無念は、彼が大人物であった故になおさらのこと堪え難い嗚咽となっていつまでも耳に残っていた。
私が混乱して自分を見失って彼に助けを求めたときに「大丈夫、すべてのことはどうにかなります」と、救ってくれた友人は自分の人生だけはどうにもならずに逝ってしまった。あの言葉は今でも私を救ってくれている。
そして、悲しいことだが「死んじゃあだめだ」というのが最後に彼が私に教えてくれたことだ。
大胆不適にして繊細かつ本質を見極め人心掌握に優れていた男だった。
毎年友人が集まる5月の命日にどうしても行かれなかったので気にしていたが、やっと今年も訪ねることができた。
タクシーに待っていてもらって、一人で花を活けて、線香を灯し、墓石に水をかけて手でこする。まわりの参拝客に妙なおっさんだと思われただろうが、一人ぶつぶつと墓石に向かって話しかけていたような気がする。名家らしく、きちんと並んだ一族の墓石はきれいに掃除がされ、どれにも花がいけてある。横浜全体を見下ろす高台のお墓に眠る友人は6年前に38歳で世を去った。
まわりの無念は、彼が大人物であった故になおさらのこと堪え難い嗚咽となっていつまでも耳に残っていた。
私が混乱して自分を見失って彼に助けを求めたときに「大丈夫、すべてのことはどうにかなります」と、救ってくれた友人は自分の人生だけはどうにもならずに逝ってしまった。あの言葉は今でも私を救ってくれている。
そして、悲しいことだが「死んじゃあだめだ」というのが最後に彼が私に教えてくれたことだ。