土屋龍一郎のブログ

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年相応

2005-09-16 00:23:26 | Weblog
 若いくせにおっさんくさかったり、逆に妙に若く見える人がいる。顔つきと年齢が丁度良くなる年齢という時期があるのだと思う。残念ながら出会ってしまった時の印象が強いのでせっかく年齢が顔つきに追い付いた友人でも「お前は昔からおっさんくさかったな」ということに落ち着いてしまうから、気の毒だ。
 娘に言わせると私は39歳の印象のままストップしているそうだ、というかあの頃が一番「おつとうさんって感じだったね」ということだそうだ。今は輝いていない疲れたおじさんなのだろう。

 自分の年齢を意識したことがなかった。自分の進路で悩んでうろうろしていたらいつの間にか20歳を越えていた。自分の仕事がなんだか良く分からないで毎日がただただばたばたしているうちに30歳を過ぎ、35歳を越えた。おおきな生活の節目が来て年齢のことよりも実生活の変化が知らぬ間に40歳を越させていた。そんなことだから「おいくつですか」と尋ねられて即答できないことも多かった。

 昨年からなぜか急に自分の年齢を意識し出した。村上春樹の「プールサイド」という短編小説の中に「折り返し」というキーワードで人生を送る若きスイマーの話がある。彼と違って35歳は自分の中で折り返しに感じなかった。ところが43歳は86歳の折り返し地点で、平均年齢の真ん中だ。つまり私は「これから食べる昼食の数が、これまでより少ない」側に来てしまったのだ。
 そう考えてしまってからは無意識のうちに「43歳のおっさんだからさ」と自分のことを言っているのに気付くことが多くなった。
 そして、また一つ歳をとった。