個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

夏休みの宿題が筋トレであってはいけない

2018-07-20 10:37:32 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

いよいよ今年も夏期講習の時期になりました。受験生はここからが本番、そして1,2年生はこの期間にしっかりと苦手分野の復習、そして2学期の予習と有効に時間を使うことができれば、かなりの効果が期待できる大切な期間です。1人1人課題は異なりますので、それぞれに目標を立て、この夏休みで全員がそれを達成できるように、私も気合十分ですし、生徒もみな気合が入ってくるでしょう。

しかし、それを進めていくためには、まず片づけておかなければいけないことがあります。それは学校の宿題です。「昔からこんなにもあったっけ?」と思うほど大量の宿題が出されています。生徒の1人が「こんなにもあるねん」とすべての宿題を持ってきて机の上に出しました。「えっ?マジで?」と思わずでてしまうほどの量で、確かにこれだけの宿題を見るだけでやる気がなくなってしまうのもわかります。それに、多くの子どもは塾に行ってますので、この大量の学校の宿題だけでなく、さらに塾の宿題もしなければならないのですから、今の子どもたちは本当に大変です。

ここで「これだけの量の宿題をしているのにどうして学力が上がらないのでしょうか?」という疑問が当然でてきます。詳しいデータをとったわけではありませんが、夏休みの中学生の宿題の量は20年ほど前と比べてかなり増えているのではないでしょうか。学校の宿題も増えていますし、塾に「通っている子の割合も増えています。本来ならばそれに比例して学力も上がっていかなければならないのですが、上がるどころか逆に平均は下がっているように感じます。実際学力の低下の問題は社会問題の1つとして取り上げられていますよね。

こんなに勉強をしているのに学力が上がらない理由は簡単で、無駄な勉強が多いからです。このブログでも何度か書いていますように、学力を上げることを目的とせず、形式だけの無駄な宿題があまりも多すぎるのです。その無駄な宿題に時間をとられて、本当に必要な勉強をする時間がなくなってしまう。多くの時間を費やし、手が疲れるほど勉強しているのにその効果があまり出ない。これではますます子どもが勉強嫌いになってきますよね。

何が無駄かというと、まず各科目のワークです。およそ1科目30ページのワークを使用している学校が多いでしょう。学力の高い子どもにとっては、それを1冊仕上げると良い復習になりますし、やる価値は十分にあると思います。ただ、そうでない子どもにとっては、まず自力で解ける問題が半分ほどの子もいますし、9割ほどできない子さえいます。そんな子はどうするのかというと、解答が配られているので、解答を赤ペンで丸写しさせるのです。この悪しき習慣はいつできたのでしょう。私が中学生の頃はこんなことはさせられませんでした。

勉強って解けなかった問題が解けるようになったり、知らなかったことを学んで覚えていったり、少しずつ進歩していき、それを自分で実感できるから楽しくなるものです。そういう意味では解答を丸写しさせるというのは、勉強でも何でもなく、ただの時間の浪費です。解答を写して解けるようになるんだったら学校の授業なんて必要ありません。学校の先生は、先生になるくらいですから、学生の頃から勉強は、まあそこそこできたのでしょう。だから学力の低い子の苦労や気持ちがわからないのでしょうか?

1人1人異なった宿題を出すのはさすがに難しいでしょうが、せめて難易度別に5パターンほど用意して生徒に決めさせたり、先生と生徒が相談して決めたりするくらいはできないのでしょうかね。中1の2学期頃の勉強ですでについていけていない子どもが、中3用の、しかも入試問題に近い難易度の問題ができるはずもありませんし、解答を写したところで理解できるはずもありません。ですがこの無駄な宿題を提出しないと、大幅に内申点を下げられ、公立高校の入試で不利になります。

ですから私はしかたなく、そういう生徒に対しては「解答を丸写ししてもいいよ。ととにかく早く終わらせよう。そして本当に必要な勉強を少しでも多く一緒にやっていこう」と声をかけています。解答を写すことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、これが現状では最善だと思います。

あとはお決まりの英単語や漢字練習のプリントです。500個ほどの英単語を10回ずつ書かす宿題もあります。こんな宿題、よほど意識が高くないと「頑張って覚えよう」なんて思うはずもなく、とにかく早く終わらせようとただひたすら5000回英単語を書き続けるだけなんです。英語が得意でもう完璧に覚えている子にとってはただの拷問ですし、英語が苦手な子もただ書いているだけなので、結局どの生徒にとっても勉強ではなく、腕の筋トレをしてるだけなんですよね。

学校の宿題の難易度を選ぶことができるようになったり、もっと進めて、学校の宿題ではなく塾や家庭学習の課題を夏休みの宿題として認めてくれるようになればいいなと思います。乗り越えなければいけない壁は多いですが、現場の先生が「今のままでいい」と思っているのならそれはかなり危険で、改善していかなければと先生はもちろん、私たち教育関係者や一般の保護者の方々も声を上げていかなければいけないと思います。

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