個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

活字離れ?

2019-01-14 10:31:15 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

新学期が始まり、今週末にはいよいよ中学受験が始まります。最後の追い込みで生徒たちも必死で頑張っています。あとは体調を崩すとなく、万全の状態で受験できることを祈るばかりです。

受験といえば、最近では多くの私立高校で面接試験を実施しています。面接は合否を左右するほど大きな影響を与えるものではありませんが、ほとんどの子どもにとっては面接試験をするのが初めてですので、緊張したり不安になったりする子もいます。中学校でもその対策として面接練習をしたり、私の塾でも希望者は面接練習をしますし、こういう質問があったときにどう答えればいいのかなどを一緒に考えたりもします。

塾を経営している知り合いがいるのですが、彼から先日こんなメールがありました。「うちの塾でも面接練習をしたんやけど、ある生徒に「あなたの趣味はなんですか?」という質問をしたところ、「わかりません」という答えが返ってきてん。それで、「趣味はないのか?」ともう一度たずねたら、「趣味っていうのがよくわからない」と返事されてん。松下はどう思う?」

なるほど。その生徒は趣味がないわけではなく、趣味という言葉の意味がわからなかったんですね。私たち大人からすれば、「中3にもなって趣味の意味がわからんってどうなってるの?」と思うかもしれませんが、実はこういう例は珍しくないのです。

教科書に書いてあることを理解できない。テストでも設問の意味がわからないから、何を答えればいいのかわからない。こういう子どもは年々増加しています。

「①5人用の長いすと3人用の長いすが合わせて14脚あり、全部で54人が座ることができる。5人用の長いすと3人用の長いすはそれぞれ何脚あるか」
「②政治や社会の問題について、多くの人の間で形成された共通の意見を何というか」

①はどういう状況かをイメージできません。②は「政治」「社会」「共通」などの意味がわかりません。ですから方程式を解くとか、社会の語句を暗記するとかいうずっと前の地点でひっかかっているのです。このような子どもたちに、いくら「教科書を読め」「ノートを写せ」と言ったところで、それが効果的な勉強方法であるはずもありません。

どうしてこのようなことになってしまうのでしょう? 原因は1つではなく、たくさんあります。よく言われるのは「子どもが本を読まなくなった、活字離れが進んでいることが原因だ、SNSの普及の悪影響だ」ですね。もちろん最大の原因はここにあると私も思っています。本どころか、新聞や雑誌、マンガすら読んだことがない子がたくさんいます。そういった子どもは読解する力だけでなく、文を書く力も育っていません。だから、読書感想文や作文も書けないのです。また、話すことが下手です。順序を追って話すことができなかったり、主語がないため伝わりにくく、何のことを言っているのかわからないこともあるのではないでしょうか。

ただ、本を読まない子は昔からいましたし、本を読むことと勉強できることは、ある種の相関関係はあるでしょうが、これだけが原因ではないような気がします。

次に考えられるのは、いわゆる発達症の問題です。今では検査を受けられる子も多く、かなり細かい部分まで検査でわかるようになっています。言語能力や記憶力、計算や図形など、ある特定の分野を苦手とする子が多くいるのも事実です。同じように勉強していても、周りの子と比べて理解が遅かったり、暗記できなこともあるでしょう。ですが気をつけなければいけないのは、検査でそういった特性を持っているのがわかったからといって、その力を伸ばすことを完全にあきらめてしまうことです。「この子はどうせできないだろう」という思い込みは危険です。できないものを無理やりやらせて「どうしてあなたはできないの!」というのは間違っていますが、その子の可能性を信じてあげないことも間違っていると思います。彼らにだって平均より遅いかもしれませんが、理解したり覚えたりすることはできるかもしれませんし、いろんな問題を解けるようになるかもしれません。実際私の生徒でも、そういった成長をした子もいました。検査結果はあくまで参考データであって、どこまでできるようになるかは、やってみないとわかりません。

しかし、発達症も検査する子どもが増えただけであって、ここ数年で発達症の子どもの人数自体が増えているわけではないと思います。上の2つ以外に考えられるのは会話数ではないでしょうか。昔は家族と一緒に過ごす時間が多かったと思います。自然と会話の数が増え、親や兄・姉との会話から、友達同士で話すときとは違った単語を聞くことができました。勉強ではなく、日常会話から多くのことを学べました。この子どもとの会話する時間の減少という現代社会の傾向が大きな問題ではないかと思います。もちろん仕方ない部分もありますが、私は活字離れよりも、こちらの方が深刻な問題のような気がしますし、小学校の低学年頃まではできるだけ子どもと話す時間を持ってもらいたいと思います。また学校でも、そういう子どもたちが増えてきているのですから、授業をただ聞くという一方通行の授業の方法だけでなく、もっと子どもたちが発言できる授業を、特に小学校では増やしていってほしいと思います。

ONE-SのHP

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