個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

不安を煽るばかりでは

2018-12-28 10:16:27 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

冬期講習が始まりました。

受験生は毎日不安と必死で戦いながら、悔いのない受験を迎えられるように一生懸命です。少しでも不安を軽くしてあげ、そして自信を持ってもらうと同時に確実に合格できる力をつけてもらえるよう、私も全力投球です。1、2年生も年明けすぐに、内申点に大きな影響を与えるチャレンジテストがありますので、このテスト対策に向けてみんな頑張っています。いつまでも今年も撃沈した有馬記念の反省をしている暇なんてありません(笑)

私も高校受験のときは、めちゃくちゃ勉強しました。おそらくこれまでの人生において、中学3年生の1年間が量・質ともに最高の勉強ができたのではと思っています。当時の私は「合格したい」という気持ちと同時に「不合格になりたくない!」という気持ちがありました。どちらかといえば、後者の方が強かったかもしれません。どちらもほぼ同義ですが、少しニュアンスは異なります。

私は暗黒の中学校3年間を過ごしました。私の中では「失われた3年間」だったのです。そのためなにがなんでも、高校生活は充実させ青春したいと強く願っていました。高校デビューして理想の高校生活を送るためには、絶対に公立高校に合格する必要があったのです。というのも、当時私立高校は共学校は少なく、併願で受験した高校も男子校でした。男子校では高校デビューする気にもならないし、私の「失われた3年間」を取り戻すことは絶対にできないだろうと思っていました。

公立高校に不合格になってしまうと、男子校の私立高校に行かないといけないので、「それだけは嫌だー!」という気持ちで必死になって勉強しました。A高校に合格するために勉強したのですが、それはなにがなんでもA高校に行きたかったわけではなく、B高校に行くのが絶対に嫌だったのです。だから、A高校ではなくC高校でもD高校でもそこにはそれほど差はありませんでした。

「B高校に行ってしまうと人生終わってしまうかも」という負のイメージの効果は大きく、なにかを頑張れるときに大きな原動力になります。

たとえば私の場合は、禁煙もそうでした。「水とタバコさえあれば生けていける」と言い放っていたかなりイタイ私が(笑)、禁煙したというと誰もが驚き、信じてくれませんでした。意志の弱い私が禁煙できたのは、このままタバコを吸い続けて近い将来の自分を想像ししたからです。肺が真っ黒になり、歯も抜け落ちて咳ばかりして、そのうち肺がんにでもなって苦しんでいる姿です。「こんな惨めな姿になりたくない」その気持ちが強くなり、何度挑戦しても失敗していた禁煙に成功したのです。

実際に、私たちの周りには不安になるから、そうなりたくないからやっていることって、かなり多いと思います。それはやはり、不安に駆られて行動するパワーは大きいからでしょう。だから何か行動を起こすとき、「なりたい」ではなく「なりたくない」という気持ちでした方がうまくいくことが多いかもしれませんね。

ただ、「なりたくない」と自分で思うからこそ大きなエネルギーを生み出すのであって、他人から言われたところでそれは不安感が増すだけなのです。「こんな成績だったら将来〇〇になるよ!なりたくなければ頑張りなさい!」これは最悪です。これを言っている人は〇〇を見下しているわけですから、子どもも〇〇を見下してしまうようになります。たまに、こういうことを言う教師もいますが、そういう人が教育者になってほしくありません。

また、頑張っても成績が伸びなかったら、子どもはどう思うでしょう?「ああ、こんな成績だったら〇〇になってしまう。どうしよう?苦しい人生になってしまうのかな?」まだまだ幼い子どもたちが、将来を明るいものとして見ることができず、不安や絶望感しか抱いていないのはあまりにも悲しいです。こんな不安感を持っている子どもたちが「どうせ、やってもできないし、もうどうでもええねん!」となげやりな考え方へと変わっていくのです。

子どもの頃からずっと何か不安を持ちながら、何かにおびえながら生きていくというのはどうでしょうか。「夢を持ちましょう」といいながら、子どもの夢を壊していってるのは私たち大人であるように思います。「〇〇になるな」ではなく、「なりたい」と思えるものを探す手伝いをするのが大人の役割じゃないでしょうか。勉強できなくてもそれで人生が終わってしまうわけでもなんでもありません。そりゃあ勉強できた方がこの世界では得することが多いでしょうから、一生懸命勉強することを否定しません。塾という仕事をしているわけですから、もちろん勉強を一生懸命してほしいと思っていますし、楽しく学んでほしいと心から思っています。でも勉強できない子がいるのも事実です。勉強を頑張っても頑張っても、大人が望むような場所にたどり着けない子もいるんです。そんな子に、脅すような言葉で無理やり勉強させたとしてもそれは不幸な結果にしかつながりません。

勉強することや学ぶことの大切さを教えることは必要です。ですが勉強がすべてであり、勉強できない人間は将来明るくないという教えは絶対に間違っています。それがたとえ勉強していた方が将来苦労しないだろうから、少しでも勉強してほしいという愛情からであったとしても、子どもを不安にさせるだけのような言い方をしてはいけないのです。

子どもたちの人生は子どもたちのものです。ある程度の年齢になれば自分で決めていけばいいのです。その力は十分持っています。情報を与えてあげたり、アドバイスをあげることは大切です。でも最後は子どもたちが決めればいいんです。もっともっと将来に対して、不安ばかりでなく、夢をみて、明るく楽しい未来が待ち受けているんだとワクワクした気持ちをいっぱい持ってほしい、そこが今の日本に欠けていることではないでしょうか。

ONE-SのHP





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