個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

ここはスピードではなく、じっくりと!①

2020-05-27 17:46:41 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

大阪府では小中高校がようやく6月から再開されますが、3月の初めに全国一斉休校になってから、約3カ月間学校の授業を受けられないという状態が続いていました。私はもちろん、社会全体としてもこのような事態は想定していませんでしたので、子どもたちの勉強の遅れや受験がどうなるのか、子どもたちの生活習慣の維持の仕方やストレスをどう軽減するかなど、課題が山積みとなっています。

しかし、このような状況にならなければ、おそらくそのまま放置していたであろう様々な問題を議論できるいい機会になったのではないかと思います。9月入学や、入試のシステムあるいはオンライン授業の普及や飛び級制度など、「そんなことはできない」とハナから決めつけるのではなく、すべての可能性を話し合うべきです。いろんな問題を放置していたから、今子どもたちが苦しんでいるんです。「できなかった」のではなく「やる気がなかった」のではないでしょうか。今こそ大きな声を上げていくときです。

今回は何度か問題点を指摘している「チャレンジテスト」についてです。このテストを簡単に説明すれば、中学校間の学力格差を考慮し、できるだけ公平な内申点をつけるために導入された制度です。1、2年生の場合は、チャレンジテストの結果で学校の成績が変化することがあります。たとえば中学2年生で学校での数学の成績が、1学期が4、2学期が4、3学期が4であったとしても、チャレンジテストで9点以下の点数をとってしまうと、2年生の数学の内申点の総合評価が「1」となってしまうのです。通知表で、1年間を通じてずっと「4」であったとしても、たった1回のチャレンジテストの結果で「1」になってしまう可能性があるのです。

この例での点数は正確なものではなく、わかりやすく極端にしましたが、実際にこのような例はいくつも各学校で起こっているのです。

「通知表で「4」をもらってる子がチャレンジテストで9点以下なんてとれへんはずや。だから問題ないんとちがうか」
「同じ点数をとっても、通っている中学校によって成績のつけ方が違っていたら不公平だからチャレンジテストは必要だ」

うん、その通りなんです。私も学校間の格差をなくすことには大賛成です。受験において「公平であること」というのは、最も大切な要素だと考えています。問題なのは、中途半端にルールを変更していることなのです。

学校での成績は、定期テスト・提出物・授業態度などを総合して評価されます。定期テストの点数が90点以上であっても、提出物をまったく出していなかったら「5」の成績はもらえません。逆に、定期テストが20点くらいであっても、すべての提出物を出し、真面目に授業中も取り組んでいればおそらく「3」の評価はもらえるでしょう。定期テストに関しては、これも学校間に多少の差はあるとはいえ、大部分の学校の定期テストでは生徒が点をとりやすい問題を出題してくれます。たとえば、プリントを試験前に配って、そのプリントの中から20点分はそのまま出題するといった形です。いいか悪いかは置いといて、実際にそういった形でテストをしている学校がかなりあります。

すると、どういったことが起こるでしょうか?

ほとんど授業を理解していない生徒でも、テスト前に必ず出題されるというプリントを頑張って覚えて試験に臨むと最低20点は獲得できます。また提出物の問題集などは理解できていなくても、解答もいっしょに配られているので、とにかく解答を丸写しでもいいから全部うめて提出します。授業中も内容はよくわからないけれども、黙って先生の話を聞き、黒板に書かれたものをそのままノートに写していきます。そうそれば、この生徒の成績はおそらく「3」になるでしょう。本当の学力はもしかしたら「1」かもしれませんが、成績は「3」になるのです。繰り返しになりますが、これが良いか悪いかの議論ではなく、実際にそうやって成績をつけているのです。これは、文部科学省が発表しているように、中学生の成績はテストの点数だけではなく、「生徒の平素の学習状況等を評価し、学力検査で把握できない学力や学力以外の生徒の個性を多面的にとらえたり、生徒の優れている点や長所を積極的に評価し、活用していくというもの」という基準があるからです。

ですから、勉強が苦手な子どもであっても、提出物頑張って授業を真面目に受けていれば、良い成績をつけてもらえるはずだ!と信じて頑張っているのです。提出物の問題集もほとんどわからない状態で、ただ解答を赤ペンでうめていくという作業がどれほど苦しいものか想像してみてください。そんな子どもたちの頑張りが、たった1回のチャレンジテストで無駄になってしまうのです。

ですが私が本当に言いたいのはチャレンジテストを廃止しろ!ということではありません。

久しぶりに長くなりそうですので、続きは次回に書きます。

ONE-SのHP

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