個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

もっともっと透明に!

2018-12-13 09:27:56 | 教室から
おはようございます。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

冬が本格的に到来し、寒さが増すとともに、受験生の緊張感も高まってきました。私も自然とこの時期は力が入ります。

大阪の高校受験は、これまで何度もその制度のマイナーチェンジを繰り返してきました。公立高校の学区を撤廃したり、内申点を相対評価から絶対評価にしたり、前期・後期制を導入したり、チャレンジテストを内申点をつける目安の1つとしたり。

受験制度は公平であり、しかもできるだけ評価されるような方法である必要があります。特にまだ精神的に幼い中学生が経験する高校受験ではなおさらです。そういう意味では、私は受験制度をどんどん変えていくのは賛成なんです。よりよいものを目指すためには現状維持ではなく、改革が必要だからです。

今日は、そんな受験制度の中でも内申点の話を少ししたいと思います。私が中学生の頃は内申点は10段階の相対評価でした。1と10の点数がつくのは学年の3%、2と9がつくのは学年の4%、3と8は全体の9%というように決められていました。学年の人数が100人ならば、最高の10をもらえるのは3人となります。と同時に最低の1も3人となります。この相対評価の問題点は、中学校全体のレベルで子どもの内申点が大きく異なることでした。

たとえば、1学年が100人のA、B中学校で同じテストをしたとして、A中学校では90点以上が50人、B中学校では90点以上はいなくて80点代が1人だったとします。A中学校では90点をとったとしても、90点代が50人もいますので、90点でも順位では真ん中あたりになりますので、内申点は5点か6点になります。一方B中学校では、80点代でも順位は1位ですので、内申点は10点をもらえることになります。

極端な例ですが、これではA中学校の子どもが、あまりにもかわいそうで不公平だということで、絶対評価にし、さらにチャレンジテストを導入することによって学校間のレベルの格差による内申の有利不利をなくそうとしています。まだまだ改善の余地はたくさん残されていますが、基本的には良い方向に進んでいると思います。

また、私が中学生の頃は、自分の内申点をはっきりと教えてもらうことができませんでした。進路指導の三者面談などで、志望校を受験するための内申点が十分にあるのか、足りないのかを担任の先生に教えてもらうという形でした。「〇〇点あります」というものではなく、その先生が「内申点としては大丈夫です」「内申点は少し足りないかも」という指導をするわけですから、それを信じるしかないわけです。その先生の判断が間違っていることも十分に考えられる中で、その当時の子どもたちは受験校を決めなければなりませんでした。

それから数年が経過し、いつの頃からか自分の内申点を子どもが知ることができるようになりました。「知る権利」や「情報公開」などが叫ばれていたときだったと思いますが、これによって飛躍的に受験校を選びやすくなりました。子どもたちは自分の内申点と学力を総合して受験校を決めることができるようになり、無謀な受験による失敗はずいんぶんと減りましたし、目標を設定しやすくなりました。

しかし、これがすべての子どもに与えられた権利かというとそうではありません。たとえば中高一貫の私立校の中には、中学から高校にあがるときに、別の公立高校を受験したいという生徒がでても、その生徒に内申点を教えないところもあります。内申点を教えることは確かに義務化はされていませんが、自分の内申点がどれだけなのかを知らずに受験するのはあまりにも不利になります。そして内申点に大きな影響を与えるチャレンジテストも、私立中学生は基本的には受けていません。そもそも公立中学校と私立中学校では内申点のつけ方は異なります。

私はこういう話を聞くたびに思うのです。「内申点なんてなくせばいい」と。本番のテスト一発勝負で合否が決まる方がよっぽど公平でスッキリすると思います。

中学3年間、真面目に頑張ったその努力を評価してあげることは必要でしょう。ただ、今の受験制度ほど合否に大きな影響を与えるものであってはならないとも思うのです。あくまで内申点は、受験においては補足的な位置づけにとどめて、本番のテストが主である必要があります。内申点のために、学力の低い子どもが必死で提出物の問題集の解答を丸写ししている姿を見たり、逆に学力が高い子どもが、音楽や体育の副教科の実技が苦手なため、高い内申点をもらえず、本来の学力より低い高校を受験せざるを得ないのを見たりしていると、その気持ちが強くなります。

受験というのは、子どもたちの人生を大きく変えます。そして子どもたちは大人と比べてもっと純粋です。だからこそ、その制度は公平性はもちろんのこと、よりシンプルでわかりやすいものにしなければなりません。


「私立中学に入学したから公立高校に受験できない」「不登校になったから公立高校に受験できない」馬鹿げてますよね。そろそろ内申点で縛り付けている今の制度を見直さなければならないのではないでしょうか。

ONE-SのHP


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