どうもー、NaNaですー!
今日は、昨日見た夢をリメイクしてお話にした妄話を書こうと思います。思いのほか長くなってしまった…のですが、お時間ある方は是非ご覧になってみてください。コメント欄でご指摘があったのですが、実は違う掲示板に同じような妄想をこの記事を書く前に、書き込んでしまいました。混乱を招くと困るので、言っておきますが本人なので、決して盗作などではありません。混乱を招いてしまったかた、本当に申し訳ありません。
以下すべてフィクションです。
すべてに甘えていた自分がいた。ずっとずっと欲しかったものを手にいれた。とっても時間は掛かったけれど、手に入った素敵な時間。最高の状況。
ぜんぶぜんぶ揃った瞬間…。溺れてしまった。
一生懸命ゴール目指して泳いでたのに。息もずっと苦しかったのに。途中でお水をいっぱい飲み込んだのに。ゴールに着いた瞬間、生きているという実感と共に、脱力して、甘えてしまった。
ずっとゴールでまっていたのは、君だったのにね。
話がある。そう切り出されて、少しびくっとしたの。だって、いつでも君の前で私は本気だったから。
21時43分。待ち合わせよりも少し早くついた。贖罪の意識がはたらきかけたみたい。息を大きく吸い込んだら、夏のにおいと人のにおいでいっぱいで、それまではそんなことなかったのに、急に息苦しくなってきた。また、水に飛び込んでしまったのかと思ってしまうほどに。
少しして、遠くから見慣れた車が見えたので、わたしは手を上げて合図をして、人の少ないトンネルの下に移動して、車に乗り込んだ。
また息を吸い込んだ。緊張のせいかな、さっきから何度も何度も息を吸っている。あ、車のにおい。きみのにおい。心地がいい。最高に素敵だと思った。
きみが少し笑って、口を開く。
「待った?」
「んん。待ってない。」
「そう。何食べたい?」
「んー、何がいい?なんかあるなら、それに従うよ!」
いつもと同じ、いつもと同じ。いつもと同じ会話。いつもと同じ会話。いつもと同じにおい。いつもと違う空気。
少し考えた様子で、きみは答えた。
「イタリアン…でええか?」
「うん!」
「お前、あまとりちゃーなって知ってる?」
「えー、何だっけなあ…、あまとりちゃーな…聞いたことあるような?」
「無いような?」
「うん、なあに?あまとりちゃーな。」
「最近ヒナがごり推ししてるパスタの名前やねんけどな。」
「あ!パスタね!」
「むっちゃ美味しいって言うねん。」
最初にわたしの顔を見たときよりも、楽しそうな顔して話すきみの横顔に見蕩れた。街の明かりに照らされる長い睫毛が愛しい。いつからだろう、こんなに好きになったのは。
不意にその横顔が、消える。横顔はドアを開けて、外に出た。あ、お店についたんだ。わたしは気づいて一人でおかしくなって、車窓ごしに建物を見る。つたの葉が壁一面に這っている赤い屋根のお店だった。お洒落なイタリアンだった。
漆喰の壁のざらざらに手を着きながら、狭い階段を下る。先にすたすたと下りていく、素敵をわたしは必死で追いかける。薄暗い照明と、凝った内装が店内を小粋な空間へと仕立て上げている。
席につくと、ほっとしたような顔で膝にナフキンをセットし、きみが笑った。
「なに?」
「いや、久しぶりやな思て。」
「そうだっけ…あ、そっか、そうかもね。」
なんとなく、やはりいつもと違う雰囲気に戸惑って上手く会話が出来ない。出会いたての時みたいだ。そういえば、はじめて2人だけでお食事したのも、イタリアンだったなあー…。懐かしい、と思っていたら、お店の人が注文をとりにきた。
「このコースの中に、あまとりちゃーなって入ってます?」
「ええ、ございます。この今月のパスタというのがアマトリチャーナになっておりますので。」
「あ、だったらこれ2つお願いします。」
メニューを持つ手が、綺麗。骨の形がしっかりわかる。すらりとした長い指は節さえ綺麗。メニューを見る伏し目がちなお顔も綺麗。睫毛が顔に陰をつくるほどに伸びている。それから無造作に開いた口も綺麗。
きゅん、思わず心臓が浮き上がるような感覚になる。すごく、すごく、好き。
店員さんが伝票をひらひらとさせて、踵を返し厨房のほうへと向かう。それをぼんやりと眺めていたきみが、こちらに視線を向けたのでわたしは話しだす。
「イカしたお店に入って注文するときさ…」
「ん?」
「標準語になるの無意識?」
「そあー、言われて見ればせやな、無意識やなー。てかさ、思ったことゆうてええ?」
「うん。」
「イカした、って最近よう聞かんで?ふっふっふ…」
「えー?そうかなー?じゃあ最近の子はなんていうの?」
「こじゃれた。」
「えー同じだよ。ごじゃれたもイカしたもさ!」
「っふ、せやな。」
やっと、ちょっと空気がほぐれたのを感じた。でも、駄目だ、今日は、今日だけは、いや、今日も…。
「どした?」
「ん、」
「何かあるんやったら言うてみ?」
「いや、かっこいいなあって。」
「今更やろ。」
「おもったの。」
言っちゃった。照れてきみは、膝の上の布を無意味に正す。わたしなんかの言葉にでも、照れてくれるんだ。ただそれだけでも、嬉しい。
そのあと美味しい料理がいっぱいきた。イカした料理がいっぱい。残さないように、朝から何も食べずに来たから、ばっちり完食した。きみはいっぱい面白い話を聞かせてくれた。
いっぱい笑った。
満たされて、幸せな時間はあっという間に過ぎて、もう私は車内だった。
「ありがとう!めっちゃ美味しかった!」
「おん、うまかったなあ。」
「また、つ、」
ぶー、ぶー、ぶー…。かばんの中でわたしの携帯が鳴る。今はすごく幸せだから、出たくない。電源を切っておけばよかった、と瞬時に思った。いいや、今からでも切ろうと思って、携帯に手をかける。
「出えへんの?」
声に振り返ってみると、真っ直ぐ前だけをみながらきみが言う。
「あいつやろ。出な、怪しまれんで。」
「ごめん、」
最上級におちたきもちで、電話に出る。聴き慣れた声が耳を通っては鼻から抜けていくのがわかった。すると、携帯電話に当てている右耳はもはや機能していないことに気が付いた。わたしは、わたしの左耳は、運転席の静かな息音だけを拾おうとしていた。
「ごめん、」
「今日、どおすんの?」
「会えないって。」
「来る?」
「いいの?」
「ええよ。」
「いく。」
気まずい雰囲気が車内を包み込もうかというときに、彼が音楽をつける。車内に静寂はなくなった。それでも、まだ、まだわたしはきみの息の音を必死に拾おうとしていて、そうこうしているうちに、やがてわたしは眠りについた。
「着いたで。」
「あ、うん。」
時間にしておよそ10分。見慣れた駐車場だった。少し効きすぎていた車内の冷房によって冷たくなった右肩を、きみが叩いたので起きた。
「あ、冷房強かった?」
「ちょっとだけ…でも大丈夫!」
「ごめんな、寒かったやろ。」
「だいじょぶ、涼しかっただけ。」
こくこくと頷きあって、エレベーターに乗り込む。いつも思うのだけれども、やはり高くて、ひゅんっとする。けれど、ここがきみの高さだからわたしは嬉しい。少しの間だけれど、右足から伝わるきみの温度に酔いしれた。
部屋に入ると、ふわん。いいにおいがした。もはやこのにおいは、わたしにとってきみのにおいになってしまった。そんな素敵ないいにおい。リビングに着て、いつものソファーに座る。
「ふう~…やっぱりいいにおい。」
「せやろ、これむっちゃええ匂いするやろ。」
「うん、落ち着く。」
「これ、飲む?」
「なに?」
「ペリエ。」
「お洒落~!飲んでもいいの?」
「おん、ええよ。」
「じゃあ飲む!」
きみは嬉しそうに、冷蔵庫からペリエを出してきて、コップに注いだ。半分くらいそのコップに注いで渡してくれた。しゅわしゅわとした透明な液体が窮屈そうにコップで暴れている。
「ん~、おいし。」
「洒落とるやろ、ペリエ。」
「うん、ペリエ。」
「ペリエ洒落とる。」
ことば遊びみたいで楽しいのか、何度も何度もペリエペリエと言った。んふ、思わず笑みがこぼれる。楽しい、そう口にしよう、素直に伝えようと思ったときだった。
きみがしんみりとした顔をこちらに向けて口を開く。
ああついにきてしまった。そう思った。今日がなんとなくぎこちなかったのも、今日がなんとなくいいにおいだったのも。きっと今にわかる。
「お前、どうしてほしいねん?」
眉毛を下げて、困ったような表情でわたしに問う。わたしはたじろいで、口ごもる。
「どうって…。」
「わかってるやん。」
「…。」
「言わなわからん?」
「ううん、」
「思ってる事言うてええ?ほんまに言うぞ。」
「うん。]
「誰のものにもならないつもりなら、俺のものになれや。」
言葉が出ない。座っていたソファーを強く握る。
ふわん、いいにおいが鼻を掠めた。握り締めていたソファーから思わず手を離す。
「え…。」
「お前あんまこれについては言及せんとってくれ。」
「え…こんな女なのに、」
「結論出てんの?」
「ごめん。」
少しからだを離される、どうしていいのかわからない。すると、きみはくるりとわたしに背をむけて、すたすたとソファーから離れる。
「まあ、せやな、ごめんな、何か俺も、これでさ、」
「ごめん、あの、もっと好きになってもいい?」
「え…、どっちやねんお前ほんま。」
ソファーあがって、返事のかわりに、後ろから強く抱きついた。尋常でないくらいに汗をかいているその背中の温かさが身にしみて、涙が出そうになる。
「ちゃんと、するから、もっと好きになってもいいですか?」
「信じてええの?」
「絶対。」
お互いに深く息をつく。ちゃんとしたゴールにたどりついた。安心感からまたすぐソファーに戻って座る。耳たぶから、足の爪の先まできみが愛しい。
妙な沈黙を破るようにして、きみが言う。
「ちゅーしたい。」
わたしは頷く。
瞬間、炭酸の抜け切ったコップの中で、少しの泡沫が底から上へとのぼってゆき、ぱちんと弾けた。こじゃれた熱帯夜に、ペリエひとつ。夜は更けていった。
_END_
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追記でコメントのお返事です。
ましょさんへ。
いつもご覧になってくださって有り難うございます。率直に答えを申しますとお教えすることは出来ません。
今回は…自力で探したのではなく、ご親切な方に教えていただいて判ったので、その情報を私達サイドから、他の方へお教えすることは出来ないのです。
ブログ内に、ロケ地に関するお問い合わせに関して言及した記事がございますので、そちらをご覧いただき、ご了承いただければ幸いでございます。
ゆぅさんへ。
こんばんワンツー!
クラブには実際には行っていませんよー!年齢的に無理なので…えへへ。
セントレアですか!いいですねー!にやにやがとまりませんね。
枝里さんへ。
おそらくですが、そうだと思われます。そうなのですね!横浜、素敵な街ですよね。
さわやかあるある良かったですよね。
あすかさんへ。
有り難うございます!
最強でした。あの空気感はもう、関ジャニ∞の中にいる夫婦にしか出せない空気感で…。
それが大好物なもんで…大変でした。
さわやかあるある面白いですよね!K太郎さんが言うver.も割と好きな私です(笑)
北側さんへ。
こんばんは!!
パンやさんですね!わたしは、行った事ないので行ってみたいです。(そうなんです、何気に行った事ないです。)
感動ですよね!初めてロケ地DIVEに行った日
が懐かしいです~…うん。
半端ない喜びですよね。
いえいえ、お力になれて嬉しいです。またいつか、違うロケ地にDIVEできるといいですね!
臨さんへ。
有り難うございます!
最強でしたよね。積極的に絡みにいくヒナちゃんと照れまくるヨコさん…。
嗚呼、らうたし。最強です。
そらさんへ。
おひさしぶりです。こんばんは!
夫婦フォーエバー!!とやはり叫びたくなる映像でした。あれは破壊力高い…!!
有り難うございます!
今日は、昨日見た夢をリメイクしてお話にした妄話を書こうと思います。思いのほか長くなってしまった…のですが、お時間ある方は是非ご覧になってみてください。コメント欄でご指摘があったのですが、実は違う掲示板に同じような妄想をこの記事を書く前に、書き込んでしまいました。混乱を招くと困るので、言っておきますが本人なので、決して盗作などではありません。混乱を招いてしまったかた、本当に申し訳ありません。
以下すべてフィクションです。
すべてに甘えていた自分がいた。ずっとずっと欲しかったものを手にいれた。とっても時間は掛かったけれど、手に入った素敵な時間。最高の状況。
ぜんぶぜんぶ揃った瞬間…。溺れてしまった。
一生懸命ゴール目指して泳いでたのに。息もずっと苦しかったのに。途中でお水をいっぱい飲み込んだのに。ゴールに着いた瞬間、生きているという実感と共に、脱力して、甘えてしまった。
ずっとゴールでまっていたのは、君だったのにね。
話がある。そう切り出されて、少しびくっとしたの。だって、いつでも君の前で私は本気だったから。
21時43分。待ち合わせよりも少し早くついた。贖罪の意識がはたらきかけたみたい。息を大きく吸い込んだら、夏のにおいと人のにおいでいっぱいで、それまではそんなことなかったのに、急に息苦しくなってきた。また、水に飛び込んでしまったのかと思ってしまうほどに。
少しして、遠くから見慣れた車が見えたので、わたしは手を上げて合図をして、人の少ないトンネルの下に移動して、車に乗り込んだ。
また息を吸い込んだ。緊張のせいかな、さっきから何度も何度も息を吸っている。あ、車のにおい。きみのにおい。心地がいい。最高に素敵だと思った。
きみが少し笑って、口を開く。
「待った?」
「んん。待ってない。」
「そう。何食べたい?」
「んー、何がいい?なんかあるなら、それに従うよ!」
いつもと同じ、いつもと同じ。いつもと同じ会話。いつもと同じ会話。いつもと同じにおい。いつもと違う空気。
少し考えた様子で、きみは答えた。
「イタリアン…でええか?」
「うん!」
「お前、あまとりちゃーなって知ってる?」
「えー、何だっけなあ…、あまとりちゃーな…聞いたことあるような?」
「無いような?」
「うん、なあに?あまとりちゃーな。」
「最近ヒナがごり推ししてるパスタの名前やねんけどな。」
「あ!パスタね!」
「むっちゃ美味しいって言うねん。」
最初にわたしの顔を見たときよりも、楽しそうな顔して話すきみの横顔に見蕩れた。街の明かりに照らされる長い睫毛が愛しい。いつからだろう、こんなに好きになったのは。
不意にその横顔が、消える。横顔はドアを開けて、外に出た。あ、お店についたんだ。わたしは気づいて一人でおかしくなって、車窓ごしに建物を見る。つたの葉が壁一面に這っている赤い屋根のお店だった。お洒落なイタリアンだった。
漆喰の壁のざらざらに手を着きながら、狭い階段を下る。先にすたすたと下りていく、素敵をわたしは必死で追いかける。薄暗い照明と、凝った内装が店内を小粋な空間へと仕立て上げている。
席につくと、ほっとしたような顔で膝にナフキンをセットし、きみが笑った。
「なに?」
「いや、久しぶりやな思て。」
「そうだっけ…あ、そっか、そうかもね。」
なんとなく、やはりいつもと違う雰囲気に戸惑って上手く会話が出来ない。出会いたての時みたいだ。そういえば、はじめて2人だけでお食事したのも、イタリアンだったなあー…。懐かしい、と思っていたら、お店の人が注文をとりにきた。
「このコースの中に、あまとりちゃーなって入ってます?」
「ええ、ございます。この今月のパスタというのがアマトリチャーナになっておりますので。」
「あ、だったらこれ2つお願いします。」
メニューを持つ手が、綺麗。骨の形がしっかりわかる。すらりとした長い指は節さえ綺麗。メニューを見る伏し目がちなお顔も綺麗。睫毛が顔に陰をつくるほどに伸びている。それから無造作に開いた口も綺麗。
きゅん、思わず心臓が浮き上がるような感覚になる。すごく、すごく、好き。
店員さんが伝票をひらひらとさせて、踵を返し厨房のほうへと向かう。それをぼんやりと眺めていたきみが、こちらに視線を向けたのでわたしは話しだす。
「イカしたお店に入って注文するときさ…」
「ん?」
「標準語になるの無意識?」
「そあー、言われて見ればせやな、無意識やなー。てかさ、思ったことゆうてええ?」
「うん。」
「イカした、って最近よう聞かんで?ふっふっふ…」
「えー?そうかなー?じゃあ最近の子はなんていうの?」
「こじゃれた。」
「えー同じだよ。ごじゃれたもイカしたもさ!」
「っふ、せやな。」
やっと、ちょっと空気がほぐれたのを感じた。でも、駄目だ、今日は、今日だけは、いや、今日も…。
「どした?」
「ん、」
「何かあるんやったら言うてみ?」
「いや、かっこいいなあって。」
「今更やろ。」
「おもったの。」
言っちゃった。照れてきみは、膝の上の布を無意味に正す。わたしなんかの言葉にでも、照れてくれるんだ。ただそれだけでも、嬉しい。
そのあと美味しい料理がいっぱいきた。イカした料理がいっぱい。残さないように、朝から何も食べずに来たから、ばっちり完食した。きみはいっぱい面白い話を聞かせてくれた。
いっぱい笑った。
満たされて、幸せな時間はあっという間に過ぎて、もう私は車内だった。
「ありがとう!めっちゃ美味しかった!」
「おん、うまかったなあ。」
「また、つ、」
ぶー、ぶー、ぶー…。かばんの中でわたしの携帯が鳴る。今はすごく幸せだから、出たくない。電源を切っておけばよかった、と瞬時に思った。いいや、今からでも切ろうと思って、携帯に手をかける。
「出えへんの?」
声に振り返ってみると、真っ直ぐ前だけをみながらきみが言う。
「あいつやろ。出な、怪しまれんで。」
「ごめん、」
最上級におちたきもちで、電話に出る。聴き慣れた声が耳を通っては鼻から抜けていくのがわかった。すると、携帯電話に当てている右耳はもはや機能していないことに気が付いた。わたしは、わたしの左耳は、運転席の静かな息音だけを拾おうとしていた。
「ごめん、」
「今日、どおすんの?」
「会えないって。」
「来る?」
「いいの?」
「ええよ。」
「いく。」
気まずい雰囲気が車内を包み込もうかというときに、彼が音楽をつける。車内に静寂はなくなった。それでも、まだ、まだわたしはきみの息の音を必死に拾おうとしていて、そうこうしているうちに、やがてわたしは眠りについた。
「着いたで。」
「あ、うん。」
時間にしておよそ10分。見慣れた駐車場だった。少し効きすぎていた車内の冷房によって冷たくなった右肩を、きみが叩いたので起きた。
「あ、冷房強かった?」
「ちょっとだけ…でも大丈夫!」
「ごめんな、寒かったやろ。」
「だいじょぶ、涼しかっただけ。」
こくこくと頷きあって、エレベーターに乗り込む。いつも思うのだけれども、やはり高くて、ひゅんっとする。けれど、ここがきみの高さだからわたしは嬉しい。少しの間だけれど、右足から伝わるきみの温度に酔いしれた。
部屋に入ると、ふわん。いいにおいがした。もはやこのにおいは、わたしにとってきみのにおいになってしまった。そんな素敵ないいにおい。リビングに着て、いつものソファーに座る。
「ふう~…やっぱりいいにおい。」
「せやろ、これむっちゃええ匂いするやろ。」
「うん、落ち着く。」
「これ、飲む?」
「なに?」
「ペリエ。」
「お洒落~!飲んでもいいの?」
「おん、ええよ。」
「じゃあ飲む!」
きみは嬉しそうに、冷蔵庫からペリエを出してきて、コップに注いだ。半分くらいそのコップに注いで渡してくれた。しゅわしゅわとした透明な液体が窮屈そうにコップで暴れている。
「ん~、おいし。」
「洒落とるやろ、ペリエ。」
「うん、ペリエ。」
「ペリエ洒落とる。」
ことば遊びみたいで楽しいのか、何度も何度もペリエペリエと言った。んふ、思わず笑みがこぼれる。楽しい、そう口にしよう、素直に伝えようと思ったときだった。
きみがしんみりとした顔をこちらに向けて口を開く。
ああついにきてしまった。そう思った。今日がなんとなくぎこちなかったのも、今日がなんとなくいいにおいだったのも。きっと今にわかる。
「お前、どうしてほしいねん?」
眉毛を下げて、困ったような表情でわたしに問う。わたしはたじろいで、口ごもる。
「どうって…。」
「わかってるやん。」
「…。」
「言わなわからん?」
「ううん、」
「思ってる事言うてええ?ほんまに言うぞ。」
「うん。]
「誰のものにもならないつもりなら、俺のものになれや。」
言葉が出ない。座っていたソファーを強く握る。
ふわん、いいにおいが鼻を掠めた。握り締めていたソファーから思わず手を離す。
「え…。」
「お前あんまこれについては言及せんとってくれ。」
「え…こんな女なのに、」
「結論出てんの?」
「ごめん。」
少しからだを離される、どうしていいのかわからない。すると、きみはくるりとわたしに背をむけて、すたすたとソファーから離れる。
「まあ、せやな、ごめんな、何か俺も、これでさ、」
「ごめん、あの、もっと好きになってもいい?」
「え…、どっちやねんお前ほんま。」
ソファーあがって、返事のかわりに、後ろから強く抱きついた。尋常でないくらいに汗をかいているその背中の温かさが身にしみて、涙が出そうになる。
「ちゃんと、するから、もっと好きになってもいいですか?」
「信じてええの?」
「絶対。」
お互いに深く息をつく。ちゃんとしたゴールにたどりついた。安心感からまたすぐソファーに戻って座る。耳たぶから、足の爪の先まできみが愛しい。
妙な沈黙を破るようにして、きみが言う。
「ちゅーしたい。」
わたしは頷く。
瞬間、炭酸の抜け切ったコップの中で、少しの泡沫が底から上へとのぼってゆき、ぱちんと弾けた。こじゃれた熱帯夜に、ペリエひとつ。夜は更けていった。
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追記でコメントのお返事です。
ましょさんへ。
いつもご覧になってくださって有り難うございます。率直に答えを申しますとお教えすることは出来ません。
今回は…自力で探したのではなく、ご親切な方に教えていただいて判ったので、その情報を私達サイドから、他の方へお教えすることは出来ないのです。
ブログ内に、ロケ地に関するお問い合わせに関して言及した記事がございますので、そちらをご覧いただき、ご了承いただければ幸いでございます。
ゆぅさんへ。
こんばんワンツー!
クラブには実際には行っていませんよー!年齢的に無理なので…えへへ。
セントレアですか!いいですねー!にやにやがとまりませんね。
枝里さんへ。
おそらくですが、そうだと思われます。そうなのですね!横浜、素敵な街ですよね。
さわやかあるある良かったですよね。
あすかさんへ。
有り難うございます!
最強でした。あの空気感はもう、関ジャニ∞の中にいる夫婦にしか出せない空気感で…。
それが大好物なもんで…大変でした。
さわやかあるある面白いですよね!K太郎さんが言うver.も割と好きな私です(笑)
北側さんへ。
こんばんは!!
パンやさんですね!わたしは、行った事ないので行ってみたいです。(そうなんです、何気に行った事ないです。)
感動ですよね!初めてロケ地DIVEに行った日
が懐かしいです~…うん。
半端ない喜びですよね。
いえいえ、お力になれて嬉しいです。またいつか、違うロケ地にDIVEできるといいですね!
臨さんへ。
有り難うございます!
最強でしたよね。積極的に絡みにいくヒナちゃんと照れまくるヨコさん…。
嗚呼、らうたし。最強です。
そらさんへ。
おひさしぶりです。こんばんは!
夫婦フォーエバー!!とやはり叫びたくなる映像でした。あれは破壊力高い…!!
有り難うございます!