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映画「スキャナー」におけるネタバレ考

2016-05-26 22:53:25 | 母の日記
みなさま、ごきげんよう。

先日、追いがつお的に「追いスキャナー」して参りました。

全てが分かってから見直しても新しい発見があり、伏線となる台詞やら何やらに気付けて、一度目とは違う楽しみ方が出来ました。

まだの方は是非とも劇場へ、そして二度目、三度目以上の方も、劇場へGO



続きはネタバレを含みますので、まだの方はご覧になりませんように。










今回の映画は試写会にも初日舞台挨拶にも行けませんでした。

そもそも映画なので、物語がミステリーであろうとラブストーリーであろうとコメディであろうとネタバレはしたくなかったのです。

単行本の表紙に結末が書いてあったらイヤじゃない!?(笑)

ヲタクとしては同じように使ってしまいがちですが、ライブのネタバレと映画や舞台のネタバレは意味合いが異なると感じました。




映画「スキャナー」はミステリーということなので、絶対にネタバレ回避しなければと思っていました。

氾濫するSNSでの感想も出来るだけ見ない様にしていたのに、とある媒体をうっかり見てしまう事になりました。

映画全体の評価が気になったので見たのですが、そこには驚くべき言葉が並んでいたのです。


安田:変態の役なのでスネ毛を剃っていました。


見てはいけない物を見てしまったと後悔し、落ち込みました。

ネタバレ回避を心に誓っていたのに、まさかの展開でした。

公に発売される媒体で「変態役」などど書いたら、それは他ならぬネタバレですよね。

だって佐々部はエリート刑事っていう触れ込みだったんだもの。

エリート刑事役の章大君の口から変態役と聞いたら、「え!?もしかして?」と物語の展開の一部が見えたように感じました。

そこを書いたらネタバレになると記者は思わなかったのかな。だとしたら想像力の乏しい記者なんだろうな~と思うと同時に、過去にこのブログで同じような事をしてしまった事はないだろうか?もし、そうだとしたら申し訳無い事をしたと深く反省もしました。


記者が書いた一文を見てしまったので、この時点で犯人の予想は出来てしまうのでした。

そこで、ふと気づきました。

試写会の感想を薄目で見ていたら、みなさん「ネタバレ無しで」と書いていました。どの人もどの人もどの人もどの人も必ずネタバレ無しで、と呪文のように書かれていました。

映画を見た方がこれだけ「ネタバレ」に拘るのはスキャナーがミステリーだからではなく、犯人が他ならぬ章大くんだからだったんだな、と。

映画のフライヤーなどで3番目に「安田章大」と名前があるのも合点が行きました。いわゆるジャニーズ枠ではなくて、物語の要の犯人役だから3番目なのだと。


映画を見る前に、そこまでスキャングしてしまった訳ですが、もう一つ気づいた事がありました。それは「ネタバレ」という単語は散見するのに、気になるあの単語を見る事はありませんでした。


「続編」


最初に映画「スキャナー」の配役を知った時、ダブル主演のお二人と刑事役の章大くんならば、次々と事件を解決して続編も出来るんじゃないかと、始まる前から期待していたのです。

ところが、誰一人として続編希望とか言ってないわけ。そりゃあそうですよね、章大君は犯人役で死んでしまうんだもの。


エイトレンジャーも、ばしゃ馬さんとビッグマウスも、見終わってすぐに続編が見たい!と思って来ましたから、スキャナーの感想の中に「続編」という単語が無い事に対しての違和感が、ネタバレによって解消されたのです。



そんなこんなで公開翌日に慌てて見にいったのですが、ネタバレをスキャニングしたとはいえ、衝撃的な展開には本当に驚かされました。

俳優としての演技の幅が大きく広がって、今後の活動にますます期待が高まりました。

個人的には、今回の様な猟奇的な役を演じて欲しいと思って来たので、大満足でした。

一つ気になったのは、以前のインタビューで自分が経験していない事は演じられないと答えていたはずの章大君。カゴツルベの時も役柄が自分の方へ寄って来なくて悩んだと。

その頃から私は、自分が経験していなくても演じる事が出来ないと演じる役が決まってしまうし、演技の幅を狭めてしまうんじゃないかな、と思っていました。だからこそ、実際には経験しえない、想像の範囲を超えている役柄に挑戦して欲しかったのです。

カゴツルベも、そういう意味では難しい役どころで消化するのが大変で、だからこそ、その生みの苦しみと次郎左衛門の苦悩とがオーバーラップして、私の心を鷲掴みしたんだろうと。

少し前に章大君がレンジャーでカゴツルベの頃の話を書いてくれました。カゴツルベの終演後からの、私達のカゴツルベに対する熱量と章大くんの熱量に違いがあるのかな?と感じ少し寂しかった事もありました。

今回は理由は違えど人を殺めるという共通項があり、スキャナーの経験を通してカゴツルベの時に章大くん自身が得られなかった自信や達成感、満足感が得られたのかもしれないな、と思うのです。


スキャナーの演技を経験した後でのフラジャイルだったのかな。フラジャイルの演技も素晴らしかったから。自転車少年記の頃は、少し照れくさいようにも思えた演技も、いまでは身動きできない程に見る人を惹きつける、そしてこれからが楽しみな俳優さんになったんだな~と、嬉しくて仕方がありません。

もちろん、歌もギターもダンスも曲作りもMCも才能あふれる章大くんだけれど、演技という強めの武器をも持ち合わせてしまって、これからも章大君が頑張る姿を見続けて行くことが出来たら幸せだなと思っています。


映画の中で「才能は自分の為じゃなくて人の為にあるの」という雪江さんの台詞がありました。

その台詞を聞いた時、映画を見ながら章大君の事が思い浮かびました。

雑誌のインタビューでも章大くんがその台詞に触れていて、ちゃんと自覚しているんだなと嬉しくなりました。




スキャナーの続編に章大君が出演するのは難しそうですが、これからも沢山の作品と出会って、その姿を見せて欲しいです。