それはまだ、横山さんの主演舞台の当落が出る前の事。私は学生時代の友人に誘われて六本木で開催されていた「新北斎展」へ行って来ました。
この北斎展で舞台の予習をしておこう!と当選する前から意気込んでいました。
私が足を運んだ時期は評判が評判を呼び、長い待ち時間を経ての入場となっていました。
北斎に関しては永谷園のお茶漬けの中に入っていた小さなカードのような物で見た富士山と波の絵、その程度のお粗末な知識しか持っておりませんでした。
場内を埋め尽くした人々からは感嘆の息が漏れていました。
とにかく作品の持つ「熱」と「圧」がすごくて、知識ゼロの私もどんどんとその世界に引き込まれていました。
ふっと我に返った時に、とてもワクワクしていました。
こんなにもスゴイ作品を残した北斎を横山さんが演じるなんて、超たのしみ( *´艸`)
あ、でも、期待がこれだけ高まっているのに落選したらどうしましょう・・・。と幾分の不安を抱えておりましたが、松竹座でのソロコン以来活躍して来た娘の横山さん名義が今回も安定の力を発揮し、私は娘と共にグローブ座への切符を手にしたのでした。(ちなみに娘の横山さん名義はジレッタの時だけはダメでしたね。)
冒頭の写真は風月堂さんで買った北斎バージョンのゴーフレットです。我が家はみんなゴーフレットが大好きです。
OPで北斎の作品がアニメーションになってステージに映るのはとても良かったな~。物語に対する期待が高まった所で始まる本編に鳥肌が立ちました。
所々にチラっと見える「横山裕」を感じながらも「北齋漫畫」の世界に浸ってしまいました。
完全に役にハマリ切るというのも一つの形だと思うのですが、チラっとご本人が見えるのは、それはそれで素敵な事だと私は思います。
だってさ、北斎さんよりも横山さんの事を何倍も知ってるし見てきたしね。
北斎が自在に筆を操ったように、横山さんは膨大な言葉をよどみなく滑らかに表現していました。前半の血気盛んな北斎は力強く生きており、それを演じる横山さんは非常にかっこよかったです。
共演者の方々も素晴らしかったです。
今でいう所の魔性の女、お直を演じた佐藤さん。着物姿でもスタイリッシュな体系に惹かれます。そして可愛くて色っぽい。声の出し方も息の抜き方も魔性でしたね。
男子はお直に間違いなくイチコロですよ。
ちょっとだけ個人的にクスっとしてしまった場面がありました。それは後半で北斎が蛸とお直の作品に取り組んでいた場面でのこと。
障子越しにお直のシルエットが映るのですが、片手にタコを持ち腕やら肩やらにタコを這わせているんです。シルエットだからいいのですが、実際に見たらちょっと笑ってしまったかもしれない、なんて思いました。
佐七を演じた木村了さん!
顔が小さくてものごっつイケメンでした。そして演技も上手い!若い頃から年齢を重ねた姿の演じ分けが非常に緻密で声色も変えていていました。
お栄の堺小春さんも良かったです。少女の天真爛漫な雰囲気も老人になってからの仕草もお見事でございました。
私達が観劇した回にはお母様の岡田さんもいらしていて、とても美しかったですよ。
お百の枝元さんは、体形は親近感を覚えましたが流石は女優さん。お肌が瑞々しくて綺麗でした。
伍助の吉田さん!白いふんどし姿が印象的でしたけど、この後で北斎さんのふんどし姿も来る?!来るの!?と要らぬ期待をしてしまった事をここでお詫び申し上げます。
そして、流石の渡辺いっけいさん。
真に迫った表情からコミカルな所まで存分に楽しませて頂きました。
登場人物は7人しかいないけれど、層の厚い見応えたっぷりの舞台でございました。
この舞台で北斎を演じた事は横山さんにとっては大きな自信になるのではないかと感じています。
唐辛子売りの時は本当に本当に可愛くて、唐辛子の抱き枕とかグッズであったら買っていましたね、確実に(´ω`*)
後半の年老いた北斎を演じる横山さん。鬼気迫る物を感じました。
齢を重ねてもなお湧き上がる創作欲、それを自分で持て余してしまう葛藤が伝わって来ました。
「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」
舞台の台詞にもなっていましたが、私が観劇した時にはジャニーさんは病床で闘っていた時期でもあったので、その姿にほんの少しジャニーさんを重ねて見ている自分がいました。
「ひと魂でゆく気散じや夏の原」
この辞世の句を台詞として言った時のおばけの手をした北斎さんとてもチャーミングでしたね。
ジャニーさんもこれからはひと魂になってジャニーズの舞台をのんびり見に行ってくれたらいいな。ジャニーさん、今週末は札幌ドームですよ!
前半は若くて勢いのある北斎、後半は老齢のいぶし銀の北斎を演じた横山さん。
カーテンコールはおじいちゃん北斎で登場するのか~と思っていたのですが、ですが、ですが、メイクを落として「横山裕」で登場されたのです。
ひいいいいいいいい、白くて美しいいいいいい。
ねえねえ、メイクを落としてカツラも外してってことはノーメイクでしょ!ノーメイクなんでしょ!?
美しすぎるではないか、すっぴんの横山さん。
いやね、前半からね気にはなっていたんですよ。着物の合わせからのぞく首元の白さや袴の裾からチラ見えする足首から下の白さ。
これからは白くて美しい物は「横山さんみたい」って表現でいいと思うくらいです。
横山さんが真珠のように美しいのではなく、
真珠が横山さん並みに美しいのです!
白ユリも新雪も秋空の雲もべったら漬けも、みんな横山さんみたいですね!
ここで一つ感動した事がありました。
今回私が観劇したのは舞台も折り返しを過ぎてからです。それでもツイッターでおもむろにネタバレをするフォロワーさんは1人もいらっしゃいませんでした。すごくない!?誰もしなかったんですよ!私は注意して薄めて見ていたのに。私のフォロワーさんの横山担の方々が大好きになりました。
それからグローブ座のお客さんの色合いが非常に落ち着いていましたね。これまで気にしていませんでしたが、娘の指摘により、そういえばそうね!と納得するのでした。
実は娘と一緒に現場に赴いたのも数年ぶりの事でした。
仕事も忙しいし、もう彼女はお茶の間ファンかしら?とも思っていた所でしたので、もう一緒に行くことは無いかなって、そんな時に舞い込んだ横山さんの舞台。
帰りに食べた野菜ビビンバがとても美味しかったです。
THE MUSIC DAYの感想も出来たら書きたいんですけど、いつになることやら。
それでは、ごきげんよう。