DEEP SEAα

ココロの軌跡

衆生無辺誓願度

2009-01-07 | 日々の海


屋敷中の正月飾りを外し 七草粥を頂く
今日はもう 正月七日
あっという間だった





・・・・・・・・・・・・・・・




八年前の今日
訃報のTelが入ったのは
お神酒を持参しての初釣りをしに海へ行った
大雪の降る帰り道でのことだった





其の御方に私は
産まれおちた時から 孫娘のように可愛がってもらっていた




「癌の神様」と称された 吉田富三先生の下で研究生活を送った経歴もある方であったから
地元での医療活動に対しても尽力され
休日当番医制度や 救急医療
特に 県境を越えての救急車の搬入や
高度救命センターの設立を全国に先駆けて行うなど
地域医療に貢献をされたドクターだった




先生はある患者様に言われた言葉を
常日頃からよくお話されていた


「 私は あなたのもとで死にたい だから何処にもやらないで(転院させないで)ください」



先生は この言葉を 一生の宝にしたいと
ご自身の著書の中でもあらためて触れられている



貧しくて病院へ通うことの出来ない方の処へも
「 支払いは いつでもいいですよ」
と 無償で往診をしていたこともあった先生



それは若くして 瑞巖寺 西光寺で学んだ先生らしいお姿だった


軍医時代に幾度も人の死に立会い
生き死は全く紙一重の運に左右されるものだという体験が
仏教に大きな関心を持つきっかけになったのだという



そして生涯
薬師経の十二大願の研究も続けておられ

「 ヒポクラテスの徒ではなく 薬師如来の弟子である 」

ご自身をそう称し


「[衆生無辺誓願度]を 足元の灯として 医師としての道を歩み続けただけ」



最期まで そう仰っていた





私は今でも
先生とのご縁を得 寵愛を受けたことを誇りに想う


医学 そして仏教を学ばせていただく きっかけを与えてくださった
恩人でもあるから





彼岸に居られる先生は
今のこの 医療界の現実や 杜撰とも取れる国の政策の有様を
どんなお気持ちで眺めておられるだろうかと
想いを巡らせる事が多くなった





今日の命日に
只ひたすらに 病める者たちの為にと活きた 先生の偉業を想い返し
誰もが平等に 充分な医療が受けられる世になることを祈りたい

そしてその 薬師如来の如き 温かなお顔と御手の先生を 
偲びたいと想う
























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