パンと雑貨と音楽と

かつて須坂市役所の隣にあったパン屋「こるぷ」のオーナーねぼすけパン屋のブログ再開いたします。

続・363日

2012年10月22日 | 日記
「実は去年、旅館にパンを届けてもらった者なんですが、その時代金をお支払いしないままだったので」
一瞬で記憶が甦って
「あ~!覚えてますよ!」

一度メールをくれたそうだが当時使用していた携帯電話がなかなかの厄介者で(それは現在使用しているスマートフォンも同じ)どうやら届かずじまいだったらしい。
今年も須坂を訪れ、同じ旅館に宿泊とのこと。
当店に立ち寄ってくれたのは去年の事を気にしていてくれたから、そして当店のクルミパンを「また食べたい」と思っていてくれたから。
さすがに去年の代金を受け取る気もなかったが、クルミパンのお礼に落花生を頂いた。
「落花生」は僕が育った千葉県の名産品。
そう、お二人は千葉県から信州へ遊びに来てくれた。しかも、わざわざ当店に立ち寄るという旅程も含めて!
千葉県の方なら話が弾む。
実は僕も昔、千葉に住んでいたことがあったことを告げる。

お客様「千葉のどこ?」
僕「松戸市です」
お客様「松戸のどこ?」
僕「北小金です」
お客様「柏に住んでいるんだけど...、」
いゃ~、超ローカルなトークになってしまい、北小金の駅から程近い、紫陽花寺として有名な「本土時(確かこんな字だったような(^_^;))」の話まで飛び出した。
更に聞けば、ご主人の経営する会社は松戸市にあり、僕の母が現在住んでいる町もよくご存知だとか...


翌日のパンを御予約いただきお二人を見送る。


土曜の朝、お母さんを連れ三人でご来店され、今回は焼きたて熱々のクルミパンをお渡しすることが出来た。

「次ぎに来るのは一年後です!」
嬉しそうに店を出て行く三人を
「はい!お待ちしてます!」
笑顔で見送り、深々とお辞儀をした。
一年前の10月23日、顔を合わせることなくパンを届けたお客様に363日の時間を経て会うことが出来た。


長野に来て20年、故郷を思い出せども帰りたいと思った事は殆ど無い。でも、懐かしむ事はよくある。
一年前の10月19日、ラジオに出演した時に小山卓治の「はるかな故郷」をオンエアしてもらった、久しぶりにその時の同録のCD が聴きたくなった。
ひょっとしたら、この御夫妻とのおよそ一年越しの出会いはラジオに出演した日から今日という日まで既に約束されていたのかも知れない。

来年も再来年も待ってます!

小山卓治:はるかな故郷
https://www.youtube.com/watch?v=WwsdW2AqBXw&feature=youtube_gdata_player