Penny Lane Music

福岡市中央区赤坂
ピアノ・ボーカル・ギターなど大人のためのポピュラー音楽教室

オバケ騒動

2008-02-22 19:38:55 | 糸島
 ピアノの先生は、色が白くてぽっちゃりとても大きくて、それだけでも
小さな私たちにとって安心できる存在でした。ピアノを弾くことだけでなく
練習のマナーなども教えてくれました。オバケ騒動はそんなピアノのマナーを
チビだった私たちに教えてくれた先生のたのしいお話からはじまりました。

 ある日の教室、先生とまゆちゃんとわたし。
  先生「ピアノを弾くとね、オバケが外で聞きようとよ、
     夜は弾いたらいかんよ、恐いよぉ、でてくるけんね、
     だからね、明るいうちに練習せないかんとよ」
 
 先生のことばに極めてこどもらしく恐れをなしたのは、想像力豊かな
まゆちゃんでした。恐ろしさのあまり我を忘れたまゆちゃんは小さな両手で
ぎゅっと耳をふさいで、さらに聞こえないように甲高い大きな声で、突然、
歌いだしました。しかもオリジナル、こどもがよくやります、即興で・・・
なにやらわけのわからない歌を歌いだすという・・・。
意表をつかれた先生と私は一瞬の間をおいて大爆笑!思わずその突拍子もない
行動に出たまゆちゃんは、そのあと平静を取り戻して、顔をまっかにしてね、
かわいかったなぁ。ご本人にとっては忘れられない恥ずかしい思い出・・・
らしいのですけど。

 教室はどこかの空き家らしきものを先生が借りてなさっていました。
田舎の住宅地、暗くて恐い・・・。帰りはまゆちゃんのお母さんか、
うちの母が迎えに来ていたと思います。携帯などもちろんなくて教室の近所の
電話ボックスから「終わったー」なんて電話していましたが、その辺りも
とても恐いのです。そんな背景もあって、まゆちゃんの頭の中にはきっと
オバケがたくさん押し寄せていたに違いありません。
 
 まゆちゃんとのお付き合いは中学校三年間まで続きます。毎朝学校へ、
それと週一度のピアノと習字、わたしがまゆちゃんちへ行って一緒に行く。
幼稚園のときにおとなりの席になったことと家が近かったこと、それが
まゆちゃんと私をつなぐきっかけでした。こどものころはまゆちゃんの
本質などわかるわけもなく、ただこども特有の鼻でかぎわけて、このひとは
一緒にいて気持ちがいいと、漠然と思っていたようです。学校では同じ
クラスということもほとんどありません。別々の高校に行ってからは
会うこともなくなりました。彼女の結婚式と、そのあとお嬢ちゃんが
生まれて会いに行きました。それからゆっくり時間を過ごすことはなく・・・。
 
 それがなんとつい先日久しぶりに食事をしました。何年ぶりかって・・・
彼女のお嬢ちゃんはこの春大学生。そんな年月を諸共せず、それは大変な
盛り上がりでした。

 まゆちゃんはとてもやさしいひとです。おとなになった今ようやく、
どうしてあの人見知りのひどかった私が彼女となら何でも何処でも平気
だったのかがよくわかりました。こんなにやさしいひとだったのだと、
久しぶりに会ってとてもとても感じました。例えばやりとりするメールの
ほんのひとことに、とてもていねいなやさしさがこめられていて、毎回
こちらがやさしい気持ちになります。本当に本当にうれしい再会でした。
 
 オバケ騒動は彼女が昨日のブログを読んで話してくれたこと。すぐに
思い出しました、その日の光景、耳をふさいだかわいいまゆちゃんも。

 こどものころの友人って宝物以上です。またおつきあいがはじまりました。
今年に入って間もなくのうれしいうれしい出来事でした。

 長い長い文章になってしまいました。おまけにただの個人的な思い出・・・。
読んでくださってありがとうございました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ぴあの、ならいたい | トップ | PennyLane文庫 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

糸島」カテゴリの最新記事