10万光年+α

子供の頃からの夢を叶えるべく始めた天体観測・・・

有人火星探査

2010-04-16 12:06:27 | その他
今年はとんと、天候不順で日照不足です。桜も散ったこの時期にみぞれが降っています。今週も来週も雨です。まったく観測ができません。

なので、宇宙科学のニュースから・・・・

オバマ大統領が「2030年までに人類を火星に送る事ができると信じている」と表明したそうです。

しかし、ブッシュ前大統領の「2020年までに有人月探査を再開する」という計画を白紙に戻したばかりなのに、なぜ今このようなコメントを出したのでしょうか。(あいまいな表現ですが)

たぶん、日本と同じように、宇宙科学の分野の多くを切り捨てていたら、アメリカの国力としての技術力が衰える、という懸念が出てきたからではないでしょうか。他にも宇宙分野で仕事をしている人の雇用確保という意味合いもあるようです。

しかし、何かの計画を立てた、という感じではないので、今後どのように変化するかわかりませんね。

さらに、有人火星探査はそれに向けた技術開発をすれば良いかと言えば、そうでもなく、いつに焦点を当てて探査を開始するか、というタイミングの問題もあります。

火星は当然ながら太陽の周りを公転していますので、地球に接近するのはほぼ2年に1度です。さらに楕円形に公転をしているので、年によって、大接近したり、小接近だったりします。

大接近と小接近とでは、地球>火星の距離が2倍ほども違いますから、予算や探査期間も違ってきます。飛行時間が長いと、接近している間に地球に戻る事が難しくなるかも知れません。

なので、行くとしたら、大接近に狙いを定める必要があるでしょう。
しかし、2030年までの20年間で大接近は、2020年10月だけです。
(2022年も大接近ですが、2010年よりは遠くなります)

さらに、その後2030年まではどんどん遠ざかっていき、2029年は一番遠い小接近になります。今回のコメントはそこまで考えたコメントなのでしょうか。

チャンスは2020年という事になりますが、あと10年ではちょっと準備期間が足らないような気がします。

以下、ステラナビゲーターでシュミレーションした火星の接近パターンです。

2012/3月 小接近
2014/4月 小接近
2016/5月 中接近
2018/7月 中接近
2020/10月 大接近
2022/11月 大接近
2025/1月 中接近
2027/2月 小接近
2029/3月 小接近

宇宙の膨張

2010-04-11 22:57:24 | その他
今日のNHKスペシャルで「ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の始まりに挑む」という番組をやっていました。僕がNHK視聴料を払っているのは、大河ドラマと、このような興味深い特集を見るためなので、もっとこの手の番組をやってほしいものです。

ところで、番組のテーマですが、新しくなったハッブル宇宙望遠鏡で、宇宙の始まりを観測しようというものでした。

宇宙の膨張速度から割り出した、光のドップラー効果(赤方偏移)を元に、宇宙の誕生は137億年前、というのが今の定説となっています。新しい望遠鏡では131億光年先の天体を観測できた、という事で、誕生直後の宇宙の様子を見る手がかりになるそうです。

しかし、番組では宇宙の大きさや膨張する宇宙モデルを非常に単純化して表現していたので、解りやすかったとは思いますが、実際はそれほど単純ではないんですねこれが・・・
水の波紋が広がる姿を上から見るような感じで、宇宙の膨張は見られないのです。

まず、137億年前に宇宙が誕生した事になっていますが、宇宙は猛スピードで膨張しているので、137億年前は宇宙の果てはもっともっと近かったはずです。(果てという概念はちょっと間違いですが)

実際137億光年という距離が137億年前(ビッグバン直後)にはどのぐらいの距離だったかと言うと、僅か4200万光年だったそうです。つまり、宇宙誕生直後に地球があった仮定して、そこから4200万光年の距離にあった天体の光が、137億年かけてやっと今届いた、という事になります。

随分光のスピードが遅くなったんだな、と勘違いしてしまいそうです。
なぜなら、光速度不変の法則というのがあるからです。
(光源がいくら高速で動いていても、光のスピードは変わらない)

宇宙の膨張速度は137億光年という距離で光速に達するらしいのです。
なので、遠くの星ほど遠さかるスピード早く、光が地球に届くのに時間がかかります。

一見、普通の事のように感じますが、光の秒速30万キロメートルという速度は、どの天体から見ても変わる事はありません。(もちろん地球から見ても)
なのに、到着時間が遅くなるとは・・・パラドックスですか?

実は、膨張しているのが、物質間だけでなく、空間自体が膨張しているため、このような結果に見えるらしいのです。実際は光速度は変化していないらしいのですが、難しくてその理論は理解できません。



夜空を見上げて、一様に輝いて見える星々ですが、すべて違う時代の光を我々は見ています。そして、宇宙は高速で膨張しているので、さらに複雑な時間軸を想定しながら宇宙の広がりを感じる必要があります。なんだか頭がこんがらがってきますね。


宇宙の膨張を考えだすと、まだまだ謎に感じる事が多々あります。

1)137億光年先で膨張速度が光速に近づくと、相対性理論ではその物体(天体)の時間が遅くなり、スピードが遅くなり、質量が無限になり、物質の長さは極限まで短くなるはずなので、さらに複雑な時間軸を考えなければならないのではないか? 

2)光速に近づけば近づくほど物質のスピードは遅くなり、光速度では止まって見えるはずなのに、137億光年近く離れた天体が、そうはなっていないのはなぜか?

3)空間自体が膨張している、という事は、我々を構成している原子や素粒子そのものも大きくなり、人間の体や、地球自体も大きくなっていくのではないか? 
(物理現象そのものが膨張時空の中にあるのだから・・・)
そうすると、我々も宇宙の膨張と一緒に膨張するのだから、宇宙の膨張そのものは認識できないはずではないか・・・?

などなど、考えると寝られなくなりそうです。