木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

追伸

2012-08-25 23:30:21 | 
僕は夜寝る前に少しだけ本を読む・・ようにしている
できないときもある (数独はする)
数独の時はもうしないんだが読書タイム
この時間の読書だけ眼鏡をかける
新聞もパソコンも仕事も裸眼のまましてるけど就寝前の15分程だけは・・

「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。
中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。
僕は彼女を死から離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだがーーー。
重松清の「卒業」の裏表紙が気になった
と書いたその本を買ったのが2か月前
いつも立ち寄るブロガーさんの「読んだ本」の中に発見してちょっぴり反省

「卒業」に関する4つのお話があった
そそられた裏表紙のお話も悪くなかったけれど
最後の話「追伸」
いつもは1章読むと達成感に数独へと心を動かすのだけれど昨夜は止まらなかった

母親のお話
主人公の敬一は幼い時に母親を喪う
病院で日一日と命の灯火が小さくなってゆくのを実感する母親は自分の一番愛する敬一にノートを使って話しかける
しっかりしていた文字がだんだんと頼りない物になってゆくけれど
そうなればなるほど彼女の思いはノートに深く深く刻まれていった・・・
そのことを敬一は知らずにいた

それを知ったのは数年後父親がハルさんという女性を連れてくる直前だった
慕っていた母親の死その母親の自分への限りない愛情を知る
その喜びがあったからこそハルさんの出現がショックとなる
すぐにそのノートは父親に取り上げられた
時期が来たら渡す 。。ということで

案の定母親の存在が疎ましく、素直に「おかあさん」と呼べなかった
父親はある日敬一を釣りに誘った
その折「おかあさん」と呼んでやってくれないか
そうしてくれたならこれをお前に渡す といって例のノートを差し出した
一晩だけ手元に置いた敬一だったが結局それを父親に返した







敬一は東京へ出て作家になった
母のことを書く
母は自分を生んだ母だ
あたかも今その故郷で息をしているように母を書く

それを見つめる目がある
育ての母ハルの目
その目は寂しさに潤っていた
それを敬一の異母兄弟の優しい弟健太が思う
もう何年も里帰りしてない敬一に会いに来て
「正月に帰って来て母親に顔を見せてやってくれないか」と
父は他界してる

そんなことくらいで揺らぐ敬一の心ではなかったはず
でも仕事で母を思う気持ちと妻和美の献身的な言葉に敬一だけじゃなくて僕たちも帰ってみようかと思わされた


いつもしないことをしながら読んでいた
それは音楽を聞きながらだ
直接関係ない歌詞なのにメロディーが読んでる風景に溶け込んできた

ハルは彼女なりに苦しんだ
敬一には想像することもなかったけれど・・・

愛してた~ナオト・インティライミ~



僕は 君を愛してた 愛してたんだ 深く深く
   君をずっと 愛してた 君を愛してたんだね 消えないこの思い 


凸レンズの下の瞳が洪水を起こして耳の中に落ち込んだ・・・




人には必ず愛がある
それを見つけられるか否かでその人の人生も変わる
明日に悲観することなきよう
もう一度それを探して欲しい
 前記事の最初のコメントしてくれた方へ



コメント (2)
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