木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

日航機墜落の

2015-08-10 23:14:17 | 
仕事が終わるころスマホの産経ニュースが
「月刊「文藝春秋」が100万部発行 歴代2位」というニュースを伝えてきた
金曜日の夜 コンビニに寄って帰ってきた息子が
「これ、店の目立つところに立てかけてあって思わず買ってきちゃった」
と手渡されたのがその「文藝春秋」だった

ベストセラーになる本はいずれ値崩れして古本屋の100円コーナーに並ぶ
ちょっと気の長い話だが僕はそんなころ読んでみたいと思っていた「火花」
先に読んでもいいそうだから そのうち読むつもりだが
その前に一つ気になる手記があった

それはあの8月12日に起きた「日航機墜落事故」の奇跡の生還者川上慶子さんのお兄さんの手記だった
あの凄惨な事故現場からの中継時 奇跡の生還者として助けられる瞬間の映像は今も脳裏に刻まれている
かわいい少女だった慶子さんのその後、マスコミに追い回された過去などを綴ったこの記事によって
彼女にはお兄さんがいたことを知った
お父さんお母さん そしてこの手記のお兄さんがいて 慶子さんと妹
5人家族の4人が北海道旅行をして島根の自宅へ帰る途中にこの事故に遭われた
そして3人が帰らぬ人になった

男の子というのはいつか家族と離れた一時を持ちたいものだ
僕もそういう経験がある
父母妹弟その4人で大阪万博に行った
僕だけは行きたくなくて留守番をしていた
帰りが遅くなってすごく心配をしてた
僕だけが残るってないよな そんなことまで考えてしまった時
あまりに元気な声で帰ってきたみんなを素直に受け入れられなかったことまで覚えている

このお兄さんは千春さんという
中学二年生だった千春さんは僕と同じようなことをしていた
家族4人で旅行に行って自分だけ残った・・・


彼には祖母がいた
その祖母と二人で事故を聞く
そしてすぐ下の妹の慶子さんの奇跡の無事を知った

彼の人生もまた壮絶な青春を歩くことになる
順風満帆に進学も進まなかったようだ
そのたくさんの理由の一つに、もし自分があの旅行に行ったら家族はこんな目に遭わなかったんじゃないかと・・


その日川上一家はその飛行機に乗る予定ではなかったのだ
しかし空港で4席突然空席になったことを知った
少しでも早く家を帰ろうと思ったに違いない
その4席は川上一家で満たされた
もし、もし自分がその旅行に参加していたら、少しでも早く帰ろうと思わなかったかもしれない
いや、そもそも4席だけ空いた席に5人は座れなかったから絶対にあの飛行機には乗らなかったに違いない
千春さんの気持ちを思うと胸が締め付けられる

そんな話をあるところでした
その人が言う
「私がお店で働いていた時、お客さんが 『私の知ってる家族なんだけど、奥さんがいろんなものが見える人で
 空港で食事をしてる時にどうしてもゆっくりとしか進めることが出来なかった
 もう搭乗受付が始まろうとしてるのに進まない・・
 どうしてもこの飛行機には乗りたくないから止めよう と家族を説得して結局搭乗しなかったの あの飛行機に』
 そんな話を聞いたことがある 
 その奥さんの家族、4人家族だったんだよ」

その人が乗らなくて川上一家が乗ったのかどうかはわからないけど
4席キャンセルがあってその4席が川上家で埋まったことは事実なのだ

無数の人生が複雑に絡み合い、幸と不幸を紡ぎ合う
千春さんと慶子さんの幸せを願わずに居れなかった

コメント (4)
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