四日目 午後 実技その2 (海洋実習・ボートダイビング)
二時間半の水面休息時間。
あらたなるポイントはチービシ、クエフ北。
シッティングバックロールエントリー(ブルワークに腰掛け後方に倒れるようにして背中から水中に入る方法)で再び水中へ。
潜行。やはり耳抜きが芳しくない。
水中移動。フィンキック。ベルトの脱着。BCの脱着。マスククリアー。充分及第点に達しているはずだ。
※BC の脱着はその後、NAUIのオープンウォーター講習からも無くなった。他の団体ではそれ以前から無かったようである。
肺活量が人並み以上の所為かエアの消費量が甚だしい。残圧が30を割った。KOにゲージを見せる。
『先に浮上しろ』と親指を挙げた。
※十六歳の時の測定結果は5000cc以上。十六歳男子の ・・・平均・多い・かなり多い の、その上。表のランクに記載は無かった。
二人を残して先にエキジット。ボートのスターンにたどり着いた。
先客(他店のファンダイバー。小柄な女の子。だが、顔を視ると女の子と言うには?。年の頃は三十路一歩前くらいか)が奮闘している。
片手はボートの梯子。もう一方の手だけではフィンが外せないようだ。手伝った。
器材を片付けてロングピースに火を点けた。先ほどの女の子?が会釈をしながら近寄って来た。
「先ほどはありがとうございます。・・・・・・講習なんですか?」
「そうですよ」
「とてもそうは見えません」
「ウェットスーツに年季が入ってるからね」
「そうじゃなくて、船の上でも一番落ち着いてますし」
「慣れてますから」
「船、持っているんですか?」
「帆を張るやつですけどね」
「免許も?」
「一応、一級を」
「じゃあ、Cカードを取ったらヨットでダイビングに行けるんですね。いいなぁ」
「あなたは・・・オープンウォーター?」
「アドバンスを取りに来たんですけれど」
「講習生に手伝われるようでは危ないんじゃないの」
「私もオープンウォーターの人を手伝った事がありますよ」
「それは、当たり前のことでは」
KOとJ子が浮上してきた。
実技講習修了。
ボートは那覇へと向かった。
往路より波が高くなっていた。
時々スプラッシュ。
ダイビングサービスに帰って来た。
着替えを済ませて一息つけると筆記試験。
英文の問題を邦訳した物だそうだ。
所々言い回しの首を傾げるようなところがあった。
設問の意味を取り違え三問ミス。
「この表現ですと・・・こういう意味になりますよね。設問に問題があるかと」
KOが困ったような顔をした。
追及はしなかった。
J子も合格だった。
・・・・・・
KOに誘われて居酒屋へ。
店には船に居たメンバーの半数ぐらいが集まっていた。
酒宴が始まった。
喧噪の中、私は烏龍茶で肴を突いていた。
アドバンスの女の子が写真を出した。
レンズ付きフィルムで撮った水中写真だ。
ピントがあまい。露光も適当ではない。・・・『この程度か』
眉の濃い、いかにもシマンチューらしき二十四、五の男が仲間入り。
同ショップのスタッフの一人で主にファンダイブのガイドが役割らしい。
KOと小声で囁き合っている。KOが男を紹介したKAZUと名乗った。
「エッー!。講習生なの・・・よそのインストラクターかと思った」と驚きの声をあげた。
船長(シマと呼ばれているらしい)が寄って来た。彼もインストラクターだった。
KOと二人の承認によりカードを発行するシステムのようだ。
(後で考えるといくつかの団体のイントラが在籍していて希望するカードを発行しているようだ)
「よそで潜って死んだら必ず誰が何処でCカードを発行したのか問題になる。だからこのままではやれない」
私をチラ見しながらJ子に向かって何度も繰り返し言った。だいぶ酒が入っているようだった。
私はそれまで沈黙を守っていた。そして・・・。
「当然でしょう。私が貴方の立場でも発行は見合わせるでしょう」と言った。
「明日、補修をすることになっていますから」とシマ。
『オプションで補修に付き合うかな。どうせ暇だし』
シマの言わんとすることは理解できるがどうも保身のためとしか聞こえない。
こんな場合、私ならどのように語るか考えてみた。
「貴方を殺したくない。だから今の段階ではCカードの発行は出来ない」だろうか?。
※生命に関わる資格等に、お情け合格は絶対にしてはならない。と思ってます。
夜。悪寒が襲ってきた。どうやら風邪を引いたようだ。ホテルのフロントより薬を調達。
原因は年季の入ったウェットスーツか?。明日のことを思うと気が重い。
四月十八日 最終日
頭痛。体長は最悪だ。出迎えが来る前にホテルを抜け出して薬局を捜す。
回転は九時以降かシャッターが閉まっている。そもそも沖縄の朝は遅い。
もしもの場合を考えて空港にタクシーで乗り付けた。空席があれば予定より早い便で飛ぶ心算だった。
満席だった。
S氏が迎えに来た。いったんダイビングサービスに寄りKOとJ子に付き合ってポイントへ。
途中、薬局に寄ってもらうことは忘れなかった。
砂辺海岸。昨日とは異なり曇りがちであった。
※砂辺海岸での KOとJ子
この沖縄五日間での自分の画は無人島で撮った一枚だけだった。ネガがあまりにも劣化していたので掲載を控えました。
結局、ついにJ子は水中でマスクは外せなかった。結果は推して知るべし。
翌年、同サービスを訪れた時に、その後もう一度訪れて無事取得したことを聴いた。
『良かった』
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このダイビングシリーズにはやたらと若いオネーサンが登場いたします。
実はリゾートダイバーの大半は二十代の女性です。
十代はまずおりません。経費がバカになりませんから当然ですね。
三十代の女性も居りますが僅かです。オカーサンになるとダイビングどころでは無いのでしょう。
オバサン・オバーサンも居りますが極めて稀です。
独身男性の方。ダイバーになると出会いのチャンスは高確率で上がりますヨ。
但し高スキルが必要です。イントラやガイドの方がアドバンテージは高いですからネ。
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NAUIとは
1960年にアメリカでダイビングインストラクターコースを開催し、
世界で初めてのスクーバダイビングの指導員組織が誕生したのをきっかけにはじまった
NAUI (National Association of Underwater Instructors)。
ITCカリキュラムをはじめ、インストラクターやコースディレクターの制度がまだできていなかった当時は、それぞれがお互いの技量をチェックして
「この人ならインストラクターとして自分の最愛の人の講習を任せられる」と認められる人をインストラクターとして相互に認定しました。
NAUIの歴史はダイビングの歴史です。レクリエーショナルダイビングを求める人々に、より楽しく安全なダイビングを提供し続け、ダイビングの普及に大きく貢献してきました。
誕生以来、「最愛の人を任せられる信頼」、「Dive Safety Through Education(教育を通じた安全なダイビングの実践)」を信条に、
数多くの質の高いインストラクター、リーダーシップメンバーを育成し、その人材の豊かさと優れた指導法で、世界的に信頼されるダイビング指導機関として広く認められており、
現在ではアメリカをはじめアジア、ヨーロッパ、南米、中東、南アフリカ、日本などを拠点に多くの世界でNAUIインストラクターが活躍しています。
だそうです。キツイ訳です。
もっとも私はそれを承知して選択いたしました。決してダイビングサービスの広告写真の女性がタイプであったからではありません。
※「Cカード」とは。
一般的には「ダイビングライセンス」と言われることもありますが、
「ライセンス」という用語からは「免許証」というニュアンスが強く
Cカードは「免許」とは明確に意味合いが異なるものです。
Cカードをそのまま日本語にすると「認定証」という訳になります。
国際的に「Certification-Card(Cカード)」と呼ぶのが一般的であることから、日本でも「Cカード」と呼ばれてます。
『アイシャル リターン OKINAWA』次はニコノスを持って。