ぽせいどんの今日の一枚 +

写真とかCGとかを気ままに + DIY

御宿小学校 その5

2024-01-23 12:26:59 | Weblog

  明治四十五年(1912)四月。校舎の工事が始まりました。
  大正三年(1914)七月 念願の校舎が完成。

  瓦屋根の平屋。南側は窓ガラスが整然と並び、窓の下に換気口の備わった当時としては近代的な校舎であった。
  伊藤鬼一郎校長をはじめ村民の誰もが感慨無量の表情で新校舎を眺めた。
  初めて教室に入った子供たちは歓声をあげた。

*****************************************************************

  ある日、御宿小学校で佐倉連隊の簡閲点呼式が行われた。
  式終了後、近衛歩兵第四連隊黒田善治少将が新装となった小学校を見学された。
  ※多くの記事で少将と記されているが最終階級が陸軍少将であり。御宿に来た時は大佐であった

  校長室。休憩中の黒田と伊藤との会話・・・

  伊藤と黒田の会見は無かった。黒田は兵事係より五厘講の経緯を聴いた。
   伊藤と黒田の初会見は昭和になってからのことである。

*****************************************************************************************

  十数年後、退役した黒田が伊藤を訪れ「五倫黌・(五倫校)」と彫られた扁額(見出し画像)が贈られました。
  ネット上に簡閲点呼式から数日後と記載されたとあるものは事実ではありません。 

  ※五倫は、儒教における五つの道徳法則、および徳目。
     主として孟子により提唱された「仁 義 礼 智 信 」の五錠常とともに儒教倫理説の根本となる教義であり「五教」「五典」と称する場合もある

  「父子有親,君臣有義,夫婦有別,長幼有序,朋友有信」

   父子の親・・・父と子の間は親愛の情で結ばれなくてはならない。
         父親は男子、特に長男に対して厳しく育てようとするし、子は時として反発もする。
         父と子の間には親愛があればいい。しかし、それがなければ、うまくいかない。

   君臣の義・・・君主と臣下は互いに慈しみの心で結ばれなくてはならない。
         義とは、他人に対して守るべき正しい道であるが、君主と臣下の関係ではそれを行うにおいて、
         お互いに慈しむ心が必要である。

   夫婦の別・・・夫には夫の役割、妻には妻の役割があり、それぞれ異なる。
         夫には父性としての義愛が、妻は母性としての慈愛が必要であり、夫婦の役割は異なるのである。

   長幼の序・・・年少者は年長者を敬い、したがわなければならない。
         何しろ、長く生きているということは、そのことだけで尊い。年長者を敬うのは当然である。

   朋友の朋友の信・・・友はたがいに信頼の情で結ばれなくてはならない。
         「朋」とは学びを同じくするもの。「友」とは志を同じくするもの。そこには、信頼がないと朋友にはなり得ない。

  御宿小学校校歌

  あじろ湾 波は静かに 緑濃き春日の森に
  平和なる 眺め明かるく 海の幸 豊けきところ
  御宿の 小学楽し

  五倫黌 その名きこえて 堅忍の学びの園よ
  記念塔 世界に向かう 力ある文化の郷土
  御宿の 歴史は久し

  南総の 空はうららに 勤労に栄ゆるところ
  よく学び 仲良く励み 健やかに伸びゆく我ら
  御宿の 小学うれし

  ※一番は完璧に憶えておりましたが二・三番は一部記憶には有りません。
   通学しておりましたのは半世紀前のことでしたので健忘症?。
   あるいは少子化に伴い学校の統合がありましたので校歌の一部が変更された?
   機会がありましたら調べてみます。 
   しかし、小学生には理解し難い言葉が並んでます。平仮名で記されたら大人でも???。 

 

   現在、五倫の扁額は伊藤校長の写真とともに校長室に飾られているそうです。

   この校舎は昭和41年に現在の校舎が建てられるまで50年の間使用されておりました。
   私もこの校舎を使用していたと言うことです。

 

   ※南総八犬伝の 仁・義・礼・智・・信・の珠は
    五倫に八犬士の数に合わせてを馬琴が加えたものと想像して調べましたらその通りのようです。

 

 

御宿小学校 - ぽせいどんの今日の一枚 +

町の広報誌によると耐久年数を過ぎたので建て替えるようです。記憶では1970年少々前にこの校舎となりました。私が通学した時代は木造平屋でした。校庭の片隅に銅像がありま...

goo blog

 
 

御宿小学校  その2 - ぽせいどんの今日の一枚 +

伊藤鬼一郎先生像のすぐ脇に建てられている忠霊殿小学生の時は正確に認識理解しておりませんでしたが『霊』の文字からなんとなくそのようなものだと思ってました。小学校の...

goo blog

 
 

御宿小学校  その3 - ぽせいどんの今日の一枚 +

私が通学していたころの正門の門柱。現在は最明寺の参道入口に建っております。明治四十年(1912)校舎が倒壊して五年。伊藤鬼一郎校長と村田啓次郎村長は国・県・郡に頼る...

goo blog

 
 

御宿小学校 その4 - ぽせいどんの今日の一枚 +

2024/01/19五倫校に纏わる講談が演じられました。会場は御宿小学校体育館でした。方言指導と言うほど大それたものではありませんが多少関わりましたので出かけました。前説...

goo blog

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。