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好奇心旺盛な長年の体験で、行って、見て、食べて、泊まった素敵な世界を、皆んなにちょっぴりお裾分け...

ブルターニュ紀行 4 <フレエル岬 から サブロン・ドール と ヴァル・アンドレ に向かう> エメラルド海岸を西へ

2021-02-15 00:56:58 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 『フレエル岬』の先端の一つにある『ラット要塞』

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう



「ディナール」から海岸線を西進しよう

かなり大きな岬
『Cap Fréhel フレエル岬』を訪れる

この辺りは
例によって海岸まで真っ平らな陸地が続き
海岸で急激に引き裂かれたように入り組んだ岬が現れたりする
中でも
規模が大きくよく識られているこの岬は
北部イングランドやウエールズの原野「ヒース」とよく似た
地形と土壌と植生とが見られる


時期になると
自生している「エリカ」が紫の花をつける


野生の動植物の宝庫だ

岬の先端には灯台が三つある


小さな写真で分かり難いが
最先端に小さな灯台があるのです


中世の終わりの頃から残る
ごくごく初期の灯台

そして
もう少し内側に二つ


手前に1701年建設の灯台
奥に現代の灯台と

1959年建設の灯台

灯台の写真は4月にしては好天だった
元来ブルターニュは夏でも南とは違って底抜けのブルーにはならない
夏場でも朝のうちは霧が出ることもある


同じような角度から違う天候の日に


どちらも
岬の先端に近い方から陸に向かっての光景です


陸が完全に平らなのでわかりづらいが
海面とは70m以上の高度差がある
こうやって崖を間近で見るとそれがよく分かる




この岬は
赤い玄武岩と黒い粘板岩でできていて
岩肌に縞を感じる

岬の最先端に近いあたりの数少ない砂浜に
波に削られた「赤い玄武岩」と「苦労粘板岩」の実物が見られた


玄武岩は花崗岩の一種で普通の花崗岩より色が濃い
粘板岩は古生代に泥が沈殿して石化したもので「硯」や「屋根瓦」に使われる

この「フレエル岬」の先端部は二股に分かれており
短い方の先に城塞がある

フレエル岬の先端近くから見た『ラット要塞』

ということで
『Fort de la Latte ラット要塞』
に行ってみよう


駐車場からしっかりした道で200m


入り口に「跳ね橋」があるのがお分かりになるだろうか


右端の城門にまず跳ね橋が一つあり
それを渡って「一の丸」(出丸)を突っ切ると次の橋と跳ね橋とで本丸に入る

本丸のさらに先の
一段下がった「二の丸」のテラスには大砲が沖を睨んでいる



「本丸」に入るには
上の左右に突き出した二本の腕木から鎖でぶら下がる橋を
城門の扉の位置の巨大で頑丈な思い木の扉が振り子というか重しの役を持って
上に引き上げる
その重しを止めるストッパーがあった


ここをくぐるとすぐ
メインの建物が残っている


この写真の左半分の建物の端の狭い部分をくぐって中庭に入る形になる



その中にある
守備隊長の居住区画




敷地全体の基礎の中に大きな地下室のような水槽があり
そこに雨水を貯めて沈殿させ浄化する


水の汲みあげ口が丸い井戸のように見えている


『le Donjon 天守の塔』


天守の入り口


天守の最上階の天井のアーチ


内側のアーチで支えられている円蓋の屋根の外側は
こんな風
左に四角い柱みたいなものは暖炉の煙突

この天守の最上階から下を振り返ると
この城塞の構造がよく理解できる


居住用の建物の斜め前
写真で手前の建物は礼拝堂
さらにアップにして「出丸(一の丸)」を見ると


そこそこのスペースがあることがわかる
そこに


パンを焼く石窯もあった

ところで
この城塞の名称が「Fort」となっているので
一応「要塞」と訳す

この「ラ・ラット要塞」から見た『フレエル岬』も見てみよう


あくまで大地は平ら
70mの断崖

※  ※

「ラ・ラット要塞」を後に岬の海岸線をさらに西に進もう

そのうち
『Sables-d'OR-les-Pins サーブル・ドー・レ・パン』
その名も『松林の黄金の砂』
という名の村に至る

その村に着く前に手前の高みから見下ろす


緩やかに弧を描く優美な長い海岸線
ちなみに
前方の岬の向こう側は『エルキィ』という名の小さな漁港

この「松の金紗村」は村というより
海岸にその名の由来と存在意義があるのです


上の写真とは逆向きに見ているが
この明るく輝く砂浜


見てくださいこの砂浜
お天気の良い日差しの強い日には正しく黄金の砂浜でしょう



ご安心ください


松林もちゃんとあります
エメラルド色の海も一緒に


この「松林の黄金の砂海岸」は美しい砂が柔らかく
広くて人があまり来ない
穴場中の穴場なのです

※  ※

そしてこの海岸線の西の岬を回り込むと
『Port d'Erquy エルキィ港』


この灯台のすぐ左が港


そして
岸壁に魚市場がある
一定の時間に競りが行われています


底引き網漁船からの荷下ろし

※  ※

さらに西に数キロ行くと
『Val André ヴァル・アンドレ』

この町は結構大きく
リゾート・タウンとしてしっかり機能している


こんな浜辺もあり


こんなのどかな光景もあり


プレジャー・ボートのハーバーもある

だがしかし

Photo by  marina.com

お分かりだろうか
これは駐車場ではない
たくさんの係留中のボートが引き潮で「陸に上がったマグロ」状態なのです

そこで
2kmほど先『Dahouët ダウエ』地区にもう一つ港がある


ここが入り口で


一番奥にプレジャーボートが係留し
漁船は手前の壁に横付け



こんな感じになってるんですけど
船の位置が低すぎますよね
これは目下引き潮だからなのです
満潮になれば舟べりが岸壁の高さを超えることもある
それでもっと低くなると


ブルターニュの干満の差恐るべし
続く
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旅行に関しては以下のサイトもどうぞ
https://veritas21.com  『こんな旅がしてみたい 誰も真似のできない旅にプランナー』

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