昨日食べた重いものが
気に入らなかったらしく、
夜半から朝にかけて、
腸が本気の暴動を起こしていた。
まあ、お腹が空になれば、
おさまる事だと思って
耐えていたが、
余計なものはもちろんだが、
何か大切なものまで
出ていってしまった気がする。
夢とか希望とか。
発作がおさまると、
身体が震えだした。
でも、凹んだりはしない。
何故なら、こんなことは、
お約束事だからだ。
知ってたよ!
そうなるってな!
職場では。
朝に行くと、インフルで消えてた
クルーさんがめでたく復帰。
私は新メニューのだし巻き玉子を
作成。
先日ふと気付いたんだが、
厨房の背後の壁に、
新人クルーさん宛ての
メモが貼られていた。
唐揚げ弁当は、一個増量
キャンペーンになるよ。
よろしくね!
そんな内容。
知らなかったので、
へー、そうなんだ、
と思いつつ、食材救済の為、
別の弁当を作った。
今朝はそれを思い出し、
唐揚げ弁当を作った訳だが。
薄々、このメモ、新人さん、
気づかないんじゃ?
と思っていた。
新人クルーさんは今、
静かなパニックの中にある。
おそらく彼の眼は厨房マニュアルに
釘付けだろう。
背後なんか振り返る?
そこに小さなメモが
貼られている事に気づくのか?
増量キャンペーン用の
マニュアルすらプリントアウト
されていない。
プライスカードや、
一個増量シールも、
探したから見つかった訳で。
新人さんは、きっと
その存在すら知らないだろう。
その予感は当たっていた。
昨日、唐揚げ弁当を作った彼は、
普段通りの数で鶏を揚げ、
途中で指摘され、
サーマルシールを出せないと、
再びパニックに。
サーマルシールも、
増量中の新メニュー扱いで、
いつもの唐揚げ弁当のナンバーでは
出力できず、エラーになる。
正しいナンバーは、
例の、背後の壁にあるメモに、
小さく書いてあった。
壁だよ、壁。
全てはそこにあったんだ。
…気づくかよ!
メモは、眼につく場所に
貼ってやれ。
おまけに、惣菜パンも、
いつものたまごサンドは
一旦お休み、
だし巻き玉子サンドを、
作ってね!
と指示がありつつ、
こちらもマニュアルが出ていなかった。
マニュアルがないと、
できないですよね?
再び、自力でストコンに向かう。
一回レシピを出した事があるのに、
今回はうまくいかず、
かなり苦戦した挙句、
何とかプリントアウトして、
疲れ果てながら、
新人クルーさん宛ての
メモを書いて、
見える場所にまとめておいた。
前任の店長さんに、
引き継ぎの時に、
新メニューの切り替わりを、
把握できないようで不安だと
聞いたら、
彼女はこう云っていた。
大丈夫です。
それについては
全てリーダーの
Iさんに任せてあるから、
彼の指示に
従って下さい。
うわぁぁぁ。・゚・(ノД`)・゚・。
Iさんが、いない…!
そして、店長代理の指示は、
やはり謎に満ちていた。
もはや、誰も代理の真意が
わからなくなった状態。
結局、無視しておこう、
という事になる。
カオスの中にも、ある種の
団結力が生まれたのは
唯一の救いだ。
そして、土曜日。
リーダークルーのIさんは、
まだダメっぽいという
情報が更新された。
高校生バイト君が朝からワンオペで
大丈夫なのか?
というので、
代わりに私が出る事になった
と告げると、
憐憫のまなざしで
肩を叩かれた。
いや、代わってくれても、
いいんだぞ?
うわぁぁぁ。・゚・(ノД`)・゚・。
オーナーなんて、
どうせすぐに帰るに決まってる。
もう誰もあてにしない。
誰も信じない。
だけど、負ける気もない。
寝不足で、腹の中も空なのに、
もはや何も感じない。