記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

近頃、面白い本

2017年03月31日 14時30分24秒 | Weblog
1 竹内薫「夜の物理学」インデックス・コミュニケーションズ2005
冒頭に「パンドラの匣をあけた物理学者」というショートショート。
「私」が卓上ブラックホールを発明し、商品化してもらった、・・・。
各章各節軽く読める。どこまで本当か分からなくなるのがいけない。
現実と仮想が交錯するのが現代の物理学だ、と。

2 佐藤勝彦「眠れなくなる宇宙のはなし」宝島社2016
最初に世界各地に伝わる宇宙創造神話。
ブルーノは「無限の能力を持つ神が有限の宇宙や唯一の太陽しか造らない筈はない」と言って1600年に火炙りの刑に。
宇宙項:量子論によって真空がエネルギーを持つころを考慮して相対論の方程式を解くと、宇宙項と同じものが現れる。
トンネル効果:宇宙はトンネル効果によって、極小の大きさを持った存在として、ポッと現れた。
ブレーン宇宙論:宇宙は10次元空間の中を漂う薄い膜のような存在。
われわれは3次元空間しか気づかないが、残りの7次元が小さく縮まっている必要はない。
マルチバース:複数の膜宇宙が存在。
われわれの膜宇宙と他の膜宇宙が衝突。それがビッグバン。
重力波 : アインシュタインが存在を予言して丁度100年後に観測成功、2016年2月。
重力波天文学 : 宇宙誕生直後に生じた音を聴くのが目的。

3 ジャンナ・レヴィン(著)田沢・松井(訳)「重力波は歌う:アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち」早川書房2016
原題は“Black Hole Blues : and Other Songs from Outer Space ”
LIGO (ライゴ) : レーザー干渉計重力波観測所。
一辺が4㎞のL字形検出器。
総費用10億ドルを超え、数百人の科学者・技術者が参加。
地球1000億個分の距離を、髪の毛1本に満たない幅だけ伸縮させる変化の測定。
発端は1960年代のライナー・ワイスによる“俳句のように”シンプルな思考実験。
ワイスは相対論についてよく分からないままMITで相対論の科目を担当したと言う。
数学に苦労し、学生より少しでも先を行くために全てを思考実験で片付けようと・・・。
学生たちに重力波を扱ってほしいと言われ、思考実験の課題として、「物体間で光線を往復させ、重力波を測定しよう」というアイデアを提示。
学生たちと、ひと夏かけて、一辺が1.5mのL字形の干渉計を作る。

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