記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

オックスファムの統計

2017年01月22日 07時02分17秒 | Weblog
ダボス会議に先立ってNGO法人オックスファムが明らかにした統計によると、ビル・ゲイツを筆頭とする世界の富裕層上位8人の資産合計は、世界総人口の下位半分37億人の資産の合計に等しい、とか。
世界の富裕な人々が日本では見られないほど桁違いに大きな寄付を行うのが不思議でした。
しかし、これだけ格差があると、富める者は貧しいものに施せという宗教的教義は空しくなります。格差は統計のなかった古代から、どの文明圏でも横行したが、格差という考え方はなかったようです。蓄積された超富裕層の資産は死後にピラミッドや古墳などに秘匿され、わずかに盗掘されこそすれ、特別に問題視されてこなかったのではないでしょうか。

それはそれとして今日の問題は、そうした格差が拡大する傾向にあり、価値を生み出していないどころか、危険なものになっている、ということだと思われます。下位10%の人々の所得は年平均で3ドル増えることもなく、他方富裕層では11%ずつ増えている、とか。革命の引き金になりそうな様子こそはありませんが、紛争の原因にはなりかねません。
階層間の反発があっても人種間の反発を優先するように誘導され、国内のトラブルを軽視して国の間のトラブルを政治の主要な争点にする。そうしたパターンをどこの国も何度も繰り返してきました。それを皆、知りながらまた繰り返そうとしていると思わせるニュースが溢れています。
戦争ということは考えたくありませんが、この50年間なかったような新しい紛争の世紀が始まろうとしているのではないか。
杞憂だといいのですが。


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