記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

ケプラーが師を毒殺した?

2016年12月16日 16時13分41秒 | Weblog
ティコ・ブラーエの口髭に水銀が多量に検出されたので毒殺されたのではないか、その死亡時に天文台にいたケプラーがデータを盗むために殺したのではないか、という疑惑が生じたことが有ったそうです(BS放送:コズミックフロント「知の怪人ケプラーの真実」)。
ブラーエは資産を注ぎ込んでヨーロッパで一番の天文観測施設を築き、ケプラーの才能を評価して観測員として招いたとのこと。ブラーエは観測誤差を少なくする方法を工夫していて、今日でも評価が高いが、ケプラーともあろう人がその人を殺すなんてことをするだろうかと番組を見ました。
国際的チームが遺体を再検査したら、頭髪には微少な水銀を検出したのみで、事実はブラーエが自身で水銀を薬として服用していたとのことでした。
因みに水銀が飲み薬になるのか、ネットで調べてみたら、秦の始皇帝の命で不老長寿の薬を求め3000人を率いて日本にやってきた徐福伝説が有り、始皇帝の死の原因は不老長寿の薬のつもりで飲んだ丹砂(硫化水銀)のせいでなかったか、という話がありました。そういえば最近まで水銀軟膏と云う万能薬が有ったのを思い出しました。

高校の物理でケプラーの法則を学び、彼が惑星の軌道が楕円だという大発見したことを憶えています。楕円の焦点と軌道上の2点を結んだ三角形の面積の計算が有りましたが、当時は愚かにも面倒なことだとしか思いませんでした。最近になって、ニュートンによる引力の法則からどうしたら楕円軌道が導けるのか疑問に思う機会が何度も有りましたが、ケプラーの法則があってこそニュートンの法則が生まれたのだということをやっと再確認しました。
軌道上の位置だけでなく速度のデータも揃わなくては引力の法則は導けないということでした。

高校では、物理学が数学と不可分だということをトコトン叩き込まれた筈でしたが、文科系へ進学したらすっかり数学抜きになりました。
最近、量子力学や宇宙物理学で面白そうな進歩が続いていますが、そうした領域を一般向けに紹介する雑誌や単行本は数式が出てこないことを売りにしています。
刊行する側に、一般への理解を薦めようという努力が不足しているのではないでしょうか。

東大出版会のUPというパンフレットを見ていたら「高校数学でわかるアインシュタイン」という本があるようです。
著者(酒井邦嘉)は「マクスウェルからアインシュタインへ」という文章を著していて、相対論から100年が経ち、高校や大学で相対論をどのように学ぶかを見直すべき時期に来ている、と主張しています(UP 2016/12)。
ニュートン力学によれば、光速の値は観測者と光源の相対速度で変わるが、電磁気学では光速は電荷や質量が慣性系で不変なように不変な量であって、その矛盾が解決しないままにされている、と指摘しています。

最近の科学がどのような数学を必要としているのか、よく分かりませんが、今も高校数学は19世紀に用いられていた域をほとんど出ていないようで、これで良いのだろうかと思われます。



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