記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

ブックオフの赤字ニュース

2016年05月12日 18時57分39秒 | Weblog
わが家のあまり遠くないところにブックオフが2軒あります。
最も近いところは、最近めぼしい本が少なくなりました。
少し遠いところまで足を延ばして驚いたのは50円コーナーが出来たことです。
有難く、そこで2冊買って来たら、ニュースでブックオフの赤字を知りました。

買ったのは
「アレン・ダレス:原爆・天皇制・終戦をめぐる暗闘」有馬哲夫 2009 講談社
「年収300万円時代を生き抜く経済学」森永卓郎 2003 光文社

万事にテンポがのろくなり、ゆっくり読み通すことが出来ないので、どちらも最初と最後を読んで一応分かった気になり、これを書いています。

われわれの学生時代に「ダレス来日」が有って、全学連で反発していたのを僅かに憶えています。
アレン・ダレスは、そのジョン・フォスター・ダレスの弟。
まだ自分探しをしていた時代に日本に立ち寄ったことが有る、と。
CIAの基礎造りをし、第5代長官に。
アイゼンハワー政権でCIAのトップに就任して取り組んだ重要課題が原爆関連インテリジェンス。
その関連文書はまだ機密解除されていないので、まだ触れられていない部分が多い、と。
彼は、日本が原子力発電など原子力平和利用しようとしたとき、CIAの側から関与。
その件については同じ筆者の「原発・正力・CIA」に詳しい、と。
退官後は兄たちの法律事務所に加わり、そのクライエントたちの利益を国益と同一視して貢献。

アメリカの原爆投下についてトルーマン政権内部で意見が一致していたわけでなかった。
最終決定を下したトルーマンとバーンズは、そのような論争において多数派では必ずしもなかった。
グルーやマクロイやアレンなど「論争」の敗者の方が、数においては「勝者」に勝っていた。

アレンたちのソフト・ピース派は、アメリカが共産主義と直接戦うのは下策で、日本やドイツに資金を与え、製品を売ることで、彼らに共産主義を封じ込める役割を担わせるのが上策だと考えていた、と。

共和党の大統領候補選びでトランプは、日本や韓国が米軍の駐留費用の50%を負担していることに不満で、何故100%でないのか、米軍を引き上げさせろ、と主張している、とか。
トランプがその論争の勝者になるかどうかに拘わらず、いま世界は大きく変化しつつあることは疑えません。
トランプを支持するアメリカの大衆の今の考え方の源流に、アレンたちの考え方があるのではないでしょうか。

―――
「年収300万円時代・・・」の長い題には更に副題が付いていて
「給与半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!」とありました。
帯には、「1%の金持ち以外は皆貧乏になる!?」、と。

まえがき:
「日本を買い占めようとする外資とその手先の御用学者たちが、日本をデフレに追い込み、日本をアメリカの経済的な植民地に変えようとしている―――。
「しかし、その理解は正確ではなかった。」
いま起きている買い占めでは、外資は従犯。
主犯はあくまでも日本人。

建前上、日本経済が新しい時代に生き残っていくための「構造改革」であるとされている。
本質は新興の金持ちが旧勢力を追い落とすという内輪もめ。
新興勢力が経済内戦に勝利した後、日本に現れるのは「新たな階級社会」。
そのシナリオが分かっているのに、なぜ国民は金持ち優遇社会への転換と言う「構造改革」を圧倒的に支持し続けるのか。

デフレの初期には多くの国民がデフレの恩恵を受ける側にいる。
そうしたデフレの中で強引なリーダーが登場し、大多数が歓迎。

「自分は勝ち組になれる」という幻想は捨てよう、と。



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