記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

五木寛之の「下山の思想」

2012年01月07日 20時58分30秒 | Weblog
五木寛之の「下山の思想」(幻冬舎新書 2011年12月)

読み易い。
今、われわれの脳裏から離れない最もホットなことについて語っている。
売れている作家のものだけに、あれこれ率直で面白い。

3.11後の閉塞に加え、内外の政治や経済の混乱を見るのは、地獄の釜の蓋が開いている様を覗き込むのに等しい。
われわれは今、その崖の縁にいるのだが、要は「怖がらなくてよい」と。

法然や親鸞が比叡山を降りたときのことを踏まえての着想だが、もとより信仰を求めている訳でない。
政治家やその周辺の人たちの言うことは、偽りに満ち、災いを押し付けてくるばかり。
さりとて縋るべき神や仏は存在しない。

われわれが自分自身に求めるべきは「眼を逸らすな」ということに尽きるのではないだろうか。

一通り読んで宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を連想した。
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ


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