タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

東洋医学「推し」の、そのツボは間違ってますよ。

2018年12月09日 | Weblog
このブログは東洋医学を批判しません。東洋医学にも優れた点がたくさんあり、それで心身を救われた方々も大勢いるからです。ただ、東洋医学を「推す」言説の論理構造には、健康を害する理論や疑似科学など人々に不利益を与えかねないものも含まれるため、しばしばその事例をこのブログで紹介しています。
今回は、東洋医学推しの時に、これだけはぜひ避けるべき点を記します。

・東洋医学大ファンの中には「科学という考え方自体が間違いだ。科学に基づく西洋医学なんてレベル低!。」と悪口を言いながら、いざ科学者が東洋医学の一部について肯定的発言をすると「やっぱり東洋医学は正しかった」と言う人がいます。
普段は科学の悪口を言ってるのに、いざとなると「科学に認めてもらったから私たちは正しいんだ」と言うのは、お調子者にも度が過ぎますね。
こういうみっともない会話をしている集団を見たら早めに見限るべきです。

東洋医学と西洋医学はそれぞれ論理構造や得意分野が異なり、医療でも、それぞれが協力して補完的役割を果たせるだろうというのが、今日の多くの医療関係者の声ですので、まずは冷静にお互いの良さと苦手分野を認めることが大事でしょう。

・「科学も東洋医学を認めた!」というマスコミ報道を見ていると、中医学、漢方、アーユルヴェーダ、ヨガ(インドでは医療というより精神修行法なんですが。)、ユナニ(インドやパキスタンの伝統医学)、ジャムウ(インドネシア民間療法)、などなど全部ひっくりまとめて「東洋医学」って呼んでいるけど、それってむしろ東洋医学をぞんざいに扱ってるようにみえます。

日本式の鍼灸のなんとかツボがなんとかに効果があったから東洋医学は素晴らしいんだ、ジャムウのなんとかが何々に効果があったから東洋医学はすごいんだ、とか、そういう論理展開は変ですよ。なぜなら日本の漢方一つをとっても、鍼灸があったり煎じ薬を用いたり指圧があったり食事療法があったり、いろいろなパターンがあります。薬だけでも膨大な種類があり、効果があるものからはっきり分からないものまであります。

漢方だけでも非常に多様な治療法を含むのに、ましてや、東洋各国の多様な伝統医療を「東洋医学」という名前で十把一絡げにして、治療がうまくいった一部の例を褒めることで東洋医学全体を持ち上げる論法は、ほんとうに東洋医学をリスペクトしてるのかなあと思います。

・ある「東洋医学」の治療法が、ある断片的研究で断片的にいい結果が得られて、研究成果がマスコミで紹介されたのですが「その研究成果からそこまで大風呂敷広げちゃだめよ~」という例を目撃することが増えました。科研費を取るためには「研究成果が非常に有益である」とアピールしないといけない時代になったため、大学や研究所の方が、焦って、テレビや新聞が取り上げそうな面白いネタにしたいことは分かってはいるんですが、大学や研究所の広報担当の方には、もう少し慎重にプレスリリースを書いて欲しいなと思います。これからも様々な医学や科学の研究が発展するためにも丁寧に説明して欲しいな。それから、マスコミの方々も、ぜひぜひますます正確な報道頑張ってください。応援してます。
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