日本の心
①日本の家屋
日本の家屋は木造である、ということですと最近は団地やマンション、それに軽量鉄骨構造や
パネル構造の家屋が増えてきていますがねそれでもやはり、今でも日本の家屋は木造です。
いまでは壁を立てて間仕切りする家屋が増えていますが、以前はそうではありませんでした。壁
は少なく、間仕切りするのは紙でできた襖や障子です。それらを開け放つと奥まで見通せるような具
合で、大変開放的な構造になってします。こんなふうですから壊れやすい、燃えやすいのです。
一方、欧米の家屋の基本は石造りで、堅牢です。容易なことでは壊れません。石を積み上げた
構造ですから、当然外部とは遮断され、密閉性の高いものになっています。
中国の家屋も木造のものもありますが、厚く土を塗り込めた壁を立てて堅牢性を確保しています。
地域によっては煉瓦造りが基本というところもあります。密閉性は高く、日本の家屋のように開けっ
広げではありません。
壊れやすく開っ広げな日本の家屋は、人間同士の信頼関係がなくては成り立たない、という見方も
あるのです。当然に欧米に比べて石が少ない、森林が多かったためにその木材を利用することが、手っ
取り早いという理由もあるでしよう。
我が国の建設業特に戸建ての会社や大工さんが多くおられます。一人の人が将来に渡って、一軒家
を立てることを最優先して、大方の人はそのロ-ンの返済に追われます。そして40年50年と立って、そ
の家を事も立に引き継げばいいのですが、そのためには可なりの資金を投じてリホ-ムしなければなり
ませんので、いっそ建替えをされる家も少なくありません。このように一番生活に必要な住まいにどの
世帯も大半のお金を使わざるを得ない生活環境が続いています。これを何とか、たとえ100年程度持つ家
が建てれば、日常の生活で使うお金も随分と違ったものになるのではないだろうか。