アイヌ民族・・・北海道
私は札幌に移住してすでに48年、サラリ-マン時代の転勤も加えますと、丁度50年
になります。関西生まれの関西育ちですから、身内のものも含めて、アイヌとは全く縁
もないものです。
その縁のないものが、一つの資料に出合って、アイヌに興味を持ちました。いわゆる
興味半分かも知れませんが、手許にある資料から断片的になりますが、ここに紹介いた
します。
その最初に、問題 北海道はいつから日本の領土になったのでしようか?
回答1、いわゆる「北方領土」でさえ、「我が国の固有の領土」というくらいですから、
北海道は当然「我が国固有の領土」で、ず--っと前から日本の領土である。
回答2、明治時代以降からである。
こういう問いが紙面にありました。皆さんはどちらだと思いますか?
正解は2なのです。多くの人は、昔からず--っと日本の領土と思っていたのではないでし
ようか。資料によりますと、江戸時代の学者の林子平が「三国通覧図説」で、その当時、
「「蝦夷地」と呼ばれた北海道は外国と認識されておりました。ちなみに「三国」とは、
琉球、朝鮮、蝦夷地を指しています。だから、現在の北海道函館地方で江戸時代に管理
していたのは、松前藩です。その「松前藩のアイヌへの収奪が厳しいから、アイヌはこ
のままではロシアになびいてしまう。北海道の開拓を急がないとロシア領になってしま
う」という危機感がその当時の支配者(江戸幕府)にあったのです。裏を返せば、自国の領
土になっていないものと認識していたのです。
しかし、我が国の小・中学校の社会科の地図には、古代から日本地図の中に北海道が
掲載されていて、考えることもなく、「北海道は日本の領土の一部」と思っていました。
というより、いつから北海道が日本の領土になったかなんてことは、考えてもみなかっ
たこではないでしようか。
私が最初に北海道に一歩踏み出したのは、今から50年前の10月でした。それは、北海
道開道100年記念の祝賀会が終った直後でした。今日まで、北海道の由来とか、原住民であ
ったアイヌ民族の事は、全くといっていいほど、考えもしていなかったのです。日本の最北
端の大地でまだ未開拓地だという意識しかなかったのです。次回はアイヌ民族がどのような
扱いをされてきたかについて、述べたいと思います。0