10年ほど前に購入したニコン35Ti。メタルの外装と黒革のレトロなデザインが素晴らしい。持つとずっしりとした重みがある。当時はプレミアムコンパクトカメラが流行っており,コンタックスの「T-2」と人気を二分していた。知名度はT-2の方が上だった。当時はミニで出かけ回り,常に右手に握りしめて歩き回った。気に入った瞬間や風景を見つけては撮影していた。撮影した枚数は数千枚を超えるだろう。
スイッチをONにすると扉が開き,このカメラの命「ニッコールレンズ」が姿を現す。ニコン屈指の1:2.8という明るいレンズだ。風景・夜景・人物・モノ…。カラー,モノクロまで忠実な色と画で表現することができる。
アナログメーターは今見てもかっこいい。フィルムの残り枚数を気にしながら魂を込めてシャッターを押していた頃を思い出す。焼き上がった写真を袋から取り出す瞬間にドキドキしていた自分が懐かしい。デジカメの登場でほとんど35Tiを手にすることがなくなってしまった。いつの間にか奥行きのないデジタル写真にも慣れてしまい。息を止めてシャッターを押すこともなくなってしまった。デジカメの発達は経済性や利便性を生み,ブログやHP,携帯の発展にも大きく貢献しているのは確かだが,アナログカメラの味わい,人間との距離感を超えることはないだろう。
97年夏 庄内の海岸に座礁したロシアの船
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東京のベスパ