なるほどな。
と、思いました。
この小説は「ドラマのための書き下ろし」なのです。
だから
どことなく、舞台劇の台本のような。
この文庫本は、こないだ発行されたのですが
単行本のほうは、すでに2011年10月に刊行されていて、
ドラマは同年12月に放送された。とのこと。
残念ながら、まだ私はそのころ、湊さんに詳しくなく、ドラマを観ていません。
2015年10月18日 第一刷発行
(2011年10月 単行本出版)
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表帯】
誘拐事件の裏に隠された
“真実”の意味とは!?
読み始めたら止まらない!
一気読み必至のノンストップミステリー!
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内容(「BOOK」データベースより)】
デビュー作の絵本がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ。ある日、脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐され…。
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あらすじ】
主人公は36歳のふたりの女性。
政治家の夫と幸せな家庭を築き、さらに絵本作家としても注目を浴びる主婦の陽子。
家族のいない天涯孤独な新聞記者の晴美。ふたりは親友同士であるが、共に生まれてすぐ親に捨てられた過去を持つ。
ある日、「世間に真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状と共に、陽子の5歳になる息子が誘拐された。
真実とは一体何なのか ……。
晴美と共に「真実」を求め奔走する陽子。すると、陽子の絵本のファンだという一人の女性の存在が浮上する。
犯人はその女性なのか、それとも……。
人 は生まれる環境を選べない。しかし、その後の人生は自分の意思で選び、自分の手で築いていくことができる。
犯人の示す「真実」が明らかになるとき、ふたりの歩んできた境遇 =人生の意味が改めて浮き彫りになっていく。
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出版社からのコメント】
デビュー作の絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。
共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ。ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。
「真実」とは何か……。
この冬放送の、ABC創立60周年記念スペシャルドラマ原作。
尚、絵本『あおぞらリボン』(文・みなとかなえ 絵・すやまゆうか)が入った函入り特別版(1995円)も同時発売。
湊かなえさんと言えば「告白」のインパクトが強くて
それで、是非~ドラマ化を~の要望を受けて、書かれたのがこの小説なんですね。
湊さんの発表された単行本の順番は
告白(2008年8月 双葉社 / 2010年4月 双葉文庫)
少女(2009年1月 早川書房 / 2012年2月 双葉文庫)
贖罪(2009年6月 東京創元社 / 2012年6月 双葉文庫)
Nのために(2010年1月 東京創元社 / 2014年8月 双葉文庫)
夜行観覧車(2010年6月 双葉社 / 2013年1月 双葉文庫)
往復書簡(2010年9月 幻冬舎 / 2012年8月 幻冬舎文庫)
花の鎖(2011年3月 文藝春秋 / 2013年9月 文春文庫)
境遇(2011年10月 双葉社)
サファイア(2012年4月 角川春樹事務所 / 2015年5月 ハルキ文庫)
白ゆき姫殺人事件(2012年7月 集英社 / 2014年2月 集英社文庫)
母性(2012年10月 新潮社 / 2015年6月 新潮文庫)
望郷(2013年1月 文藝春秋
高校入試 シナリオ(2013年1月 角川書店)
高校入試(2013年6月 角川書店)
豆の上で眠る(2014年3月 新潮社)
山女日記(2014年7月 幻冬舎)
物語のおわり(2014年10月 朝日出版社)
絶唱(2015年1月 新潮社)
リバース(2015年5月 講談社)
ですので
「境遇」は、初期の作品となります。
(
青字は、私が映画およびテレビドラマを観た作品。)
(
赤字は、私が原作を読んだ作品。)
とてもわかりやすい内容で 結末や事件の犯人は読者側から判断できる構造になっています。
だからこそ、帯の言葉通り、
一気読み必至
なのかもです。
解説文を読んでいると、湊かなえさんは「人は生まれた環境でその後の人生が決まるのではなく、人生は自分で作っていけるものだというメッセージを込めたい」という思いを『境遇』に込めたことが明らかにされています。
ネタばれは、しませんよ。ご安心を~
けど、結局
生い立ちは、その人物の根底にこびりついて、その人生を変えることが
できない。とういう結論に結び付いたのでは?
その時点で同じ境遇をもつ二人でも
さかのぼると全く違う環境に身をおいているかもしれない。
うわべだけの境遇に左右されては
いけない。
と、いうこと?
陽子の人生、晴美の人生。人生は、自分では切り開けなかった。
生い立ちは、その後の環境に左右されない。
これが、この小説のテーマだったりして。
ネタばれは、しませんよ。ご安心を~
・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/13/11b418db541c65652d84c33fe8058db1.jpg)