みみかほう

こころの耳をすませて すてきな果報にであいたいとおもいます。

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✿グラスホッパー

2015年11月17日 | ✿映画
原作は、伊坂幸太郎さん!!


タイトルの「グラスホッパー」は、バッタのことです。

バッタは普段は緑色ですが、群れの数が増えてくると黒っぽく変色するのだそうです。
そのとき、後脚が短く翅が長いスマートな体型となり、跳躍力が増して、
そして凶暴になる。

これを、「群生相」といいます。


この「群生相」が、この映画のテーマとなります。


人間社会も、同じこと。
日常生活で感じるイライラ、嫌悪感、苛立ち。
満員電車や交差点の人混み等、人が密集するからこそ起きること。
凶暴化したバッタのように、次第に人々の争いは激化する。


本作には、激しい競争社会で「悪い方向」へ染まっていった者が「黒い群れ」で登場します。
注)目を覆うシーン多々あり。R12指定です。






解説・・人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を、『人間失格』などの生田斗真主演で映画化したサスペンス。恋人を殺害した犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える元教師、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら交錯していくさまが展開。監督は、『脳男』に続き生田とタッグを組む瀧本智行、脚本を『あなたへ』などの青島武が担当。共演には日本のみならず国際的に活躍する浅野忠信、Hey! Say! JUMPの山田涼介が顔をそろえる。

あらすじ・・世界でも屈指の過密都市、東京・渋谷。この街で起こった事故で恋人(波瑠)を失った元中学校教師の鈴木(生田斗真)は、犯人に復讐するために裏社会に潜入する。だが、鈴木が復讐を果たそうとしたその瞬間、彼の目の前で犯人が車にはねられて死亡。それは“押し屋”(吉岡秀隆)と呼ばれるプロの殺し屋の仕業だった。組織から追われ、おびえながらも真相を追う鈴木、人を絶望させる特殊な力で標的を自殺に追い込む自殺専門の殺し屋・鯨(浅野忠信)、鯨を殺すよう命じられたナイフ使いの殺し屋・蝉(山田涼介)。出会うはずのなかった3人の運命が、この事件によって交錯する…。





「普通の人が事件に巻き込まれるためにはどうするか」を常に考えているという伊坂さん。
本作でも「普通の人」である元中学教師、鈴木を中心に物語を展開していきます。

しかしながら、原作と映画では全くちがうシナリオなのだとか。
原作では「押し屋」と呼ばれる殺し屋が軸となって、物語がすすんでいくようですが、
映画では「寺原会長っていう悪の親玉」が、中心にいます。

ですので、厄介なことになっている。

解説でも書かれているように、「押し屋」を追うことで、鈴木(生田斗真)、鯨(浅野忠信)、蝉(山田涼介)の3人が交錯してストーリーが進んでいく。
はずが、映画では、まったく鯨、蝉の二人と 鈴木の接点がない!!!のですよ。
おかしい。

ラストにすれ違う?ことには、なってますが やや強引でとってつけたようで、
まったくもって、おかしいのです。


ネタばれは、しませんよ。ご安心を~


オープニングの渋谷・スクランブル交差点は、ななな、な~んと、実寸大で精巧に作られたオープンセットなのだそうです。
異様なまでに人が群がり黒く変貌する象徴、「群生相」が垣間見える重要なポイントです。
まるで渋谷の交差点を封鎖して撮影したかのようなリアル感です。


それから、
劇中に登場する「ジャック・クリスピン」というアーティストは、架空の人物だそうです。
このアーチストの歌詞が、物語にアクセントを添えます。

「ジャック・クリスピン曰く、俺は自殺するんじゃない。飛ぶんだよ。死ぬのは、そのついでだ。」

挿入歌としてこの「ジャック・クリスピン」の歌が流れるので
実在の歌手なんだろうなあ~と、思っていました。

けど、この挿入歌、実は
伊坂さんが好きなニューヨーク出身のロックバンド、ザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンに依頼して、この映画のために作ってもらったのだそうです。
タイトルは「Don’t Wanna Live Like the Dead」

映画の重要な場面で流れます。

「ジャック・クリスピン曰く、死んでいるみたいに生きていたくない。」
ほら、この言葉が曲のタイトルになっているのです。

しかも、蝉と岩西という登場人物の関係性を歌詞に入れ、間奏のタイミングも含め2分14秒ジャストの尺で仕上げ、映画製作者側のリクエストに完璧に応えてみせた。
というから、おどろき。


けど、この2つの逸話、
映画、見終わったあと、知ったのですけど。


ネタばれは、しませんよ。ご安心を~


「増えすぎた黒いバッタは、群れごと焼き払うしかないんです。」
との言葉通り、交錯したすべての人間が、抹殺され
結局、鈴木一人、生き残るわけですが、
鈴木はいつから踊らされていたのかが映画のポイントになってきますよね。

つまり、もう、冒頭ではなかろうか!!!と、思っています。映画の。
あのハロウィンのカボチャを被った男の子に
鈴木の恋人が出逢った瞬間
です!!!
ねねね、そう考えると ああ、怖。



愛する者を失った悲しみは、どうやって癒されるのか。

「ジャック・クリスピン曰く、トンネルから飛び出す前こそ気をつけろ。」



グラスホッパー11月15日鑑賞





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コメント (18)
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