おっもしろかったあ!!!
湊かなえさん、すごい。
こないだ
「母性」を読んでいたら、
Amazonのサイトに
「母性をご覧になった人は、こんな商品もご覧になっています。」との
お知らせ。
そこに、この「サファイア」が紹介されていました。
東野圭吾さんと宮部みゆきさんの本以外は苦手だったのに、
最近、湊かなえさんにはまっています。
2015年5月11日 第一刷発行
【
表帯】
綺麗な宝石に秘められた
深い謎と人々の切なる想い
人間の内なる闇と祈りを描き切る、珠玉の物語。
真珠、ルビー、ダイヤモンド、猫目石、ムーンストーン、サファイヤ、ガーネット
指輪、ブローチ、ピアス・・・
7つの宝石を巡る、
人間の愛と悪意と希望。
【
内容(「BOOK」データベースより】
あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった―「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした…(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが…(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。 -
短編集です。
一編に物語を象徴する宝石が一つずつ出て来ます。。
真珠、ルビー、ダイヤモンド、猫目石、ムーンストーン、サファイヤ、ガーネットと、
それぞれの宝石が、その物語のタイトルになっています。
そして、その全てが恩返しの要素を含んでいる、という点で共通しています。
◆ 真珠
え?誰と誰?
この二人、どういう関係?
最後の方にきて、おお~~そういうことか!
すごい、湊かなえさん。
たぬき似のおばさんと中年男
二人の奇妙な会話から始まります。
伏線はたっぷりあります。
気づかなかった。やられたあ。
この物語の真珠は、イヤリングです。
◆ルビー
え?きゃあ、そういうこと。
素直なやさしいこころへのご褒美。
すごい、湊なかえさん。
現在出版社勤務、田舎生まれの主人公。実家に帰ってきて、家庭の状況をうかがう。
ある日、実家の近くにとある特殊な老人福祉施設が建てられた。
そこに入居している「おいちゃん」と呼ばれる人物。
そんなおいちゃんから母へ贈られたのが、現在母が身につけている赤いブローチ。
主人公はブローチをみてとある話を思い出す。『情熱の赤い薔薇事件』。
福祉施設と、『おいちゃん』の正体について語られていく。
この物語のルビーは、ペンダントです。
◆ダイヤモンド
え?これって白昼夢?
鶴の恩返し、ならぬ雀の恩返しのお話。
すごい、湊かなえさん。
美和という素敵な女性と婚活パーティーで巡り会った男、古谷治。
彼は美和にダイヤモンドの婚約指輪を贈った記念すべき日、気絶して人に踏まれかけた雀を救い上げた。
ある日彼の家に女性がやってきて、自分はあの時の雀で、恩返しをしたいと言い出す、半信半疑ながら美和の誕生日の贈り物はなにが良いかを調べさせた…
なんか、キツネにつままれたようなお話。
この物語のダイヤモンドは、婚約指輪です。
◆ 猫目石
え?家族みな、すっごい秘密があるんだ。
ばれる?ばれない?
すごい、湊なかえさん。
視点が変わり、物語は進みます。
これは、湊さんの醍醐味ですね。
この物語の猫目石は、ほんものの猫の目?かな。
◆ ムーンストーン
え?そっか、
あの二人か、あの二人の将来の姿。
すごい、湊かなえさん。
研ぎ澄まされた友情物語。
走れメロス的な。
この物語のムーンストーンは、ピアスです。
◆ サファイア、ガーネット
え・・・?
サファイアを読み終わって、ああ
こう来たかあ。と、深く感銘。
すごい、湊かなえさん。
で、
次のガーネットろを読み進めていくうちに、気づいた。
あれ、これは
サファイアの続編だ。
よかった。主人公のその後がわかるんだ。
この物語のサファイアとガーネットは、指輪です。
一つ一つの物語が
いい意味で、おお。
というぐらい心地よい裏切り。
結末はこうなるんだあ~なるほど。
ページをめくる手が実に、速いこと。速いこと。
ひきこまれるように、読み進みました。
そっか、そっか
湊かなえさんは、あの衝撃的な「告白」がデビュー作なんだ。
すごいわ、湊かなえさん。
「すごい」の3文字でおさめてしまって、申し訳ないほどです。
・・・