伊坂幸太郎 著
最強の殺し屋は―恐妻家。「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる殺し屋シリーズ最新作!書き下ろし2篇を加えた計5篇。
「グラスホッパー」「マリアビートル」に続く殺し屋シリーズ3作目です。
今回の殺し屋は、殺し屋のクセに(と言うと偏見かもしれないが)フェアであり、憎めない。
妻の言動に怯え、一人息子を溺愛する不思議な殺し屋なのだ。
弱い物いじめを嫌う一方、簡単に人の命を奪う自分もどこか客観的に鑑賞し、天秤にかけて善悪を常識的に判断する、不思議さが、悪く無い。
これまでと一線を画す物語、緊張感もありつつ夫婦と親子の強固の繋がりを感じる、とても惹き付けられる一冊でした。
伊坂ファンは特に気に入るのではないだろうか。
まさかラストの1ページで泣かされるとは思わなかった
家族持ちには特にね。
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