1974年2月、サム・ビックはハイジャックを計画し、ホワイトハウスに突っ込もうとしていた。実際にあったこんな事件、覚えてます?
映画を観た私の大雑把な印象は、すっごく不器用な男の八つ当たり的復讐劇・・・かな。
仕事も家庭もうまく行かなくなった男は、その根源が国民を裏切った大統領、リチャード・ニクソンにあるように感じてしまう。病んでます。
いろいろな仕事を転々としていて、最後の仕事は事務用品の販売員なのですが、販売のテクニックをうまく使えず、仕事を仕事と割り切れない。客を欺いているような気がしてしまうんです。今まで仕事が長続きしなかったのも妙なこだわりがあるからなのでしょう。
そういう愚痴を聞いて欲しい妻は1年以上も別居状態。時々会いに行く妻の顔を見ればわかります。明らかに迷惑そう。「また仕事辞めたの?」そう言って何度も喧嘩したに違いありません。
仕事に行きたくない→独立しよう→タイヤの販売で一儲けだ→融資の返事が思わしくなかった→タイヤは既に発注済→破綻
絶望感に苛まれた彼は、ウォーターゲート事件の真っ只中にいたリチャード・ニクソンを暗殺するしかないと思い詰め飛行機に乗り込むのですが、逆に射殺されてオシマイ。あっけなく終わってしまいます。
ロバート・デ・ニーロの『タクシー・ドライバー』の狂気にも似ているなぁ。なんだか世間にイラつく。でもどこへぶつけていいかわからない。手っ取り早く目立つヤツを殺してしまおう・・・みたいな。おぉ~怖い。
◆リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 → http://www.wisepolicy.com/the_assassination_of_richard_nixon/