今日の女王サマ

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私も母親だが・・・『母なる証明』

2010年01月23日 | 映画&本&音楽&TV
久々の韓国映画。兵役から戻ってきたウォンビンの復帰第一作である。
 
トジュン(ウォンビン)は知的障害がある若者で、漢方薬店を営む母と二人暮し。
母は息子を溺愛しています。
象徴的なシーンがあります。それは押切で薬草を切っているところ、息子が車にひき逃げされる。ひき逃げと言ってもかすった程度。そのとき実は自分も押切で指を切っているんですが、痛みさえ感じない。

この息子が殺人事件の容疑者として警察に連れて行かれるんです。
知的障害者であるため、記憶さえハッキリしない息子に代わり、母は奔走する。貧しい中から、町で一番の弁護士を雇い、自分も真犯人を探そうとするんですが、それもすべて息子を信じているからこそ。

ある時、トジュンは思い出す。あの現場にいたもう一人の男を。
母はその男を訪ねるが、男が語った真実は母を打ちのめすものだった。

冷静に見ればトジュンの殺人は事故とも言える。しかし母がしたことは「罪」です。

私も母親ですが、私はこれほど子供にのめり込んでいない。トジュンも時々鬱陶しい顔をしています。母は息子に生きがいを求め、生活の全てが息子のため。
こんな母親は確かに鬱陶しいでしょう。

監督は『殺人の追憶』、『グエムル-漢江の怪物-』のポン・ジュノ。どちらも『母なる証明』より面白いと思う。
特に『殺人の追憶』は私の好きな作品でもあります。

今回『母なる証明』でトジュンの友人ジンテを演じていたチン・グが存在感たっぷりでした。